花の慶次 ―雲のかなたに― 新装版 (7) (ゼノンコミックスDX)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867202142

作品紹介・あらすじ

“褌は男の最後の着衣だ!紫や金の褌なんかあるか!!” 慶次をつけ狙う者あり。その正体は、鬼の子孫ともいわれる七霧の里の男であった。岩兵衛と名乗るその男は、おふうは自分の娘であり、取り戻しにきたという。おふうの秘密を巡り、様々な者たちの思惑が錯綜するなか、慶次は七霧の里に足を踏み入れる。(『鬼の子孫の巻』〜『おふうの深き闇の巻』までを収録)

感想・レビュー・書評

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  • この(7)でも、当然のように、前田慶次はトラブルへ首を突っ込んでいく。
    改まって言う事じゃないが、ほんと、並の神経じゃない。一般人は当然として、実力のある武士だって、ここまでヤバい事態が起きたら、関わらない事にするはずだ。
    なのに、慶次は回避はせず、むしろ、積極的に危険な場所へ赴くのだ。ありえんな、と思う一方で、そこにも憧れるのだよな、男として。
    今回のトラブル、その中心にいるのは、どちらかと言えば、慶次よりおふうだろう。彼女に危険が及ぶ可能性があるのなら、確かに、慶次は戦うよなァ。
    そんなおふうの元へやってきたのが、「鬼」と表現すべき外見の岩兵衛。最初こそ、恐ろしいだけの男かと思いきや、実際は性根の優しい男だった。まぁ、慶次には及ばないにしても、結構な戦闘力を有しているのが、この作品らしい。
    岩兵衛を始めとした七霧の男らが、慶次と相対し、争う気を失い、逆に友好を深めてしまうシーンは、慶次のデカさを実にハッキリと表現している。やはり、人の警戒を解くのは冷たい北風ではなく、暖かな太陽か。
    おふうを守らんとする慶次らの前に立ちはだかる敵は、一つだけじゃない。一方は、忍者の代表格と言ってもいい「風魔の一族」である。風斎の術は不気味ながらも、その理屈は何気に現実的で、忍者の怖さを読み手に実感させる。
    もう一方は、敵と言っていいか、この時点は微妙だが、石田三成だ。戦国の世を語るうえで欠かせない傑物の一人だけあって、この『花の慶次』でも、相応の存在感がある見た目と雰囲気だ。
    果たして、慶次は風魔と石田三成相手に、おふうをどう守り切るのか。次巻で、彼の気持ちのいい大暴れが見られそうで、実に楽しみ。
    それにしても、この(7)で、最も割を食っちまったのは、伊勢屋だろうな。誰でも金の力で支配できる、と驕っていた拝金主義者であったが故に、慶次を怒らせて殴られ、風魔に役立たずと判断されて殺され、しかも、慶次の虚を突くために利用されたけど、まるで意味なし、とは・・・さすがに惨めだ。人間、こんな風にはなりたくないもんだ。

    この台詞を引用に選んだのは、やっぱり、前田慶次は雄だなぁ、と震えたので。
    一般人からしたら、「そんなアホらしい理由で、下手すりゃ死んでいたかも知れないのに、相手をからかったのか」と呆れ返る理由だ。
    けど、人としての意地を何よりも大切にする慶次からしたら、許せない事だったのだ。
    そんな時に、自分を抑えるのではなく、しっかりとやる、そこが慶次の凄さだ。圧倒的な力で痛めつけるのではなく、驕り昂っている面を揶揄いで叩きのめすあたりが、却って、前田慶次らしい。
    アホかもしれない、けど、ここまでアホを貫けば、それは立派なカッコ良さだろう。実際、その慶次のぶっ飛んだ面が、岩兵衛を笑わせ、胸襟を開かせたんだから。
    しかし、判断は難しいものはある。譲れないものがあるから、慶次は強いのか、それとも、慶次は強いから、「何か」を譲らないで済むのか。
    「しかし、なんで、竹光なんかで、あの傾奇者達をからかったんで?」
    「ん~~~。やつらの褌が気に入らなんだ」
    「え!?」
    「褌は、男の最後の着衣だ! 紫や金の褌なんかあるか!! これこそ、己の心の様に、輝く白であるべきだ!!」
    「たったそれだけの理由で?」
    「あたり前だ!!」(by岩兵衛、前田慶次)

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