事件現場清掃人が行く

著者 :
  • 飛鳥新社
3.58
  • (11)
  • (26)
  • (28)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 180
感想 : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870319943

作品紹介・あらすじ

この世の後始末、引き受けます。高齢化社会、自殺者3万人、無縁社会と孤独死…誰かがやらねばならない仕事がある!「今もどこかで誰かが私を待っている」事件現場清掃人からのリアル"おくりびと"。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最近になってこの仕事は漫画や本などで紹介されて来たけどほんと大変な仕事だと思う。

  •  孤独死をしてしばらくしてから発見された部屋を片づけることを仕事にする人が執筆した手記。本人の談だけに、内容は非常にリアル。なんとなくそんな現場を想像はするが、読んで伝わってくる現場の雰囲気は想像以上にすさまじいのだろうと感じ取れる。そんな現場から伝わってくるドラマ、そして筆者がなぜこのような仕事をすることになったかも書かれていて、読みごたえがある。賃貸物件の大家さんは読んでおいたほうがいいだろうとも思った。

  •  少し前に出た『遺品整理屋は見た!』(吉田太一著/扶桑社刊)の、あからさまな二番煎じ。

     著者は「事件現場清掃人」を名乗っているが、べつに警察から委託されているわけではなく、業務内容は遺品整理屋と一緒だ。すなわち、部屋の主が自殺や孤独死を遂げたアパート/マンションの一室を清掃・リフォームする会社。その経営者が、仕事の舞台裏をエッセイ風に明かした本なのである。

     けっして悪い本ではない。むしろ、内容はよくまとまっている。ただ、類書の『遺品整理屋は見た!』を読んだあとではインパクトが薄いし、違和感を覚える点もいくつかある。

    ●違和感その1.
     「特殊清掃」の手順や使う道具などを、あまりにも詳細に説明しすぎ。
     「試行錯誤の結果、二酸化塩素を成分とした除菌・消臭剤を開発しているバイオフェイスという会社に出合いました」とか、「特殊清掃業者には、除菌・消臭にオゾン脱臭機を使用しているところが多い」が弊社は使わないとか、大半の読者にとってはどうでもよいことがダラダラと書かれている。
     
    ●違和感その2.
     同業他社との違いをくどくどしく説明しすぎ。
     他社が消せなかった孤独死現場のニオイを、弊社の技術なら完全に消すことができる……などと強調するくだりがやたらと目立つ。

     1と2を要するに、本書は著者の会社の広告にすぎない――としか思えない。営利企業の社長が著書を出す以上、宣伝的側面があるのは致し方ないとしても、本書はその点が露骨すぎ。

    ●違和感その3.
     第七章の小見出しの一つに「お風呂で煮込まれたお婆さん」とあり、強い不快感を覚えた。編集者かライターがつけた小見出しだとは思うが、あまりにひどい。
     著者は本書でくり返し、“「特殊清掃」をする際には亡き部屋の主に対する哀悼の念を忘れずに臨む”とか言っているのだが、人の死を嗤うような無神経な小見出し一つで、全部台無し。

     ……と、いろいろケチをつけてしまったが、孤独死の現実をまざまざと伝えて読者をハッとさせるくだりもある。たとえば――。

    《孤独死をするのは年金暮らしの老人が多いと思われるかもしれません。
     ところが実際には、五~六十代の男性が多いのです。
    (中略)
     孤独死で老人がそれほど多くないのは、具合の悪い人は病院に入院している場合が多いのと、お年寄りの場合は普段から周囲が気にかけていることが多く、姿を見かけなくなると「どうしたんだろう?」と心配される立場にあるからだろうと思います。
     しかし五○代の「働き盛り」では、しばらく姿が見えないとしても、「きっとどこかに出掛けたんだろう」くらいにしか思ってもらえません。》

    《死臭には男女の違いはありません。
     ただし、年齢による違いはあります。おそらく、若い人に比べると老人は体についている脂肪と水分の量が少ないために、いくらか死臭が弱いようです。》

    《特殊清掃という仕事がビジネスとしてはじまったのは二○○二年頃といわれています。超高齢化社会を迎え、単身世帯が増加し、自殺者の数が高いままの現在、ビジネスチャンスをにらんで、新規参入する業者が最近どんどん増えています。》

  • 正直、怖いもの見たさというか、好奇心で手に取ったのだが、想像していたものとは少し違っていた。
    例え最後が孤独死だったとしてもその人が不幸だったとは限らない、という著者の言葉。
    遺された思いは様々である。残された行き場のない思いに胸がしめつけられたり、孤独死ながらも多くの人に愛された人柄に温かくなったりと、ノンフィクション人間ドラマとしても読みごたえのあるエピソードが多数。
    とはいえ、現実としての課題もしっかり提議されている。
    核家族化から単身化が進むと見られる社会では孤独死はますます増える。大家は孤独死された際のリスクを考え、高齢者の入居を断る例もめずらしくないという。
    定期的に単身者の安否を確認したり、部屋で亡くなった時の清掃や、死亡後の事務処理のための保険など、孤独死問題に対応できるシステムを作っていかなければならない。

  • 著者自身、人生で紆余曲折があって、事件、自殺、孤独死のあった部屋の原状回復をするという仕事を〝天職〟と思えるまでになったわけだけど
    このような、人が避けたがる仕事をしてくれる人がいるからこそ世の中は成り立っているんだよなぁ…と思わざるを得ない、それくらい壮絶な仕事だった…。
    自分は病院で死ねますように…。
    家族も病院で死にますように…(汗)

  • 2030年には40%になると言われる単身世帯の始末、孤独死・自殺の現場清掃の状況や事例。不摂生な50-60代男性が多く、迷惑顔な身内、怒る大家。処理のノウハウ。料理人、リフォームから清掃人に至る経歴、今では天職。

    社会に対応するしくみができていないことを再認識。遺品の取り扱い関連法令、保険、サービスなどの必要性を感じました。

  • 妹さんが亡くなったこと、詐欺に遭ったこと、ノウハウを奪われてしまったこと、社員に見捨てられてしまったこと・・悪いこと悲しいことすべてが現在の高江洲さんの力になっていて凄い人だなあと思った。
    時々挿入されている写真にギョッとすることはあったけど、どの章も色々と胸にくるものがありました。

    確かに突然死よりも死後のことを念入り考えて準備してある死の方が悲しいかもしれない・・

  • みんな、死ぬ。
    自分がどんな死に方をするのか、なかなかわからない。
    ひょっとしたら、一人で死に、腐敗してゆくのかもしれない。
    山の中ならいざしらず、社会の片隅で朽ち果てるとき、やはり誰かに片づけてもらわなくてはならなくなるのだろう。
    高江洲さんの仕事は、やはり大切なお仕事だと感じる。

    プロ意識がすごいと思う。
    見習いたいと思った。

  • 死後を扱うお話。
    死んで人に迷惑をかけたくないなと思いつつも
    事実としてあることが本書より知ることができる。
    人生訓として考えさせられる。

  • テレビなどから受ける「孤独死」などの「死」とは印象が変わった。
    寿命によらぬ死、とくに自殺はむしろ死後のほうが遺族だけでなく大家さんまで迷惑をかけてしまうし、このような仕事のプロがいなければ、さらに周囲の人々にも迷惑がかかってしまう。
    無残な死体や周辺の清掃を行うことは、遺族らだけでなく、故人そのものへの気持ちが大きいのだということが本当によく心に響いた。
    死は作品のように美しいものでは決してないし、かといって無残に亡くなっていった身体は「迷惑」「グロ」でまとめられるものでもない。無論自らの死を選ぶ事は良いことではないが、自殺も、そしてまた孤独死も、自らの選択肢の延長線上にあるものであり、第三者が倫理からとやかく言える問題ではない。しかしながら死に伴う死臭や汚れは、故人にとっても望むものではない。そして、できれば誰もが関わりたくない。それを、どのようなビジネス目的や経緯にせよ、すべて日常の空間に取り戻し、故人にとっても遺族にとっても、大家さんや近隣の人々にも感謝の気持ちになるこの事件現場清掃の仕事は素晴らしいと思う。
    テレビでいう「孤独死」の特集のように、人と人の間にコミュニケーションをとることで不幸な死を防ぐ、ということは確かである。しかし、必ずしも孤独死はすべてが不幸な死とは限らず、かつてエリートと呼ばれた核家族の道を選んだ結果、歳月が流れ、配偶者や子供が自分のもとを離れ単身となり死を迎えるという自らの道であるともいえる点は、第三者からは埋め難い事実である。であるからこそ、そこからのケアが必要であるし、人間関係の大切さを再認識したうえで問題を直視し、解決するそのサービスのニーズがさらに高まるだろう。

全32件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1971年沖縄生まれ。料理人、内装業者、リフォーム会社等を経て自殺・孤独死・殺人現場などを扱う「事件現場清掃会社」を設立。2010年に、その知られざる事故現場のエピソードを紹介した『事件現場清掃人が行く』(飛鳥新社)を発刊。孤独死をなくすことを自らの使命に課し、きょうも精力的に活動を続けている。

「2020年 『事件現場清掃人 死と生を看取る者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高江洲敦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする
×