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- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872333121
感想・レビュー・書評
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漱石を読むという体験は、少なくとも僕にとっては、当時の知識人の凄味に憧憬と羨望を抱きつつも酔いしれることを意味するのだが(明治時代の文豪なら誰でもよいというわけではない。漱石でなければ駄目なのだ)、その凄味とは彼の博覧強記ぶりを指すのではなく、大きく時代が転換しようとしていた最中に、現実をアップデートし、言語を発見/獲得していった(ここでの現実と言語は限りなく同義語に近い関係だ)過程で起きた摩擦に対する向き合い方のことに他ならない。
つまり、彼は方法論を模索していた。何の? どんな? 漱石の小説は、要するに、その実践の中で得られた成果の報告書のようなものだ。ここではそれが事細かに解説されていて(という主旨の本ではないのだが)、とにかく何かと目からウロコの一冊です。読み物としても面白く、小説家志望の方にもそうでない方にもオススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示