タクシードライバーぐるぐる日記 朝7時から都内を周回中、営収5万円まで帰庫できません

  • 三五館シンシャ (2021年9月21日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784866809205

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『日記』シリーズ最新刊!!
50歳で失業、以降15年間にわたってタクシードライバーとして勤務した著者による、怒りと悲哀と笑いの録。

「おい、どこ行くんだ!」
後部座席のお客が大声で怒鳴る。私は思わず急ブレーキを踏んでいた。
「すみません。お話し中だったものですから」私は詫びた。
「しょうがねえなあ。八重洲と言っただろ?」
「まだこのあたりに詳しくないもので……」
「チッ」 30前後と思われるお客はあからさまに舌打ちをした。(「はじめに」より)

今回もすべて実話の生々しさ。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の内田正治さんはすでに、タクシードライバーを引退されているそうですが、現役時代の悲喜交々な実体験がとてもリアルに伝わってきて、たいへん興味深く読めました。職業として知っていても、ふつうには知り得ない内情が盛りだくさんで、面白かったです。
    このシリーズ、全部読みたいです。

  • この日記シリーズは面白くてどれも好きだが、元タクシードライバーの内田さんの人柄の良さがよく出ていて一番好きかもしれない。

    週末にちょうどタクシーに乗る機会があり、助手席前の運転者証をまじまじと見てしまった。

    私のタクシー最高乗車は青森県六ヶ所村から三沢空港まで1h弱、1万数千円かな。
    あの時の高齢の運転手さん、喜んでくれてたのかなとふと思い出す。

    感じの良い人、運転が上手な人、おしゃべりな人、偉そうな人(つり銭がないから崩して来てと途中でコンビニで降ろされたことがあったな!)、飴くれる人など仕事で色々な運転手さんに乗せてもらったけど、多くは存在感を消した静かな人だったような気がする。

    丁寧な接客をしてくれそうな内田さんの車に乗ってみたかった。

  • 高齢者の仕事ぶりを紹介する日記しりーず。今回は50歳でスタートし、65歳でリタイアするまでのタクシードライバーさん。

    全編嫌だったことが2割、あとの8割は良き思いでなので、気持ちよく読み進めることができる。そこには、仕事に対する使命感と愛する気持ちがあるからである。

    一回の勤務で20人の人を乗せるとして、一か月12回出番だと、月に240人。一年で2880人。15年で4万3200人の人に乗って頂いたことに。

    4万人もの人に接するとは、たとえ数十分といえども気の使う仕事でおますな。・・・・・お疲れ様でした。

  • 重めの長編小説を読んだあとなので、気分転換にサクサクと読破。

    タクシー運転手という密室での接客業が、苦労無しとは思わない。

    良い客などそうそう期待できるものでもないし、淡々と無事に到着地点まで送るのみになるだろう。

    いろいろな人との出会いはあるが、それがほっこりとするような頑張れる気持ちになれるものであれば嬉しいと思う。

    タクシー中心に限らず、それまでの経験や家庭のことなど織り混ぜていて、日常がよくわかる読み易い日記だった。

  • やっぱりこのシリーズは読みやすい。他の仕事の裏側が知れて、おもしろい。

    普段は本を一切読まない父も、読みやすさとおもしろさに心を掴まれて読んでいた。筆者と同年代なだけに、就職難な部分など「分かる〜」と思える部分が多かったそう。

    これだけ先の見えない時代、自分が将来今の会社にいられなくなったらどうなるんだろう、と不安になった。どうにか頑張って、どうにかなるんだろうなと思うだけ。

    いろいろ考えるところはあったけど、タクシードライバーさんのことが違った面から知れておもしろい本だった。

  • 50歳でタクシー運転手となった著書の日記。
    タクシー会社に入り、研修を受けて運転手となった。それから15年間の出来事や、勤務時間、収入についても書かれています。
    18時間勤務とは!神経も使うし、座りっぱなしで身体にも悪そう。給料は出来高制。酷ですねー
    タクシー運転手さんといえば、道を熟知していて運転手が丁寧なのが当たり前だと思っていたけど、元は普通の人なんですよね。下に書かれている注釈も面白くて、読みやすかったです。誠実な人柄が伝わってきました。

  • 文字通りタクシードライバーの日記。

    15年前とはいえ、都心のドライバーの実態についてカッコつけすぎず、卑下せずに淡々と描いていた。

  • 面白かった。
    哀愁ある。タクシードライバーの方1人で書いたの?文章うまいなー。
    考えさせられる。65歳でおひとり様になるイメージが湧いてくる。

    特に印象に残ったのは母の最期。
    「人は背負っているものがあると、そのために自分の限界以上の力が湧いてくるのだと言う。
    私が背負ったものの一番は母だった。心身ともにへとへとになって帰宅しても、仕事で良かったことだけを話して、気楽でやっているようにふるまった。母がいなければ15年のあいだ、タクシードライバーを務められなかった」

  • 会社が倒産し、タクシー運転手として働くことを決意した筆者。
    一か月の研修を終えた後、二種免許の試験に合格するとタクシー運転手として勤務を始めることができます。

    タクシー会社への入社面接や研修の様子なども細かく書かれています。
    業界にいなければわからないような採用事情や、タクシー運転手の勤務形態、いろいろなお客を乗せた筆者の体験談など、楽しく気軽に読むことができました。もちろん、「こういうお客はいるんだろうなあ」と想像できる話もあれば、予想を超えるトンデモなお客もいました。これまでに4万人をこえる乗客を乗せてきた筆者が出会った一つ一つのエピソードは起承転結と筆者の感想がはっきりとしていて、ストレスなく読み進めることができます。
    「丁寧にお客様に接する」ということを大切に仕事をつづける筆者のプロ意識には驚嘆させられますが、なんとなく「いい子ぶっている」ようにも感じられたのは、私の性格がひねくれているからでしょうか…

  • 思ったよりよかった。かつて、個人タクシーをやっていた人にアパートの家賃を踏み倒されたことがあって、どんな仕事なんだと興味を持っていたが、真面目に働けば真っ当な仕事なんだなと感心。しかし、体力勝負の仕事ですな。

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