静寂なほど人生は美しい――弱視の音楽療法士が伝える「聞こえない音」の世界

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  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867340011

作品紹介・あらすじ

『聞こえない音を聞く方法を知る人は、音のない存在に気づける人』
弱視で産まれた著者の、目立たずささやかで、聞きのがしがちな人生の旋律を描くエッセイ


聞こえない音があります。
見えない世界があります。


目に見える日常の雑事や仕事に夢中になっていると、
些細な変化に気づかず、目に見えるものに振り回されてしまいます。
その時、あなたは、あなたらしさを失います。


聞こえない音を聴こうとすること、
静寂の中に、身を置くことは、あなたを自由に解き放ちます。
その時、あなたは、あなたらしさに戻るのです。


それを感じられると、なにかを「しない」ことの価値を知るはずです。

音のない音楽を聴くことができるでしょう。
私たちの力の及ばないところで、働いてくれている、目に見えない存在が、感じられるようになるからです。


そんな人はやさしいひと。
自分の居場所を持っている人々。


世界には、さまざまなハンデキャップを背負って生きている人もいます。
誰かがあたりまえに持っているものを持っていない人もいます。

聞こえない音に耳を傾けるひとは、その大事さにも気づけるのです。


そうして、私たちの社会は紡がれていきます。
聞こえない音が、音たちのつながりの役目を果たしながら、この地球は回っていくからです。



~以下序文より~

この本では、「聞こえない音を聴く」ことを通して、目に見えない世界と出会う道をお伝えします。
それは、私が音楽療法士であることに加えて、弱視という障がいをもっているからです。

私は先天性弱視で、左目の視力が0・05、右目の視力はありません。
両目とも視力は矯正不可能で、見える方の左目も、視野は下半分しかありません。

でも、生まれつきなので、私にとってはこれが当たり前。

子どものころは、自転車も一輪車も乗りまわしていましたし、
大人になってからは、国内外どこへでも、言葉さえ通じれば、一人で行きます。


こういうことを可能にしてくれているのは、
聴覚、触覚、嗅覚、その他、視覚以外のありとあらゆる感覚です。

こうして、生まれたときから自然に鍛えられてきた私の聴覚は、
音楽療法士という職業において、大活躍をしてくれただけでなく、

この本を通して、「聞こえないけれど、実際には響いている音」を聴く方法を、
みなさんにお伝えすることを、実現させてくれました。


苦しいこともありました。
そんなとき私を支えてくれた言葉を記します。

「目に見えて、手で触れることのできるこの世界の後ろには、大きな、大きな、目に見えない世界(精神界)があるんだよ。」と

感想・レビュー・書評

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  • アントロポゾフィー の先生からプレゼントされた本だ。
    著者は弱視であり、左目が辛うじてかすかに見える程度の視力だそうですが、そんなことを微塵も感じさせないバイタリティで人生を歩んできたことが感じさせられます。視覚が不自由なことを全く感じさせず、それが故に聴覚をはじめとした五感、六感が普通の人よりも長けているのであろう。「聞こえる音」ではなく「聞こえない音」にフォーカスを当てて、そこに在るものこそが大切なものだと気付かされました。私たちは当たり前のように「何かをする」「何かをきく」ように過ごしているがそれが当たり前ではない。そうではないその先にあるものといっしょに生きているということを忘れてはならないと思いました。空気感・・に似たような何かが私たちの人間関係や環境を作っているのです。「静寂なほど人生は美しい」彼女がとらえた世界観は優しくて、本来の人間としての生き方を考えさせられました。忙しい現代人の本当に大切なものを立ち止まって考えるのにいいきっかけになる本です。

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著者プロフィール

1979年 奈良生まれ。

先天性弱視(視力 左0.05 右0 矯正不可能)。4歳からピアノを、7歳からソルフェージュを学ぶ。私立明星学園高校卒業。東海大学教養学部芸術学科音楽学課程在籍中に父が脳出血により他界。日本の終末医療の在り方に疑問を抱き留学を決意。

2002年大学卒業後、株式会社ダスキン「障害者リーダー育成海外研修派遣制度」の研修生として渡独。ベルリンの音楽療法士養成校Musiktherapeutische Arbeitsstätteにて5年間学ぶ。2008年ゲーテアヌム医学部門認定音楽療法士(シュタイナー音楽療法士)として帰国。以後、音楽療法及び音楽療法士の育成に尽力。

2016年ライアー演奏家として活動を開始。同年より2年間ソウルの音楽療法士養成院にて非常勤講師を務める。2018年日本の音楽療法士養成コース卒業生計13人の国際資格取得を達成。それを機に講師を引退。

同年秋Clover出版の著者発掘オーディションにてグランプリに選出され、本書を執筆。

「2020年 『静寂なほど人生は美しい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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