稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルである

著者 :
  • あさ出版
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感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866670867

作品紹介・あらすじ

バスケット団体2団体の統合からはじまったBリーグ。不安をよそに初年度観客動員数は226万人、リーグ売上も50億円と、前体制と比較して観客動員数は50%増、リーグ売上は10倍と、他スポーツと比較しても肩を並べるほどになった。2年目の2018年、観客動員数10%増の見込みである。スポーツ産業はもちろん、成長産業が数少ないなかで大健闘。その成長の秘密はなにか、Bリーグビジネス現場の最高責任者が「何を」「どのように」「どう考えた」「どうしたか」について明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 今年発足3年目を迎えるB.LEAGUEの裏側を語った本。徐々に認知され、ファンや観戦者も拡大していく中にあって、その当時の苦労が随所に垣間見られるものとなっている。

    スポーツビジネスは各都道府県にクラブチームがあり、今後もますます固定客が、そしてネットを通じて内外ともに視聴者も増えていきそうな気がしている。年を重ねるごとに演出も凝ってきており、ますます目が離せないものとなっている。

    また、特別な試合にあたっては、プレミアムチケットさながらの高額な価格設定で強気に販売しているが、昨今の若者事情を踏まえればそれも頷ける。若者は財布の紐が固い、購買意欲が低いと言われているが、やはり自分の興味関心が強いものにはしっかり考えてお金を使ってもいる。

    私自身、実際会場まで足を運ぶのはまだ年に数回だが、今年初の年度末の試合を生で見られるのを今から楽しみにしている。

  • 既存のしがらみにとらわれていないところにBリーグの強みがある。リーグ一括でファンにアピール、ブランディングし、チケット購入への動線としている点などは、実際利用している身としても使い勝手の良さがあり(改善点もあるものの)、実感をともなって読めた。NBAのチケット売上がスポンサー売上を上回る点、シーズンチケットの割合の多さ、クラブサイトでシーチケを転売でき、クラブはその入札者すべてを見込み顧客にし得る点等々、日本では中々知り得ない実情の紹介も興味深く、バスケに限らず他スポーツでも参照してほしい。もっとも、模倣の域を出ない改革に留まってほしくはないが。提供するサービスと料金設定に妥協しないスタンスは、趣向を凝らしたオールスター戦のPBで観戦チケット以上の価格を設定し、成功した事例に凝縮されており、筋の良さと将来性を感じた。かつてJリーグの新風がプロ野球界に危機感と改善を促した様に、Bリーグにもそんな役割を担って欲しい。

  • ## 感想
    - 良かった。定量的な話や具体的な意思決定のエピソードが詰まっていて、それっぽい物語で終わるものとは一線を画していた(ただしマネジメントのくだりとかは飛ばして良い)
    - 川淵キャプテン、アツイな~~~サッカーだけでなくバスケも救ってたのか~

    ## メモ
    全く興味ない人を1回連れてくるコストは今5回来ている人を6回にするコストに対して6倍かかる。
    NBAはチケット売上45億円スポンサー売上20億円で2倍。日本は逆でチケット1.5億にスポンサー3億。J1もチケット7億スポンサー15億で同じ。

    セカンダリーマーケット。シーズンチケットが売上の75%を占めるNBAは、転売を公式サイトでやれる。この入札で新しいターゲットのデータも集まる。一石二鳥。

    エンタメへの支払いは時間単価800円くらいが日本の感覚値。となると滞在時間を延ばすことが効果的。

    プロ野球は入場者数×100円くらいが予算。

    bリーグクラブ社長の平均年齢48歳。全体の3分の1の13人が45歳未満。野球は親会社からの出向社長が多く平均59歳。Jリーグも55歳。ちなみに世間の平均は60歳。

    ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ - Wikipedia
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0

    ムトンボらレジェンド3人も参加! NBA社会貢献活動「NBA Cares」が開催 | バスケットボールキング
    https://basketballking.jp/news/world/nba/20191007/194113.html

  • 私よりも4歳も年下の方が、こんなにも熱い仕事をされているのを、旨を熱くして読みました。また、私自身も、幼いころはバスケットボールに憧れていたけれど、叶わなかった事を思い出し、バスケットボールの競技人口の多さに驚き、ぜひ、今度、見に行きたいとも思いました。P 36 「何がしたい、何々ができます」より、「こうあるべきで、こうしなければならない」と、自分の言葉で語れる人。よく面接で熱く「こういうことがしたいんです!」と語ってくる人がいる。「やりたいこと」は、あくまでも趣味。「できること」は、ただの特技。「すべきこと」こそリーグのミッション。P55 本物のリーダーは、「傾聴力が高く、話したとしても、シンプルな表現のみ。そして何よりも飾らない。いつでもオープン」P91 データはツール。データから答えを探さない。信念を大事にして、答えを探していくツールとしてデータを利用することの大切さを再認識。P97 Bリーグでは、観る人と競技する人との好循環をいかに作って行くか。協会、リーグ、クラブが連携して、健康サポートや運動する時のアプリとの連動などのアプリ開発なども検討。P106 初めて来たお客様の来場理由は、「誘われた」コアファンが、「誰を誘いたくなるか」「どういう情報を伝えれば誘おうと思うのか」というメカニズムの解釈が大切。P107 コアなファンに試合を観てもらい、その後、周囲の人たちを誘って再び会場に足を運んでもらう。P117 スポーツでその社会を少しでもよくしたい。最初は「デジタルマーケティング」押しで進めてきたが、途中からリアルコミュニケーションを活性化するためのデジタルとの位置づけを推し進める。P123 SNSの位置づけとして、当初は「認知拡大」「観戦意向向上」のためのツールとしていたが、2年間の数字では、SNS経由での購買が意外と高く、とくにLINEの貢献度合いが大きくなってきている。P196 Bリーグの今後。1. 夢のアリーナ構想の推進、2. 若手人材育成 3. 社会課題に対する取り組み P204 ドリームジョブと呼ばれるスポーツの仕事につけるように、誰にも負けないスキルセットを身に着けよう。何らかのスキルを持って入った方が確実に成功する。後悔しないキャリア形成の為にも。P224 昨日よりも1%の努力を積み重ねると、1年後は37倍に成長する。努力し続けると、その偏差は小さくなり、成功確率は高まる。

  • 紆余曲折を経て2016年に発足した男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」の事務局長であり、元Arthur.D.Littleで経営コンサルタントとしての経歴も有する著者が、B.LEAGUEの「事業で稼ぐことが大前提であり、その上でチームの強化やリーグの普及活動が成り立つ」という基本思想を語った一冊。

    日本におけるプロスポーツにおいて、ここまで事業で稼ぐということを根幹に据えた組織は恐らくないように見受けられ、個々の選手にまでそのマインドをしっかりコミュニケートするという姿勢が徹底している点が印象的。かつ、アメリカのプロスポーツと比較して圧倒的に遅れているデジタルマーケティングの手法を実践しているという点で、良いケーススタディの役割も果たしている。

  • バスケがプロ野球やJリーグと1番違うのは権益統合していること。
    MLBが発展した理由をここに見出し、リーグがイニシアチブをとって事業を進めることの意義が印象に残った。
    他球団や他クラブは競技面では競合でも、ビジネス面で競合になるケースはほとんどない。その点では各クラブ個別最適を目指すより、まずはベストプラクティス(ナレッジ)を共有した上で、各々の色を出す方がふさわしいのだということが学べた。

  • スポーツビジネスに興味があり特にバスケは思い入れが強いので読んだ。

    内容は川淵さんのリーダーシップ論+マーケティング視点のスポーツビジネス+デリバリーロック時のプロマネ論の3本立てって感じ。

    新規客の来場理由は何となく誘われたから、みたいなことが意外と多いから、狙うべきは新規客ではなく既存客にとっていかに誘いやすい情報を提供できるかである、みたいなマーケティングの考え方も勉強になった。
    が、一番は川淵さんと著者の熱量。トップの熱量を超える組織にはならない、って言うあれ。

  • 【エナジー】

    昔はNPB(日本プロ野球)とMLB(メジャーリーグ)共に1500億円の市場規模だった。
    現在では1800億円と頭打ちなNPBに対し1兆円の規模まで大きくなったMLB、この差は何か?
    「前例が無い」と挑戦しない体質
    「趣味の問題」や「思いつき」で行動する上長
    私利私欲を満たすことが大好きな老害経営者
    それらを打ち破りつつあるのがB.LEAGUEだ。
    バスケットボールで社会の課題に取り組むことが彼らのミッション。
    彼らの「稼ぐ」ことは「私利私欲を満たす」ことではなく、「エナジーを集めること」なのだろう。
    試合会場はエナジーを集め、発信する場なのだ。
    エナジーのやり取りをするためB.LEAGUEを体感し続けよう!

  • 著者の葦原さんは、オリックス、パリーグ・マーケティング、DeNAを経て2015年Bリーグの初代事務局長となり、その立ち上げに尽力した。現在はBリーグを離れて2021年4月から日本ハンドボールリーグの初代代表理事となっている。

    本書は、そんな葦原さんがまだBリーグ事務局長に在職していた時代に、主にBリーグ立ち上げの経緯とその苦労について記録したものである。

    スポーツ団体は「稼いでこそすべて」と言い、どこか収益の話をするのがタブーとする雰囲気があった日本のスポーツの流れの中にあったバスケットボール市場に対して、魅力的で未開拓の市場ととらえて戦略的にアプローチしていく様子が描かれている。徹底的に収益化に特化すること。それはスポーツの普及やチームやリーグの強さがなくてもビジネスとして達成することができる。リーグは収益化が達成されて初めて普及や強化に投資できるという発想だ。

    Bリーグは、二つのリーグに分かれていたバスケットボールリーグをFIBAが統合を求めて、統合できるまで国際試合の出場を禁止したことによる外圧で生まれた。この機会にJリーグで実績をもつ川淵元Jリーグチェアマンをトップに擁してブランディング・ビジネスモデルなどを「あるべき姿」をベースとして一新することとなった。しかし、時間がなかったことから人財を集めるところから始まって大変だったことがうかがえる。

    アメリカのNBAやMLBという成功事例を参考にしながら、古巣のNPBと違ってリーグ主導のプロスポーツリーグとすること。言うと簡単だが、具体化とその遂行の大変さは想像するに余りある。そういった経緯と著者がそこで考えたことが各章の最後にまとめられていてビジネス書としても参考になる。

    ファンデータベースをリーグ統合で一元化すること、新規ユーザ獲得よりも既存ユーザ(観客としてお金を払って見に来る)の回数を増やす方が効率的であること(ロイヤルカスタマーの育成)、新規ユーザ獲得の最も多いきっかけは「誘われたから」、スマホファーストの世界観(SNS、ネット配信、オンラインチケット)を構築する、といった分析に基づく戦略を構築していく。ソフトバンクがトップ同士の合意でスポンサーとなった経緯も書かれている。アリーナを各地に作ることが将来的には重要であるという観点も、アリーナ建設が十分魅力的な投資にするというビジネス上の目標としてとても魅力的だ。実体はさらに泥臭いことがあったのだと思うが、いろいろと勉強になった。

    まだまだ成長中のBリーグ。辞めた経緯はよくわからないが、かつて学生時代にハンドボールをやっていた身としても、葦原さんが代表理事の職を受けたのは勝算があってのことと期待している。

  • ビジネス書として非常に参考なる本で、Bリーグやスポーツビジネス以外でも参考になる内容でとても良かった。

    特に個人的に共感できたのはこの2つ。
    ・スポーツを通して社会課題を解決する事
    ・そのためにデータを活用したデジタルマーケティングを強化した事

    2016年に立ち上がったBリーグで歴史が浅いからこそ今の時代にあった戦略を立てて、前例にとらわれない行動をとる凄さが伝わってくる。

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著者プロフィール

B.LEAGUE常務理事・事務局長/JBA理事/B.MARKETING取締役/B3理事。
1977年東京都生まれ/海城高校/早稲田大学院理工学研究科卒業。
2003年 外資系戦略コンサルティング会社「アーサー・D・リトル(ジャパン)」入社。
2007年 プロ野球チーム「オリックス・バファローズ入社(正式名称:オリックス野球クラブ)」に入社。パ・リーグ6球団共同出資会社「パシフィック・リーグ・マーケティング」にてセールス&マーケティングディレクターも兼務。
2012年 「横浜DeNAベイスターズ」入社。新規参入直後の社長室長として、主に事業戦略立案、プロモーション関連などを担当。
2015年 「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ」入社。男子プロバスケの新リーグ立ち上げに参画

「2018年 『稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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