青い落ち葉

  • 北海道新聞社 (2025年1月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784867211533

作品紹介・あらすじ

暴風にさらされ、北朝鮮という樹木から外の世界へ飛び出した青い落ち葉、それが脱北民だ。2000年代から韓国で活動する女性作家が、国境を挟んで揺れ動く人々の哀歓と希望を九つのストーリーで描き出す。[解説=高島淑郎]

感想・レビュー・書評

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  • ドキュメンタリー「ビヨンド・ユートピア」を思い出す。命からがら脱北して、辿り着いた先でも更に過酷な試練が待ち受けるなんて…。最後のお話「赤い烙印」が1番印象的でやるせない気持ちで本を閉じた。

  • 北朝鮮から韓国へ 脱北作家の短編小説集を翻訳 札幌の松田さん・芳賀さん「青い落ち葉」出版:北海道新聞デジタル(会員限定記事2025年1月21日)
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1113587/

    [이 한 권의 책] 푸른 낙엽 (김유경 지음 | 푸른 사상 펴냄) : 월간조선
    http://m.monthly.chosun.com/client/news/viw.asp?ctcd=&nNewsNumb=202310100053

    김유경 - 예스24 작가파일
    https://www.yes24.com/24/AuthorFile/Author/434535

    青い落ち葉商品詳細ページ|北海道新聞通販ショップ
    https://shop.hokkaido-np.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=bk128001&bid=book

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      『青い落ち葉』(キム・ユギョン 著/ 松田由紀、芳賀恵 訳/ 北海道新聞社) – K-BOOK振興会
      https://k-book.org/...
      『青い落ち葉』(キム・ユギョン 著/ 松田由紀、芳賀恵 訳/ 北海道新聞社) – K-BOOK振興会
      https://k-book.org/yomeru/250424/
      2025/05/08
  • 読みながら、言葉を失うというか…
    物語はフィクションなのに「チョソン」への無理解と脱北者と言う言葉でで大韓民国へ渡った人々をくくっていたことを猛省する読み物となった…
    冒頭の「日本の読者の皆様へ」と「著者の言葉」でまず頭打ちを食らう。
    9つのストーリーはすべて濃密であった。
    特に私は「自由人」の話に虚しい虚しいやりきれなさを覚えた。墓場まで持っていく以上の、人生に蓋をしながら生きていく姿であった。
    物語の最後の「解説」でまた頭打ちを食らう。
    私が読んだ物語は、ノンフィクションだったのだろう、脱北したからといってユートピアではない、またすべての人に脱北を進めると言うものでもないと言う矛盾した感情を覚えた。
    非常に難しい問題だが、この物語を通じて、以前よりも深い考えを覚えた重い書であった。

  •  冒頭に、日本の読者に向けたメッセージと、著者の言葉がある。後者にタイトルについて説明した著者の言葉がある。
    「色づきもしなまま土と出会う葉」
    を、韓国に来ても、思うような生活が送れない脱北民に例えている。法外な金を払い、危険を顧みず、捕まったら死が待つ逃避行の果てとしては、むごい。「北朝鮮では自由を感じられない」など、想像するだに難しい実情が、前書きで語られる。要は、それらを踏まえて読んでほしい、ということだ。

    『平壌からの客』
    北朝鮮からの脱北者は、相当な身分の者もいる。ホ・スヒョクは、かつて党書記の長男の家庭教師までしたというのだから、いわゆる学がある部類だ。ロシア留学の経験もある。そんな彼に研究所勤務の誘いがくる。スヒョクはもともと追放家族の息子としてやってきた。当然今妻となる女性の家族からは反対され、結婚後は針の筵だった。妻はこれで暮らしが楽になると浮き立つが。党の役に立つ人間かそうでないかで人を切り分ける残酷さと、夫を守ろうとする妻の愛。

    『自由人』
    警察保安課に勤務する身辺保護担当官の私の調査対象となったのは、北朝鮮からやってきた老人。彼のことを、密かに自由人と呼んでいた。順調に馴染んでいたかに見えた彼が、ある日姿を消してしまう。脱北した人が姿を消すことも珍しいことではないが、大事ではある。実は自由人は過去の亡霊と出会っていた。平壌では彼は突然姿を消して、亡くなったことになっており、英雄として称えられていた。彼が生きていることが故郷に知れれば、家族は大変な事になってしまう。知識人故に北の国の過ちに気づき、決断をした彼の、有用な知識はこのまま埋もれるしかないのか。脱北したとしても、中途半端な立場に置かれる脱北者の人生。

    『チョン先生、ソーリー』
    北で医師の夫と共に働いていたチョンは、事故で夫を失い、息子を抱えて途方に暮れる。北では医療は無報酬に近い。韓国にいる祖父母を訪ねようとチョンが叔父を頼るが、そこで知ったのは嘘で固めた父親の過去だった。叔父は金を置いて自力で韓国に来いと言い捨てる。勇気と知略で苦境を乗り越えるチョンの成功譚。

    『青い落ち葉』
    再婚相手の脱北者の妻ミソンをひどく罵ってしまい、離婚宣言される夫。ミソンは中国で夫が見つけた、かなり若い女性だった。前の妻とは離婚で、子供とも会っていない。新たな家庭を作るべく挑戦した夫だったが、韓国にきて他の社会を知ったミソンとの溝が深まっていく。脱北しようとした女性が中国で人身売買に捕まってしまうパターンは本編以外にも登場する。そこから救い出すのは、金を持っている男性しかいない。自力脱出はほぼ不可能となれば、男性に全て従うしかない。脱北者が女性故の苦しみである。

    『チャン・チェンの妻』
    これも人身売買の話。チョソンの女性が中国で人身売買され身重の体で逃げて韓国に戻る。

    『赤い烙印』
    脱北して韓国で大学生になった姉と、チョソンで孤児として育って芸術団員になった妹。二人は中国で再会し、姉は妹に韓国へ行こうと誘うが、妹は祖国を裏切れないと拒む。家族の情よりも祖国を選ぶ妹に姉が見たものは。井浦新と安藤サクラが共演した映画『かぞくのくに』を想起。

    『あの日々』『将軍を愛した男』『ご飯』収録。

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