ホット・ゾーン〈下巻〉

制作 : Richard M. Preston  高見 浩 
  • 飛鳥新社
4.07
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本棚登録 : 139
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870312005

作品紹介・あらすじ

「エボラ・ザイール」-この殺人ウイルスは自然破壊に対して熱帯雨林が人類に放った刺客なのか。アメリカ陸軍ウイルス・スワット・チームの決死の防御作戦を描く渾身のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻はハラハラして終わったけど下巻は問題発生から終息までを描き、問題提起をしているので断然興味深く読めた。

    宇宙服を身にまとい目に見えない、生物でも無生物でもないウイルスと戦う。自分の身を守るものはただ一つ、脆弱な宇宙服のみ。その宇宙服に穴が開いたら?猿に襲い掛かられたら?注射針を指に誤って刺してしまったら……?考えただけでも狂いそうになる。

    猿は人の目を狙って唾を吐く、そして賢いウイルスはなぜか人の目を好む。。。まさにゾゾゾ…であった。

    何気ない描写がこわい。199ページでアフリカの牧草地帯を杖をつきながら、家畜を追い歩く農夫たち。

    もっと大きな視点で見ると「杖を持ちゆっくり歩く農夫」=エボラウイルス
    追われる牛などの家畜=人間に見えるので鳥肌が立った。

    自然破壊を繰り返した結果としてエイズやエボラのような凶悪なウイルスが目を覚ましてしまったのかもしれない…と結ばれるので、ある意味で予言の書じみていて震撼した。別の視点でひねくれて考える告発本のような気がしないでもない。そっちの方がもっとこわいかもー。

  • 上下巻の感想をまとめて。

    普段は小説を読んでるから全ての描写が伏線であることを期待してしまうがこれはノンフィクションなので特に何事も起こらずというのが面白くなかった。もちろん現実なので何事かあったら今こうして悠長にしていられないだろうけど^^;

    エボラは致死率が非常に高く潜伏期間も短いので人類を滅亡させるには及ばないのかなと感じた。なぜなら宿主をすぐに殺してしまうから。
    それよりこの本の中でも再三書かれているがより驚異なのはエイズだろう。エイズは感染しやすさで言えばしにくいようだけどその潜伏期間の長さを考えれば気付いた頃にはすっかり蔓延していたということがあってもおかしくないのではないか。

  • 下巻は、エボラ制圧編。

    エボラ・レストンでは、人間の犠牲者は出なかったんですね。ただ、今の西アフリカでのエボラ禍で空気感染説が消えないですが、このエボラ・レストンでも空気感染が疑われる事例があったと言う事で、怖いです。

    でも、アメリカは、このレストンの経験があったにも関わらず、この度の西アフリカのエボラでは国内で二次感染騒ぎを起こしています。もう、遠い昔の出来事なんでしょうか?

  • 上巻はエボラが人間を襲うようになった歴史について。下巻では、フィリピンからアメリカに(正式な手続きを経て)輸入された研究用のサルの間に広まった、エボラの一形態と言えるエボラ・レストンウイルスをどのようにして駆逐したかが描写されてます。
    殲滅を担ったのはアメリカ陸軍。ウイルス研究者ではなく、生物兵器への対応も視野に入れていた軍が主となったというのは賢明な判断であったのだろうと思います。

    結局、このサルの間に広まっていたエボラは、空気感染が可能であるほど感染力が強いものであったにも関わらず、なぜかヒトの体内では発症しないものだったようで、サルに濃厚接触していた人たちも発症せずに済んでいました。が、本書の登場人物も懸念しているように、いつこうしたウイルスがヒトの体に影響を及ぼすかもしれず、また空気感染する能力を突然変異で身に着ける可能性も捨てきれない訳です。
    そう考えると、現在、西アフリカを起点として広がりつつあるエボラ禍が一気に現実味と恐怖をもって迫ってくる感があります。

    上下巻ともに、今まで知らなかったエボラのことを整然とまとめたうえで話を展開していて、非常に読み応えのある好い本でした。下巻はずっとエボラ・レストンのせん滅作戦に費やされるので、目新しい情報があまりなかったというのがやや残念ですが、話の流れからしたら仕方ないでしょう。

  • 病気をサスペンスにした初めての大作。

  • フィリピンから輸入された猿が感染するがヒトにはうつらない別種のウイルスとその駆除の様子
    結局エボラ出血熱は起源が判明せず、アフリカでの感染状況もはっきりわかっていない(感染から死亡までの期間が短く、解明できない。ビクトリア湖付近のキタム洞窟が怪しい)

  • 検疫所のサルを死に追いやったものの正体が、致死率90%のエボラ・ザイールらしいということが明らかになる。この後、陸軍主導で施設内のサルの安楽死という、地味で気の滅入る作業が延々と続けられる。当初は周辺への深刻な汚染が苦慮されるが、ことは『アンドロメダ病原体』を思わす意外な結末を迎える。科学・ノンフィクション・翻訳という三重苦を物ともしない抜群のリーダビリティに脱帽。巨匠A.C.クラークが『これにはS.キングもM.クライトンも歯が立つまい』とコメントしたらしいが『あなたはどうなの?』と言いたい位の出来栄え。


    尚、感染症関連本としてはローリー・ギャレットの『カミング・プレイグ』も★★★★★クラスの超お勧め!上下巻千頁近い大部の書であり、かつ現在絶版中ではあるが、古本屋で目にしたら迷わず購入すべし。まさに『読む殺人ウィルス・エンサイクロペディア』。

  • これを読んでから、何を触るのも怖くて大変でした。
    ほんものの怖さがあります。

  • 「動物に触らないこと」
    これがわたしの旅をする時の第一のルール。

    島国以外の国では狂犬病は普通にある。
    もちろん大陸の先進国も含まれる。
    狂犬病発病後の致死率ほぼ100%。
    犬だけではなく、公園で見かけるリスなど哺乳類の多くも対象だ。

    だから絶対に旅先では動物に触らないようにしている。
    (同様に植物も)

    この本を読んで未知なるウィルスにも
    人は簡単に出会うようになったことを改めて認識させられた。
    ウィルスは哺乳類という動物だけでなく
    昆虫やそのほかの媒体に存在する可能性がある。
    そして未知なるウィルスのワクチンはまだない。
    もっと気をつけなければいけない。

    このストーリーはノン・フィクションだ。

    交通網の発達、人々の生活範囲の拡大により
    細菌兵器投下に匹敵する恐怖がもう近くまで来ている。

  • 「バイオハザード」この言葉は、ご存知ですかね?ゲームの題名にもなってるので解る人が多いですかね
    そう、微生物災害です。この本は、ノンフィクションです。実際にこんな事が起こったという怖い話です。

    「エイズ」は、知ってますよね。エイズ・ウイルスは、潜伏期間が長く10年の歳月をかけて人の免疫細胞を壊していきます。大気に弱く大気中では、20秒で死にます。血液・体液の直接触れることによって感染しますね。エイズは、潜伏期間が長いのでエイズの発見が遅れて世界に蔓延しています。何故エイズが治療が難しいのかは、エイズの特性によります。エイズは、突然変異が早いので、感染した人は、いくつかの種類のエイズ・ウイルスに感染しているのです。ここにエイズのワクチンが作れない理由があるのです。

    ちょっと脱線しましたが本題です。
    「マールブルグ。ウイルス」及び「エボラ・ウイルス」は、ご存知でしょうか?エイズのように人の免疫細胞を壊して、人を死に追いやるウイルスです。エイズは、10年ですが、このウイルスは、わずか10日で免疫細胞を破壊します。
    空気感染する可能性があり、微生物危険レベル4に属します。(ちなみにエイズは、レベル2)このウイルスを扱う人は、宇宙服を着て作業をしましす。その空間は、危険ですよね。題名は、このホットの空間から来ています。
    エボラ・ウイルスに纏わる話をつぶさに克明に書かれてます。
    マールブルグは、ドイツの地名です。そこの猿の飼育所から発生したのがマールブルグ・ウイルスです。致死率が25%。
    このウイルスの兄弟分が「エボラ・スーダン」「エボラ・ザイール」です。致死率はスーダンが50%、ザイールが90%です。

    このウイルスに感染すると、目に赤い斑点ができ熱が出るようになり内臓が破壊され脳を破壊し最後には、穴という穴から血を噴出します。まるで炸裂したようにです。

    マールブルク・ウイルスの話に始まり、エボラ・スーダンの話、エボラ・ザイールの話、そしてアメリカのレストンで起きたバイオハザードの話になります。

    もし、感染した人があなたの街に現れたら・・・。ぞっとしますよね。

    日本では、1992年にアフリカから旅行で帰って来た男性が感染して死んだとの話があります。周囲には、感染しなかったようですが、ぞっとする話ですよね。「エボラ出血熱」の記事があったら要注意です


    読んで見れば解るのですが、本当に怖いですよ。

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