日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ

著者 :
  • 飛鳥新社
4.21
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本棚登録 : 665
感想 : 137
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870314917

作品紹介・あらすじ

週に一回、「お茶」の稽古に通ううち、気がつけばもう25年。「失恋」「父の死」「コンプレックス」…、辛い季節を「お茶」とともに乗りこえた、感動の成長ヒストリー。

感想・レビュー・書評

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  • ふとしたきっかけでお茶を習い始め気が付けば25年…。やめようとした日もあった、就活が思うように行かなかったとき、失恋したとき、父との別れ…経験したつらいとき、いつもそこにはお茶があった…。

    私はお茶を頂いたことはあるけど、習ったことはなかったので、お茶の作法ってすごく細かくて多岐にわたってるんだなぁ…とスゴイと思いました。でも、日本の伝統文化というのか、和の心ってすごく好きなんですよね…!日本人ってとっても繊細で、四季の移ろいを大事にしてそれを生活に上手く取り入れてる…そう思ってます。

    「-人生のその時々の瞬間を大事にしていくこと、人はどんな日だって楽しめる…そのことに気づくチャンスの連続の中で生きている、一生涯自分の成長に気づき続けること…「学び」とは、そうやって自分を育てることなのだ-」この作品からは、お茶のことだけでなく、この先生きていくため、人生を豊かにするためのヒントが読み取れます。

  • これはとても良い本だった。
    もっと早く読了すれば良かった、と後悔しきり。
    樹木希林さんが亡くなられて真っ先に思ったのは、3年前に手を付けたまま放置していた、この本のこと。
    著者の、茶道を始めた頃の疑問や戸惑い。
    特に茶会で抱いた敗北感のようなものに、胸が痛くてたまらなかった。
    私も小4の夏から高2の夏まで茶道を習っており、まるで自分のいたらない過去を振り返るようで辛いものがあった。
    生真面目なだけで気の利かない自分。
    何をやっても拙くて、ただ目の前のことに一生懸命なだけの、まるで余裕のない自分。
    そんなものに再会するとは思いもよらなかった。
    そして、茶道を中途で放置したように、この本も放置したまま。何のことはない、自分の欠点と向き合うことから逃げただけだった。

    音を鳴らすのが好きだったためそちらの道に進んだが、胸の底にはかすかな痛みとともに残るものもあり、山野草を育てたり活けてみたり。
    たまに季節の掛け軸を掛けてみたり。
    炉と釜こそ無いものの、他の茶道具は骨董市で買い揃え、よく亡父に点ててみたりもした。
    結局私は、忘れることは出来なかったのだ。
    希林さんと森下さんには、心からありがとうと言いたい。

    タイトルは、初めて足を踏み入れた茶室の掛け軸に書いてあった言葉。
    その意味するところも知らず、まして読むことさえ出来なかった著者が、25年の歳月をかけて心と身体とで体得していく日々が衒いのない文章で綴られている。
    正体不明の競い合いから来る不安を抱えていた日々が、まるで嘘のように晴れていくのを、著者とともに感じることが出来る。

    映画の中ではおそらく、希林さんが演じるであろうお茶の師匠が、それはそれは素敵だ。
    良い先生に出会えたということが、著者の人生の幸せに繋がっていることは間違いない。
    心に染み入って来るような深い言葉の数々を、読みながら何度もかみしめた。
    読めて、私も幸せだった。
    映画の公開が、待ち遠しい。

    • nejidonさん
      きゃぁぁ!ハイジさんに見つかってしまいました(^^;
      自分のことを書くのはめっちゃ恥ずかしいものですね。
      肝心の茶道は何故か忘れることも...
      きゃぁぁ!ハイジさんに見つかってしまいました(^^;
      自分のことを書くのはめっちゃ恥ずかしいものですね。
      肝心の茶道は何故か忘れることもなく、今も身についているのです。
      きっと子供の頃から習ったからでしょうね。
      ハイジさんがコメントを下さったおかげで、この本の感動を思い出すことが出来ました。
      ありがとうございます!
      2020/04/14
    • まことさん
      nejidonさん♪こんにちは。

      コメントありがとうございます(*^^*)
      小4から高2まで茶道を習われて、先生の資格も、持たれてい...
      nejidonさん♪こんにちは。

      コメントありがとうございます(*^^*)
      小4から高2まで茶道を習われて、先生の資格も、持たれていたのですね。
      私は、この本を読んだことで、よしとして、京都での数年間の体験で、私には、向いていないのが、わかっています。
      私の姪がやはり、あちらのおばあちゃんが、茶道の先生で、小学生の頃からお茶をしていますが、nejidonさんのような、素敵な女性に成長するのではないかと楽しみにしています。
      この本にもありましたが、お茶をされている方は、どこか違うというのが、nejidonさんのレビューからも伝わってきています。
      2020/05/08
    • まことさん
      nejidonさん♪

      お返事ありがとうございます。
      そうですね。
      うちにも、必要最低限のお茶のお道具や、昔京都の陶器市で安く買った...
      nejidonさん♪

      お返事ありがとうございます。
      そうですね。
      うちにも、必要最低限のお茶のお道具や、昔京都の陶器市で安く買った、お茶碗などがありますので、お作法をあまり気にせずに(^^;自分で、お茶を点ててみるのは、よいですね!
      これから、青葉をみながら、自分で点てたお茶を一服。素敵かもしれません。
      2020/05/08
  • 映画は見たことがない。
    だけど、この感覚、気付きに私も習いたい。
    あるがままに受け入れ、楽しむ。そんな日常に感謝しながら、日々を過ごしてみたいものだ。

  • いい本に出会えたなぁと思います。以前、私もお茶のお稽古に通っていて、やはり筆者と同じようなことを感じていたから。お稽古のあとの清々しい気持ちや、先生や他のお弟子さんとの話しの中で感じた季節のこと、お茶のお道具を通じて知ったもてなしの心を、忘れていたあの感覚を思い出し懐かしい気持ちになりました。私のなかで上手く表現できなかったことも、そうそうと、文章になっていて、嬉しかったです。

  • 雨の日には、雨を聴く

    お茶をとおして素敵な気持ちになれる小説でした
    少しお茶習ってみたいなと思いました
    スラスラ読みやすかったです
    映画も見てみたい

  • お茶の事は分からず、いろいろな方が読んでいたので読んでみました。お茶と言ってもすごく奥深いものなんだなぁと思いました。季節を一つ一つ感じるということは、今の忙しい日常ではとても大事な事ですね。
    ぜひ映画も見てみたいです。

  • 「そうか。いいよ、いいよ。また会える」と電話での会話が最期となった父との別れ。また会えるは当たり前ではない。心を入れてする一期一会の茶事は、そのまま生き方にも通じる。日日是好日、毎日がよい日、人はどんな日だって楽しむことができる。そう思えたらいいなぁ。

  •  生き方を考えるいい本だと思う。
     森下さんは、お茶を習うことで、季節を感じたり、今に集中することの大切さを感じたり、自分の生き方を見つめなおしている。お茶ってすごいなあと思う。でも、お茶でなくても、毎日悩みながら生き、何かを続けることで、こんな風に学んでいる人は多いのかもしれない。
     生徒にすべてを教えることは、自分の満足のためであり、相手の発見の歓びを奪うことだった。というのは納得。けど、学校はいつも他人と比べ、お茶は「昨日までの自分」と比べるところだった。というのは、納得しかねる。学校は確かに他人と比べることも多いが、目指すところは、昨日の自分を超える。個人の成長を見守り育てていると思う。

    • honaoさん
      この本を読んで、感じたことを しっかり自分の中で消化されていると感心しました。奥が深いコメントですね。
      この本を読んで、感じたことを しっかり自分の中で消化されていると感心しました。奥が深いコメントですね。
      2012/04/01
  • かけがえのない積み重ねを経て 不満もはてなも失恋も天気も季節も過ぎていく時間もみんな大切なんだと思いました

  • 20歳ぐらいから茶道を始めた著者のエッセーで、最初は決まりきった作法に驚く筆者が少しずつ茶道を通して多くの気づきを得ていく。就職試験や相手の裏切りで破談になった結婚、父の死などとお茶についての件は泣ける。お茶とどう向き合って生きていくかという一つのヒントを教えてくれる。

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著者プロフィール

森下典子(もりした のりこ)
1956年生まれのエッセイスト。『週刊朝日』のコラム執筆を経て、1987年その体験を記した『典奴(のりやっこ)どすえ』を出版。代表作『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』は、大森立嗣監督・脚本、黒木華主演により2018年10月13日映画化され、樹木希林の遺作ともなり、大きな話題となった。他に、『いとしいたべもの (文春文庫)』『猫といっしょにいるだけで』などの作品がある。

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