夏の思い出 (OHTA COMICS)

著者 :
  • 太田出版
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本棚登録 : 86
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872331608

感想・レビュー・書評

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  • 表題作は山本直樹先生の中でも屈指の作品です。
    ひたすらに性犯罪者の犯行を警察がさかのぼっていくという話なのですが、その生生しさったらないです。
    人に嫌悪感を持たせるということが目的ならば大成功。
    そして後味も素晴らしい。

  • 冒頭の短編「夏の思い出」は、実際にあった事件をモデルにしたもの。犯人の異常さと、それに関わることによって自らの中に孕む共感と闘う刑事の心の危うさがよく出ている。

  • 「俺はたぶん死刑になるだろう。俺はあんた方みたいに家庭を作って子供を可愛がるなんてことはないだろう。だがな、俺は死んで本望なんだよ。あんなに気持ちいいこと。誰も味わったことのない。普通に暮らしてたら一生、絶対に味わえない快楽。普通に生きてるあんた方にゃ想像もつかないような気持ち良さを味わったんだからな」連続少女強姦殺人犯の言葉は刑事の心をしだいにゆさぶっていく。本当の快楽、本当の幸福とはなんだろう。作中で精神科医は言う。「理性とは別にはっきりとした基準があるわけではなく、その時代、その社会がぼんやりと規定した常識に基づく訳でして、言ってみれば文化的なデタラメとでもいったもので…」表題作他、リアルな天国をシミュレートする「天国の扉」ショートショート「どれいちゃんとごしゅじんさまくん」等収録。

  • 複数件の婦女暴行容疑者とそれを取り調べる刑事の話。
    たぶん、こういう犯人ているんだと思う。
    だからこそ怖い。

著者プロフィール

カルフォルニア大学サンタバーバラ校助教授 
専攻=映画理論・日本映画
Dialectics without Synthesis: Realism and Japanese Film Theory in a Global Frame, University of California Press, 2020, “Eye of the Machine: Itagaki Takao and Debates on New Realism in 1920s Japan,” Framework 56, no. 2 (Fall 2015).

「2019年 『転形期のメディオロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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