思想としてのパソコン

制作 : Theodor Holm Nelson  Philippe Qu´eau  Alan Mathison Turing  Douglas C. Engelbert  Terry Allen Winograd  Vannevar Bush  J.C.R. Licklider 
  • NTT出版
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本棚登録 : 82
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784871884976

作品紹介・あらすじ

メメックス、チューリング・マシーン、NLS、ザナドゥ、AI、ダイナブック、インターネット-キーマンの論文によって1940年代から現代までのコンピュータ設計の「思想」を読み解き、近未来のヒトと機械のあり方を探る。ヒトは「パソコン」に何を夢見たのか?「知」は増幅されうるか。

感想・レビュー・書評

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  •  1960年代~1970年代のアメリカ西海岸。AI(=アーティフィシャル・インテリジェンス)からIA(=インテリジェンス・アンプリファイアー)へと流れるパソコン開発史を明快に解説してくれる一冊です。著者の西垣通氏が展開する「アポロ計画とサイバースペースを深層で繋いでいるのは、アメリカのフロンティア精神である」という説を、拙著「ソーシャルメディア進化論」でも紹介しようと試みましたが、私の筆力ではそれに至ることはできませんでした。この場を借りて、皆さまにご紹介させていただきます。

  • 良書

  • 図書館の除籍本

  • コンピュータの発展の方向性は2つあり、AI(Artificial Intelligence)はコンピュータに人のような思考をさせることを、IA(Intelligence Amplifier)はコンピュータを人の思考の補助ツールとすることを目指す。AIはコンピュータと人を同質のものとして捉え、IAはコンピュータと人を異質のものとして捉える傾向がある。しかしIAの中にも、実はコンピュータと人が同質だからこそ接続可能だという思想が流れている。コンピュータと人を同質のものとして捉え、両者を論理的に制御しようとする態度は、理解不能な闇を光で照らそうとする西洋キリスト教や、それに連なるアメリカのフロンティア精神、アングロサクソン化、英語化の使命感に通じる。

    科学者、数学者の役割は、単純作業の反復である論理的計算ではない。論理的計算は機械に任せ、科学者、数学者は問題解決のためにどのような論理的道筋を取るべきかを直感によって決める仕事をすべきである。設計は技術ではなく芸術である。

  • とりいそぎ編著者の西垣通氏の序章”思想”としてのパソコンを読んで。非常に思想史的にパソコンについて整理されている。

    ・IAを目的とするパソコンは1960年代末~80年代初めにアメリカで生まれた。AIを求めるメインフレームが全盛の1970年代にである。
    ・無料で市民が交信できるインターネットは、ある意味でネルソンの思想と重なっている。WWWを一種のハイパーテクストとみなすこともできるだろう。だが周知のように、それはいまや自由な討論の広場というより、むしろビジネスの欲望の修羅場となりつつある。
    ・パソコンが誕生するまでの経緯には二つの流れがあった。パソコンには「使いやすいこと」ならびに「安いこと」が要求される。両者が完全に一つになったのは一九八〇年代以後のことだった。第一の流れは対話型のマンマシン・インタフェース技術を発達させた。そして現在のいわゆるGUIを生みだしたのである。
    ・ケイはコンピュータをダイナミック・メディアとして捉えていた。本がスタティック(静的・受動的)であることに対してである。だからケイの理想は「ダイナブック(動的な本)でなくてはならなかった。
    ・半導体の集積回路が出現すると、コストが劇的に下がる可能性が出てきた。さらに集積回路を記憶装置として使えば、対話型インターフェースに不可欠な大容量記憶装置も大幅にコストダウンできることになる。
    ・マイコンは一九七五年「アルタイル」として、電子工作マニアのためのホビー用キットとして発売された。
    ・革命のきっかけは一九八一年のIBM/PCの発売といってよいだろう。
    ・一九九二年、マイクロソフト社からウインドウズ3.1、九五年にウインドウズ95が発売された。一九九〇年代に起こったいま一つの本質的変化は、パソコン同士がネットワークで結ばれたことだった。そこに九〇年代半ばから爆発的に広まっているインターネットがある。いまやパソコンのもっとも魅力的な用途はインターネットの利用なのである。
    ・コンピュータを使って人の能力を伸ばすこと、またはコンピュータをメディアとして皆で共同思考・共同作業すること、といった方向に移っていったのだ。

  • 機械は知性を持ちうるのか?
    知性を記号の操作と捉えた上でのAI(Artificial Intelligence)の開発は失敗に終わる。
    機械と人間との協同での知的営みとは?
    人間の創造性をサポートするIA(Intelligence Amplifier)としての機械の構想が立てられる。

  • ヴァーネヴァーブッシュのメメックス論文

    パソコンは人の道具として発展させてきた
    人類の膨大な知識を入手しやすくするための大プロジェクトに参加すべき

  • 分類=パソコン。97年5月。

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著者プロフィール

東京経済大学コミュニケーション学部教授/東京大学名誉教授

「2018年 『基礎情報学のフロンティア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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