偽装農家―たちまちわかる最新時事解説 (家族で読めるfamily book series)

著者 :
  • 飛鳥新社
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本棚登録 : 45
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (94ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870319448

作品紹介・あらすじ

悲痛な叫びは本当か?この現実を知ることから真の農政改革が始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 我が家も偽装農家である。
    偽装農家の嫁として、この本を読んで、確かにおっしゃるとおりだが、結局は机上の空論である、と感じた。
    理屈はその通り。
    田んぼがあるから、仕方なく米を作っている。
    そんなにやる気もないし、そんなに大規模な田畑ではないので、当然兼業農家である。
    機械化が進み、楽なようで、手作業もまだまだ沢山あり、肉体労働もつきまとう。
    その、機械が高級車並みに高い上に、種類もいろいろあって、お金が沢山かかる。
    けれども、農業としての利益はほとんど無い。
    米を買って食べている方が、うんと安い。
    できれば田んぼだけ相続したくないけれど、そういうわけにもいかない。
    そりゃあ、田んぼが売れることを願うようにもなるだろう。
    だからといって、そう簡単に売れるわけでもない。
    毎年、本職のかたわら、泥にまみれて日に焼けて、田んぼを管理している。
    偽装農家か。
    なら、アンタが代わってくれ。

    もっともなのだけれど、泥にまみれている人の気持をわかっちゃいないな、と感じた。

  • ・食料自給率を上げる必要はない
    ・偽装農家という農家であることの利益を享受しつつ、土地転用による一攫千金をもくろむ人たちがいる
    ・農水省は農地が減ることを喜んでいる

    など、現代農業を知るための助けとなる1冊

  •  かつて故・青木雄二が『ナニワ金融道』の単行本コメントで、大要次のようなことを言っていました。
    「我々が農家になろうと思うと1ヘクタールの土地を用意しなければならない。農地の売買は農家間でしか認められない。そんな既得権益と補助金にまみれた体制を変えるには選挙しかないが、農村部の票は都市部の票の何倍の価値もある(1票の格差の問題)。そして、あろう事か最高裁はこれを合憲と言っている」

     本書を読んで、このコメントの意味がよくわかりました。

     非常に薄い本書には、日本の農業を取り巻く問題点がコンパクトにまとまっています。が、その中身は正直ブルーになるような実態ばかりで、食糧自給率の問題一つ取っても、池上彰さんの”キレイな説明”からは聞かれない話がいっぱいです。

     偽装農家のやりたい放題に農業委員会のデタラメ。既得権益と補助金漬けで、違法転用が横行する実態は読んでて暗澹たる気持ちになります。
     もちろん真面目に農業を営んでいらっしゃる農家もありますが、偽装農家はその農家にも迷惑をかけ、新規参入を事実上拒絶して耕作放棄をしています。下手に人に貸したりすると農地を売って儲けられそうなときの障害になるからという理由については、都市部の人間はもっと怒って良いと思います。

     偽装農家の問題を掘り下げていくと、日本の都市計画が滅茶苦茶であることに行き着き、問題は農村だけに留まらず都市部も含めた日本の土地利用体制の問題に至ります。そしてそれは、マスコミで散々言われている「既得権益にしがみついて甘い汁を吸っている奴が得をする」というよくある構図だったりもします。
     しかし、偽装農家の話はマスコミではあまり取り上げられません。TPP問題でも象徴的なように、農家は「保護の対象」として語られるのが半ばお約束と化しています。マスコミも、政府や官僚だけでなく、こういう問題をこそ報道していくべきだと思います。

     94頁のブックレットで字も大きく、すぐ読めますが、色々考えさせられる本です。詳しく知りたい方は著者の『日本の食と農』へ進んで下さい。

  • 「農地」を転用するためには農業委員会の許可が必要らしいという知識はあったが、どこにあるのかよく分からなくてこれまで土地の購入を断念したケースが何度かあった。農業委員会って何なのか。その解説だけでも価値のある内容だった。著者は、日本の農業には生産性や生産品目など今後解決すべき点も多いが、最大の問題点は名目上農地として保有を続けることで固定資産税や相続税を免れ続けている土地、あるいは実質は産廃処分場と化している土地などが本来の利用を妨げていることにあるという。農家と言えば、一生懸命働いているのに貧しい、というイメージは間違っており、実際は土地所有の一形態に過ぎない。農業委員会は、農地利用の運用を取り仕切っているが、市町村ごとに設置され、10アール以上の農地を持つ農家の互選で委員が選ばれる。ただし、これは専業農家である必要はないので、転用待ちで農地を持っている不動産屋などが委員になることも多い。

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