絵本で育てる情報分析力―論理的に考える力を引き出す2

著者 :
  • 一声社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784870771710

作品紹介・あらすじ

日本ではまだまだ珍しい絵の分析方法を教える本。1枚の絵や絵本を見て、底に含まれた多くの情報を読み解く方法論。
欧米の、特に宗教画は文字が読めない人にキリストの教えを伝えるためのもので、多くの情報が絵に含まれている。それを読み解くのは当たり前。ドイツなどでは幼稚園から絵の分析カリキュラムがある。
本書は家庭向きの本と出版したが、工芸高校や看護学校の教科書として、また絵の分析を学ぶ大人のためのテキストとして採用され、高い評価を得ている。

感想・レビュー・書評

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  • まさかのA4版。通勤電車では読めず早朝読書。
    文体が読みづらく、時間がかかる。
    実際に巻頭に絵がついている。
    これを子供に見せて「絵の分析」をさせる実例、回答がある。
    声かけ実例がたくさんあって参考になる。
    欧米では子供のころから読書感想ではなく、本の分析をする訓練をしているとのこと。
    それが音楽、絵画の分析にもつながり、理論的に感想?をいうことができるようになるらしい。
    それがいいことかどうかはともかく。

    「子供の感受性を伸ばしてあげるためにはむしろ、子供が感受した事柄を言葉に置き換えて表現する作業を大人が認め、ほめたたえ、さらに別の方面からの問いかけをして深める手助けをすることこそ必要です。」

    「読書は検証されなければ意味がない」本を読むこと、読み聞かせも意味があるけれど、読んでいるからといって読めているかどうかはわからない。

    「絵の分析」
    絵に描かれた場面の内容を分析する
    ・これは何の絵?絵を見て最初に考えたことは?
    ・場所はどこ?なんでそう思う?
    ・誰がいる?
    ・何をしている?
    ・何の絵?最初の時より詳しくいえる?
    絵に描かれた場面の因果関係や前後を分析
    ・何でこうなったんだろう?
    ・この後どうなったかな?
    →絵の中で根拠を見つけて推理する

    「教え込む」のではなく「引き出す」

    その考えが間違えの時は決めつけるのではなく、「私はこう思う」と別の考えを示す。
    「いろいろな考え方の存在」を理解する。

    テクストの分析
    子供にお話の要点を訊く(5h1w)
    1)いつのことか
    2)どこのことか
    3)誰が出てくるのか
    4)どんな人物か
    5)何の事件がおきたのか。なぜ起きたのか。
    どうして主人公は巻き込まれたのか。
    6)最初に、次に、それから、最後に何があったのか
    7)おしまいにはどのようになったのか
    おしまいには何が起こったのか

    感想を訊くのはやめましょう
    その代わりに、どんなお話だったか尋ね、上手に語ることができたら、大いにほめる

    テクストの分析と解釈は「なぜ」「どうして」を中心に質問する
    自分だったらどうする?どうしたらよかった?
    なぜ?

    読んでいる最中に子供から質問されても、イライラしないこと。質問には辛抱強く答えよう。あとでなどと言わないこと。読み聞かせには時間制限はないが、子供の知りたいという欲求には時間制限がある。辛抱強い返事でその好奇心を大切に育て、また読み聞かせを再開することである。

  • ちょっと高飛車だか、示唆に富む本。逆にこういうことが大衆化されないのは何故かが気になる。
    著者がセミナーとかしてるみたいだが、ちょっとケチな感じがして行く気にならない。

  • 論理的思考の幼児教育に関する良書。理論を実践により検証している。脳科学では論理的思考は10才程度からと聞いたことがあるが、低年齢からの適用可能と認識を改める。

    言語技術:説明、描写、報告
    読書技術:語り、要約、分析と解釈・批判

    ・絵の分析のための指標
    テーマ(主題)、設定(場所・季節・天気・時間・時代背景)、人物(描かれている物・人物等の考え・感情・会話など)、象徴、色調・色彩、タッチ、構造

    ・読み聞かせたテクストとの分析と解釈のための指標
    テーマ(主題)、設定(場所・季節・天気・時間・時代背景)、登場人物(人物/動物等の考え・感情・会話など)、象徴、構造

    ・自分ひとりで読む時のエクストの分析と解釈のため指標
    テーマ(主題)、設定(場所・季節・天気・時間・時代背景)、構造、プロット、スタイル、視点(だれの視点で物語が語られているか)、自制、トーン、語彙、象徴、登場人物(人物/動物等の考え・感情・会話等)

    絵本による実践から得られたこと
    ①早期に開始するほど優れた情報分析力を獲得する
    ②鋭い観察力と豊な感受性が育つ
    ③テクストの読解能力
    ④テクストを読むための指標を使いこなせる
    ⑤論証力が育つ
    ⑥討論・議論の力が育つ
    ⑦自他の区別と自己肯定、他人の意見を尊重する気持ちが育つ
    ⑧論証文書けるようになる

    education:導き出す

    イェール大学のメディカルスクールで「絵の分析」が必修化

    P70
    74
    75
    77
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    177

  • 貸出状況はこちらから確認してください↓
    https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00174233

  • £10

  • 欧米では学校教育の中で行われている,読書技術教育。
    日本のように単に読むだけ,または答えが先に用意されている国語教育とは大きく違い,教育的効果も異なる。
    読書技術教育のゴールは「クリティカルシンキング」を持てるようにすること。
    この教育は,鋭い観察力,感受性,論証力,自己肯定,他人の意見を尊重する力を養う。

    この本では,方法を豊富な実例とともに詳しく説明してくれていて,始めやすいです。

  • 話が長い。

  • 絵本の読み聞かせを通じて、論理的思考や洞察力を育てる本。
    ものを見る目を養うということは、インプットの質が上がるということ。適切なインプットは思考の質を上げるのことにも繋がる。その肝心のものを見る目、今まではセンスだと思っていたが、この本で理論的に磨けると気づいた。さっそく活用して子の洞察力を鍛えたい。

  •  高度に発達したメディア社会で、これからの子どもたちが情報を正確に判断するには、絵本で「絵の分析」をすることで培った能力が必要である。

     これまでの絵本の読み聞かせとは違った観点で絵本について考察している。論理的な思考力を付けるには、有効だと思う。

  • 今度、時間があるときにゆっくり子供に試してみようと思う
    が、この絵本の口絵3は、間違っている。。。。
    絵本を使って試したい

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著者プロフィール

つくば言語技術教育研究所所長。日本読書へのアニマシオン協会副会長。財団法人ソニー教育財団評議委員。平成18年度文部科学省言語力育成協力者会議委員。
日本サッカー協会コミュニケーションスキル専任講師、麗澤中学・高校非常勤講師、茨城県立中央看護専門学校非常勤講師、朝日カルチャースクール講師、
東京生まれ、中高4年間をドイツで過ごし、ドイツ式論理トレーニングを学ぶ。上智大学ドイツ語学科卒。丸紅勤務後、1984年にドイツ式作文教室を主宰、1990年言語技術教室開設(現つくば言語技術教育研究所)。
主な著書=『外国語を身につけるための日本語レッスン』『子どものための論理トレーニングプリント』

「2002年 『手のなかのすずめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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