完全自殺マニュアル

著者 :
  • 太田出版
3.48
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本棚登録 : 1677
レビュー : 269
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872331264

作品紹介・あらすじ

薬局で買える死ねるクスリから、最も安楽に死ねる方法まで、聖書より役に立つ、コトバによる自殺装置。

感想・レビュー・書評

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  • より善く生きるとか、人生の意味とか、まばゆい理想を掲げるのは簡単だ。
    世間並みの常識を踏まえて、レールに乗って行けば下地が出来る。その上に幸福感を盛り込めば出来上がりだ。

    ではレールから外れてしまったものはどうしたら良いか?
    人生の目的を見失った者には世間は生き辛い。世間並みの常識の目線が、レールから逸脱したアウトサイダーには逆光となる。
    本書でもレールから外れてしまった者たちの末路がクールな筆致で語られている。
    彼らは死ぬことでしか自分を救うことができないと思い込まされたのだ。

    死は救いなのか?
    答えはわからない。

    死に方を懇切丁寧に解説した本書だが、著者はアウトサイダーが社会を生き抜くための活動を行なっている。生きたもん勝ち、ということか。

    目次
    1 クスリ
    2 首吊り
    3 飛び降り
    4 手首・頚動脈切り
    5 飛び込み
    6 ガス中毒
    7 感電
    8 入水
    9 焼身
    10 凍死
    11 その他の手段

  • 本棚でお飾りと化していたけれど、人にすすめる以上はもう一度読んでおかなければということで再読。

    著者の目的は明確。
    「こういう本を流通させて、『イザとなったら死んじゃえばいい』っていう選択肢を作って、閉塞してどん詰まりの世の中に風穴を開けて風通しを良くして、ちょっとは生きやすくしよう、ってのが本当の狙いだ。」(p.195)

    服毒自殺から焼身、凍死なんて方法まで、幅広くどうすれば死ねるのか書かれている。
    それぞれの方法の実現可能性については信用しきれない部分もある。
    他の人のレビューでも書かれているとおり、情報の古さは否定できないし。仕方ない。

    「ケーススタディ」が豊富。
    実際の出来事なのだから読み応えがある。
    安らかに眠れる人がいればものすごく苦しむ人もいて。
    事実は小説よりも奇なり…。

  • 1993年出版の本。話題になっていたのか、タイトルは知っていたので、図書館で借りてみた。

    タイトルのとおり、色々な自殺の方法が淡々と書かれている。首吊りが最も苦しまず、未遂率が低く、簡単にできるものだとある。

    「服薬」による自殺の章では、薬局で誰でも買える薬の名前がたくさんあげられている。そういった薬を大量に飲むらしい。現在では状況は変わっていると思う(医者の処方が必要とか)が、死が身近にあるんだなと不思議な驚きがある。

    「手首・頸動脈切り」の章が読んでいて一番しんどかった。自分の手首にカッターナイフを当てるだけなので、簡単にイメージができてしまう。そのイメージが怖い。

    良くも悪くも、死というものを考える機会にはなったと思う。でも、全体を読んでいて、文の調子の軽さや自殺するのが良いことのように書いているのに違和感がある。自殺を試みて生き残ったケースをあげて、それを残念なことのように書いている。

    また、この本が出版された1993年という時代を感じる。「生きづらさ」という言葉がよく出てくる。この頃に比べると、現代は生きやすくなっているのか?自殺者数はどう変わっているのだろう?


    軽くネット検索してみた。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8C%E5%85%A8%E8%87%AA%E6%AE%BA%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB
    ・本書は「生きづらさ問題」の先駆け。以前はよく見られた自殺者の心の弱さを責める言説は姿を消した。
    ・本書のブームとなった発売年と翌年の2年間は自殺者数は減少した。
    ・本書が主たる原因とされる自殺事例は、確認されていない。


    ショッキングなタイトルだが、世の中を変えた1冊と言えるのかもしれない。死を考えて、自分を考えるきっかけにはなると思う。

    「何か辛いことがあれば、その時に死ねばいい」と考えていれば、ひとまず前に進むことができる。家族や身近な人のことを考えると、なかなかそうも言えないが。

  • こんなに面白い本を読んだのは初めてかもしれない。
    軽快な文章、幅広い情報、まさに集大成とも言えよう。
    いつでも死ねると思えば、生きることがどんなに楽になることか。いつでも死ねる、どんな風にでも死ねる。だからどう生きたっていい。そう、「生きるなんてどうせくだらない」のだから。それくらいに思っていても、いいのかもしれない。「死ぬ」という選択肢がまだ残っているのは、ある意味で我々にとっての救いである。
    自殺を推奨するわけではないが、特に否定はしない。止めようとしたところでなくなるものではない。「生きていれば良いことがある」なんてのはあまりにも無責任な発言だ。本書でも、生前あまりにも不幸だった自殺者の身の上について記述が多数あったが、そのまま生かし続けることが本当に正しいことだとは到底思えない。「生き地獄」という言葉があるがまさにそれだろう。死ぬことによって救われる命だってあってもおかしくないはずだ。そして生きる権利があるなら死ぬ権利だってあるはずだ。(と言って、太宰治は本当に死んでしまった)
    本書も決して自殺推奨本ではないが、この本の情報をもとに自殺した人というのはどれくらいいるのだろうか。それを考えるとぞっとしなくもない。
    今使うには少し情報が古すぎてあてにならないものも多いと思われるが、かなり興味深い一冊だった。買いづらいけど、読む価値はある。
    また、死にたくなったら読み返そう。

  • この本を見て驚いた。「死に方が載っている」。確か一時期話題になったはずだがありとあらゆる死に方が載っていてびっくりした。

  • 生き方を説いている本は腐るほどあるけど、死に方を説いている本はそれほど多くはないこの世の中。
    各種自殺方法の苦痛・手間・見苦しさ・迷惑・インパクト・致死度を5段階で表し、ケーススタディや例外、未遂に終わった自殺実施者のコメントもあるので、どうすれば確実に死ぬことができるか、どのような死に方が自分に適しているか等を検討できます。
    有害図書指定を受けるのも頷けます。

  • 中学の頃、かなり一世を風靡して、これ持って樹海で自殺したワカモノなんか出て
    ザ・ワイドで毎日批判してたものだったが、私にとっては最高の娯楽。
    鶴見なる東大出身の作者のこだわりが余すところなく発揮されている。素晴らしい。
    単に読み物としても、ケース・スタディは充実しているし、
    まず「本当に自殺したい人のための本」という軸がぶれないのがいい。
    自殺は是か非か、そこを問う本ならいくらでもあるのだ。そこが画期的だった。
    樹海に住むという坊主、生活保護にも疲れ、抱き合って餓死した姉妹、
    親族にやられつづけ叔父の庭で焼死した中学生の女子、青函トンネルの線路内で
    轢死した女性、薬を飲み自分の死の直前まで記録をつけつづけた青年…
    犯罪は一様に美化できないが、自殺はドラマであると思う。そこには学ぶものよりも多く、
    感じ入る、だれにも真似できない物語がある。この本はそれを淡々とつづる。
    「ぼくの知人に、エンジェルダストという、飲むとわけわかんなくなって飛び降りでも平気でできちゃうドラッグを、いつも首からさげているやつがいる。
    いざとなったらこれ飲んで死んじゃえばいいんだから、と、定職にもつかずぶらぶらしている。
    この本が、あなたにとってのエンジェルダストになればいい」(記憶あいまい)
    という前記の作者の記述が、すべてをあらわしている、と思う。

  • 本書が世に出た当時の空気が詰まっているのみならず、取り上げられる事例を通じて、それぞれの時代の空気も感じられる。
    著者の達観したようなお寒い態度も、耐えられない程の命の軽さを受け止めるために、無理に軽さを演じる時代の空気のように思える。
    どこまで正しいかは分からないが、自殺雑学もどこかで話のネタくらいにはなるかもしれないし、いざ自分が死のうと思ったときには参考になると思った。
    死も生も選択肢に過ぎないという著者の狙いは達成されているのではなかろうか。

  • 首吊り、飛び込み、飛び降り、クスリ、感電、入水、と多様な自殺の方法を「苦痛」「迷惑」「インパクト」「手間」などの各種パラメーターでチャート式に解説している死のカタログ。序文で著者も言っているが、これを秘密のお守りのようにして本棚に忍ばせることで、自分はいつでもこの世界から退場出来るんだ、という自信が出てきて、やるかたない状況をやり過ごすことが出来るかもしれない。ちなみに首吊りは一瞬で意識を失い、手間も無く、生き延びる可能性も非常に低いので、自殺の王道らしい。カタログという装置には人の心を死に対してさえフラットにさせる魔力がある。

  • たまたま見つけて読んだが、
    気色悪い 要らん本

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