のっぺらぼうと天宿りの牙卵 影の王と祟りの子 (ことのは文庫)

  • マイクロマガジン社 (2023年6月20日発売)
3.50
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本棚登録 : 82
感想 : 10
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867164341

作品紹介・あらすじ

国を案ずる名もなき王と神に祟られた禁忌の子。訳アリ2人の絆を綴る救国ファンタジー!人ならざる青年達の邂逅の先にあるものとは!

感想・レビュー・書評

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  • 東洋ファンタジーのバディもので、国の一大事に刻雨と彼の物語は、軽快さとシリアスさのバランスが素晴らしかった。序盤はまだ世界観に慣れず、且つ、東洋ファンタジーによく見られる漢字の多さや羅列に面食らうけれど、慣れてくれば問題なく読める。

    彼の信念や熱い想い、台詞ににじみ出る作品のテーマに泣けた。
    二人の最後に待ち受ける大勝負は情景を思い浮かべながら読むことができ、想起しやすい文章がとても良かった。

    ラノベとは違う分類のように昨今、本屋でよく見かけるようになったこういった表紙のファンタジーものの中に置かれると、どうしても埋もれてしまうけれど、とても話としてまとまりが良く、続編も期待できる内容だったので、多くの人に読まれてほしい作品だ。

  • 作者さんがお知り合いでも商業本はありのままに感想を書くよ!

    同人誌版のときから、とてもしっかりつくられた世界観で好きなお話だった。商業で売っててもいいのにな~って思っていたら本当に商業出版になった! すごい。

    加筆修正が加えられてボリュームが四割ほど増になったという。同人誌版は発行当初に読んだので大筋くらいしかちゃんと記憶できておらず、細かい差違は分からないのだけど、荒魂の描写が増えてる……? かな?
    シリアスさがぐっと増して、感情移入しやすくなったと思う。(勘違いだったら申し訳ないので後でちゃんと確認します)

    商業版を読んで、長さの割にネームドキャラクターはけっこう少ないんだけど、名前の出てこない街の人々や名前はあるけど端役っぽい人たち(失礼)の言動がいきいきとしているのがいいなと思った。

    あえて気になった点を言うなら、回想というか、過去の台詞の反復が少し多かったかな。
    ただ本の読み方によっては、ありがたく感じるときもあるだろうと思う。

    自分で好きなように生きることと、流されず自分で考えて生きることはつねに表裏一体だ。
    自由には責任が伴うというよく言われるアレだけど、そこに辿り着くまでにまず自分をちゃんと受け入れてこそ。

    続きはどんなお話になるんだろう。これを書いている時点では同人版の執筆が進んでいるようなので、楽しみにしています。

  • 人は誰でも自分自身でしかいられないけれど、一切の誤魔化しのない自分自身のままでいることは勇気のいることなのかもしれない。
    自分を押し込めて生きようとしていた刻雨と、顔を失ってしまった「あらたま」、巡り巡った出会いの中に彼らが偽りない自分自身に立ち返るための勇気の芽が潜んでいた。
    東アジア風のファンタジックな世界の中で展開する、冒険と葛藤と育っていく友愛を楽しみました。 #NetGalleryjp

    2023/6/20 追記
    『あらたま』が自身の正体を思い出し現状を理解しながらなお彼自身を保ち続ける姿を目の当たりにし、また彼の心の抱える暗闇に触れ、「あなたは人など喰いません」自分の心のままに信じると宣言する刻雨。ここから、ぐぐぐっとふたりの距離が縮まる。ふたりには実は複雑に影響しあう縁があったのだけれども、「今」の刻雨が「今」の『あらたま』に真実向き合った瞬間に感じて、胸がぶわっと熱くなるし、視界の曇りが張れるようにも感じました。

  • 和風ファンタジーよきよき。
    アラタマと刻雨の最初は仕方なし、みたいなところが段々かち合っていくのは心躍る。なかなか想像すると、うわあと思う場面もあるけれど、互いをきちんと認識出来たならよい相棒だろうよ。
    実は同人誌版も読んでいるのだが、だいぶ加筆されているようだな。何か前読んだときより肉厚になってる気がする。楽しかったです!

  • 刻雨があまり機敏に動かないこともあるのか、なんとなく話が重くて読みにくい。
    説明不足で話が飛んでしまうような所もあって、物語に入って行きにくい。刻雨も新玉も設定は豪華なんだけど、その魅力を生かし切ってない感じ。

  • 学校 ★★☆ 大人 ★★☆

    未練を残して死んだ者の成れの果て「幽鬼」を祓う「白牙法師」見習いの刻雨。
    土地神を訪ね霊験あらたかな品を受け取る役目を受け、萬景の地を訪れた。

    ひょんなことからその地で噂になっている人型の幽鬼を祓うことになる。
    しかし、見習いの刻雨に人型の幽鬼を祓うのは荷が重く絶体絶命の状態に。
    そこに現れたのは口だけがあるのっぺらぼうの若武者だった。
    刻雨を助けたのっぺらぼうの若武者は、市井の噂では病を得ているという萬景の国守・新玉を名乗るのだが…。

    和風ファンタジー好きにはおすすめ。
    生まれ落ちた事情故に苦悩を抱える刻雨。
    萬景のために、自分の信じた道を進もうとする新玉。
    まったく違う道を歩んできたはずの二人がお互いの危機に助け合い、補い合う。
    その背景までが二人をつなぐ糸となっていて、話に引き込まれる。

    シリーズ化したらぜひ続巻も読んでみたい。

  • 自分が好きな雰囲気だったからとは思うが読みやすく面白かった.
    ただし物凄く斬新で衝撃を受けたという訳でもない.既視感がチラホラあるのと誰でも予想しうる伏線?を後ろまで引っ張られたのでモヤモヤした.やっぱりじゃないか!ってね.そうだったの!?が欲しかった.

  • この2人の関係性がどう育っていくのか、楽しみ。

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