- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784870315594
感想・レビュー・書評
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2014.9.8〜とてもよかった。
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大正14年〜昭和16年に書かれたものの中から6冊、昭和27年〜39年にかけて11冊、昭和40年〜48年にかけて11冊、昭和50年〜63年にかけて13冊、平成元年〜10年にかけて9冊の計50冊の著者が選んだ「すごい」長編小説を集めたブックガイド。この50冊の中で読んだ事があるものは6冊、積読本は3冊。まだまだ世の中には読んでいない面白そうな本があることよなぁと溜息をつき、これを読んでみようと新たな発見をするのがブックガイドのいいところ。この本は若い世代に向けて書かれたものなのか、言葉に対する注釈が多い。
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タイトルに驚きました。これはどんな作品が紹介されているのか、気になります。
ただ、読んでみると、残念ながらかなり私の読書傾向上にない、つまり好みではないものがほとんどでした。
自分は決して選ばない、社会派のハードなものばかりです。
ただ、なるべく苦手意識は取り去りたいという気持ちもあるため、まずは紹介文のアプローチから知ることにしました。
各作品の最後に、評価欄を設け、衝撃力、構想力、文章力、浸透力の4つの項目を、☆5つで判定しているのは、視覚的に分かりやすいです。
「ドグラ・マグラ」や「死霊」は、タイトルのイメージや漏れ聞く評判などから、これまでも、そしてこれからも絶対に読むことがなさそうな作品でしたが、紹介文を読み、なるほどこういう話なのかと漠然ながら把握できました。
水上勉の『飢餓海峡』は、津軽海峡上の事件のこと。あらすじを読むと、たしかに打ちのめされそうな迫力に満ちています。
「楢山節考」と「恍惚の人」が、かなり近い軌跡を描いていることに気づきました。
谷崎潤一郎作品も、私には濃すぎて敬遠しがちですが、この本で紹介されていた「瘋癲老人日記」は、息子の嫁に懸想するあまり、彼女の足形を墓石にして死後も踏まれ続けたいと、女の仏足石を作ってしまうという、嗜虐的なマゾヒズムが充満した話だということで、さらに作者77歳の時の作品と知って、作家のその思想と生きざまにもはや敬服の念さえ抱いてしまいました。
開高健の「耳の物語」は、一切"私"という言葉を出していない、実験的な作品だとのこと。
選書の中で、読んだことがある作品は一つもありませんでしたが、ちょうど村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」が手元にあるため、これは近いうちに読んでみるつもりです。
また、三島由紀夫の「豊穣の雪」は、彼が死の朝まで費やした大作ということで、こちらもいつか読もうと思いました。
昨今、ラノベと区別がつかなくなったような軽く柔らかく噛みごたえのない作品が多くなったとはよく聞きます。
時代性を伴った、ガツンと重い、世の中に問題提起をするような作品は、たしかに読んでおくべきだと思うため、これからはあまり敬遠せずに、なんとか心がけて手を伸ばしていきたいと思いました。 -
すごい紹介本。
打ちのめされました。 -
長編って選ぶときに失敗したくないので、とても参考になりました。アニマルロジックも、ねじまき鳥も、これを読んで読むことを決めたので。