- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866800783
作品紹介・あらすじ
煙草やアルコール、薬物、ストーキングなど、依存症行為を専門に治療しているクリ ニックが千葉にある。有名人も密かに通うというそのクリニックでは「条件反射制御 法」という非常に簡単なオリジナルメソッドで数々の依存症患者を治療している。思 考ではなく本能に働きかける条件反射制御法をストーカー加害者相手のカウンセ リングに応用し、再犯ゼロを達成しているカウンセラーの小早川氏が、この手法をも っと手軽な形で多くの人に広く知ってもらいたいと執筆に挑んだ意欲作。
感想・レビュー・書評
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依存症は治せる。
軽症ならば、自分でもトレーニングして克服できる。
この2点を知ることができただけでも、この本を読んだ価値がある、と感じました。
内容は自分が求めていた情報ですし、面白いですし、とても良いのですけれど……「 」でことばを強調し過ぎていて読みづらいです。どこが大切なのか、わかりづらいです。
同じ理由で、太字ばかりなのも気になってしまいました……。
とはいえ、“「制御刺激」の言葉と動き”(p.092)はやめたいことがある人はみんな知っておいたほうが良い情報です。
この本を読みながら、まさに、気持ちがむずむずしてしまったタイミングがありました。その時、「大丈夫」と声に出してみたら、スッと気持ちが落ち着きました。ふしぎです。
効果はあるようなので、続けてみます。
(以下、読みながら綴った感想)
2023/04/03 p.001-067
p.002
“ストーキングを「やめると決めても、やめられない」ストーカーがいたことでした。彼らは被害者(関係のあった相手)を喪失したことで、薬物の禁断症状に似た苦しみを抱えていました。”
(中略)
“殺意を固めているような重症のストーカーも含めて、ほとんどが被害者に対する捉(とら)われから解放されたのです。”
この本を手にして良かった、と早速思いました。
ストーカー気質があり、お相手への執着を捨てられない……苦しい……と感じています。軽減してきているものの、きっぱり、自分の良くない思考を断ち切りたいです。解放されたいです。
p.003
“10代の頃から抱え続けていた「あがり症」と「対人恐怖」を治すことができました。”
そちらも、自分にとっての課題です……。治したいです。
p.024
“「生理的報酬」が生じることが反復し、そうした行動が「第一信号系」に強く定着していたら、そうした行動の「反射」による作動は「第二信号系」を凌駕(りょうが)します。”
意思(意志)だけでどうにかできる問題だったら良かったのですけれど……。
p.024
“「第二信号系」の「思考」をゆがませ、従えます。結果、人間は自他の心身を破壊してしまいます。”
歪んだ思考はなかなか戻りません……。それは痛感しています。
壊れた心身を治すのも、かなり大変です。
p.027
“「第一信号系」が一つの行動を何回も反復したときは、どうしたって「第一信号系」は「第二信号系」に勝るのです。”
最長でも120年の「第二信号系」より、38億年前からある「第一信号系」のほうが強いのは当たり前ですよね。特に「第一」は繰り返すほど強まるようですから……。
p.029
“いわゆる正当化を始めます。”
だって苦しいのだもの……。正常の感覚でいたら、自分が間違っていることはよくよくわかっています。
p.034
“暴力を受けている妻が、夫から逃げられないというのも、殴られても「死んではいない」ことから、”
(中略)
“「生理的報酬」が生じ、暴力を受けても逃げずに夫の命令に従うという行動が定着するからです。”
恐ろしいです……。しななければそれでいいって、脳は判断してしまうのですか……。
いつか、本当にしんでしまいますよ。心身のどちらかが、必ず。
p.042
“ハマりをやめるために五番目に大事なことは、「ストレス要因」から離れることです。”
物理的距離は本当に大切です!
p.050
“相手に対する思いが強ければ強いほど「ハマる」のです。”
(中略)
“幸せだった頃の記憶がリフレインし、再現したくなるのです。”
わかる気がします……。どうでもいい相手には執着しません。
p.051
“時に自分の命を絶ってでもその苦しみから解放されようとします。”
嗚呼……そうですね……。
ご迷惑をおかけしてしまう自分なんていらない、と思ってしまいます。生きている限り、お相手への気持ちが消えないのではないか……とこわくなります。
自分が消えたら平和になるのです。
2023/04/04 p.068-221
p.075
“これはセラピーでは「投影」と呼んできた現象の一つだと思います。”
嗚呼、投影……。メンタル系の動画を見た時、ちょくちょく出てきたワードです。
昔つらい思いをした人(たいていは親)と、その人に似ている、現在の別の人を重ねてしまうこと……。無意識だから、何故こんなに感情が動くのかわからないそうです。
p.079
“静かに目をつぶり、幼い頃の自分に会いに過去の自宅などをイメージします”
(中略)
“
小さな自分を見つけたら、そして、その子が寂しい様子だったら、そっと近づき、「私は一番安心できる未来の君だよ、お兄さん(お姉さん)だよ」と伝え、「こちらにおいで」と誘います。
やってきたら抱きしめ、身体ごと胸の中にぎゅっと入れてあげます。その胸の中には子どもの自分が安心できる温かな雰囲気の部屋を用意します。
”
(中略)
“「ここにいていいんだよ」と声をかけ、あなたは静かに目を開けます。”
……やってみます。うまくいくでしょうか……。
身体ごと自分の中に入れるのは、びっくりしました。
……小学生の頃住んでいた家、以前住んでいた家に行ってみたのですけれど、小さな自分と会うことができませんでした。どちらも明るい日差しの、昼間のイメージでした。
誰もいないけれど、こわいことはないのでしょうか……。それなら、良いのでしょうか。
また今度、再挑戦してみます。
p.090
“たとえば、人を見ればつい悪口を言ってしまうという「癖」を治したければら「私は今、人の悪口を、言わない、大丈夫」と言いながら、胸に手を当て、離して拳(こぶし)を作り、その後、親指を拳に握り込む等の、簡単で特殊な動きをします。”
考え方だけを変えるのではなく、身体を動かすのは良いですね。やってみます。
p.094
“この行為を一回行うごとに、二十分以上の間隔をあけ、計二十回以上、一日で行うのです。”
やめたいことをやろうとしてしまったら、ではなくて、時間で決めるのですね。細かくやってはいけないのでしょうか……?
p.096
“「制御刺激」の言葉は、自分が「ハマり」行動ができない環境にいることの確認、少なくともそれをしていない事実を確認するものにします。”
(中略)
“「私は今、〇〇さんを気にしない、大丈夫」「私は今、〇〇を殺さない、大丈夫」「私は今、一人でも、大丈夫」など”
わたしはいま、〇〇をしない、大丈夫……。これがフレーズなのですね。
わたし、いま、しない、大丈夫。いま、此処。此処にいるわたし。わたしは大丈夫。
p.100
“目を開けて「制御刺激」をすることで、そこら中に「ハマり」行動を止める「くい」を作っておくのです。生きる環境を「くい」だらけにするのです。”
なるほど。あらゆるものを見て、やるのですね。
それなら、自室だけでなく、家中……外出した時も、やったほうがいいのでしょう。外にいる時はタイマーをかけられないので、正確に20分経ったかわからないですけれど……。
p.102
“最終の「制御刺激」をしてから二十分経っていないため、「制御刺激」はしてはならず、”
(中略)
“「制御刺激」の言葉だけを言うか、思い浮かべ、そのような行動をしてはならないと考え、”
あ、ことばはオッケーなのですね。よかったです。それすら考えてはいけないとなったら、苦しいです……。
胸に手を当て、離し、手を握り、親指を握る……この行為は、20分ごと。ことばはいつでも。
覚えました。……たぶん。
p.115
“「制御刺激」の言葉を「僕は今らタバコを吸わなくても、大丈夫」にしました。”
〇〇できない状態ではなく、やろうと思えばできてしまう場合は、「〇〇しなくても、大丈夫」と言うのですね。なるほど。
そういえば先ほど、“一人でも、大丈夫”(p.096)と例がありました。でも、大丈夫。できなくても、大丈夫。
p.129
“その日の嫌な出来事をシナリオのように書き出して、それを十回読み返します。嫌な気分や怒りはだんだん低減します。”
10回も思い出さなければならないのはつらい、と思いますけれど……低減するのなら、やってみる価値はあるのかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「条件反射制御法」とはなにかが学べます。面白いと言ってはいけないかもしれないけど、とても興味有ります
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理解することから始めよう
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ストーカーを繰り返してしまうクライエントへの支援内容が興味深かった
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文章がとてもわかりにくい。
やたらと鍵かっこを多用した文章で、これを書いた人は普段文章をあまり書かないか、本もそんなに読まないんだろうなと思った。
やめたい習慣があったから手に取ったけど、あまりに読みづらくていらいらしたので少し読んで読むのをやめた。知識としてはあるんだろうけど本としてはだめすぎる。星ゼロ。 -
SNSで時間を溶かす習慣を本当にやめたいのにやめられていない。この本を読んだら、やめられるかもしれないと思って手に取った。脳内では受けた刺激が第1信号系で反射連鎖を作動させ、第2信号系で思考して行動するかどうかを決めるということが起きているという。第1信号系のほうが原始的で生き物の生存にかかわる部分で強力である。ハマった悪い行動をやめるには、決まった動作と言葉(制御刺激)で脳を刺激して行動を起こさせないようにするのを繰り返すうちに、悪い習慣をやめることができるという。試す価値はありそうだ。
ただしこの本には一部疑問を持たざるを得ない。性犯罪を「生殖本能」の「過剰な動作」としている点である。私にはそうは思えない。性犯罪は、単に本能が過剰に動作したというより、支配欲や加害欲がからみ、ずっと悪質なのではないか。この一点で、本全体を信用できなくなってしまいそう。 -
ストーカー関連書籍で有名な小早川さんの著書。本書も示唆に富んだ内容だった。
類似本を読んで得た知識だと、メンタルと脳科学は別のアプローチだ。メンタル側に寄ってしまうとスピリチュアルになりかねない。個人的には脳科学からの物理的アプローチの方が理解しやすい。
本書では依存状態を根性論で治すのではなく、脳の癖を技術て修正する方法を紹介している。一週間ほど試してみたところ、たしかに気持ちが軽くなった。数秒の所作を行うだけで間違った脳の回線接続が正しい場所へと修正されていくのは驚きだった。
何となくだが、「生理的報酬」とは「期待」という感情がベースになっている気がした。
<アンダーライン>
★★★★★
生理的報酬
★★★
刑法の理論では「第一信号系」はないことになっている
★★★
「第一信号系」は、過去に成功した行動を「反射」で再現し、失敗した行動は再現しなくなるシステムです。
★★★
「ハマる」とは、「条件付けられる」ことを言います。健全な「ハマり」も、悪癖や悪習慣と言われる「ハマり」も、いずれも後天的に「条件反射」が成立した状態です。
★★★★
「第一信号系」が一つの行動を何回も反復したときは、どうしたって「第一信号系」は「第二信号系」に勝るのです。
★★★★
「第二信号系」は「第一信号系」に負けると、「欲求」を正当化するために、いかようにもゆがみます。
★★★★★
自分を責めるということは、自分の「意思」(そんなものはないのですが)の全能性を信じ、「ハマっ」ている状態における自分の無力さを認めていないということです。もし、責任を感じるのであれば、「ハマって」しまう前に、引き戻るための手助けや手立てを探そうとしなかった自分について感じるべきです。「ハマっ」てしまった状態に勝てないことを責めてはいけません。
★★★★
刺激に過敏だと「ハマり」やすい
★★★★★
ストーカーは、「特定の相手に関心が固着」し、「接近欲求が止まらない」ということに「ハマっ」た人である。
★★★★
クレーマーとストーカーの違いは、クレーマーは相手に「ハマっ」ているわけではないということです。
★★★★★
ストーカーとは断られると発症します・ストーカーにならないためには相手から「断られないこと」です。そのためには、自分が「頼まないこと」です。自分が頼まなければ相手から断られません。断られなければストーカーにはなりません。
★★★★★
ヒトは死んでない限り、どのような辛い体験でも「防御」に成功し、そのときの環境からの「刺激」と防御する「反応」が「第一信号系」に定着してしまう -
条件反射制御法という方法の入門書。わかりやすかった。依存症に対する新しいアプローチだと感じた。
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具体的な方法が紹介されていて、今までのありきたりの方法ではなかったので、もうちょっと調べて試してみようかと思える内容だった。
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役立ちそうではあるけど、思っていたのと違った。