方舟

  • 太田出版
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本棚登録 : 267
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872335545

感想・レビュー・書評

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  • 現実に在る終局というものはアルマゲドンの隕石みたいに分かり易い形ではなくて、多くの場合この漫画の中でサーーっと降り続ける雨のようにただ淡々と忍び寄ってくるものだろう。

    群像劇的な手法で様々な人間が描かれるが、僕がこの漫画で一番恐ろしかったのは明らかに目の前にまで致死的な危険が迫っていても、フワフワしたままなんとかなると他人事のように考えていて死ぬまで自分のことを当事者として本気で考えることのできない人々の存在だった。

  • 何を伝えたかったんだ?最後までわからなかった。でも、引き込まれた。

  • 地球最後の日ってこんな感じか。

  • ハリウッドは世界は一気に破滅すると唱えるが、この本のようにジワリジワリと破滅することもありうる。
    そしてジワリジワリと破滅する時にはヒーローは現れない。
    世界だけではない、国も、企業も、家庭も、個人も、ジワリジワリとくる破滅には逆らえない。
    怖い。怖すぎる。
    トラウマになる。

  • 2015/12/4購入

  • 戦慄…

    やまない雨はないなんて、幻想なのかもしれない

  • まさしくサブカル的、といえばいいのかな。氏の描きたい世界観が一冊かけてだらだらと、しかしながら確かな鋭さを持って伝わってくる。注目すべきはその表現力だろう。ノアの箱舟の神話になぞらえ、世紀末の時世にあった場末感を表現する。突然降りやまぬ豪雨に見舞われ、水没しゆく都市。その災害を発端に脆くも崩れゆく人の精神のうねり、絶望感をコミカルに、ふわふわと滑稽に描く。この作品にどことなく漂う軽さが、この作者の特徴であり、作品一番の見どころだと思う。

  • まさに今、沢山の人にこの漫画を読んでほしいと思う。

    私達はやまない雨の中で生きている。
    雨のやむ気配はない。
    濡れ続けながら…自分の終わりに向かって進んでいく事を始めよう。
    いつの日かこの雨がやむのを願いながら。
    読み終わってそう思った。

    この漫画に光を見出す想像力を私は持っている。

  • 延々と降り続く雨がもたらす緩慢な滅び。ノアの方舟を題材に世界の崩壊を描いていく。

    2000年に出版された作品で、先の見えない平成不況への不安か、単純に世紀末への不安か、当時何を意図して描かれたかはわからない。しかし、いまこの2013年という時に読むなら、そこで描かれるのは明らかに3・11後の世界であり、雨は原発の放射能そのものである。多くがその可能性を否定しつつ、しかし皆が僅かながらにでももしかしたらと思ったであろう核の惨禍。大丈夫、大丈夫と言い聞かせながら、じわじわとそして着実にせまる終末。終わりはある日突然カタストロフとしてやってくるわけではなく、日常と地続きにゆるやかに実現する。事後的にみればその予兆も対処の時間もあったはずだが、誰もが目をそらし続け、気づいた時にはとっくに手遅れとなっている。

    そしてなにより、そこには希望が入り込む余地はない。戦災にしろバブル崩壊にしろ宇宙人の侵略にしろ、物語に描かれる崩壊には焼け跡からの再生という希望、あるいは一発逆転的な希望が常に含意されている。しかし、しりあがり寿はそのような生易しい希望には与しない。緩慢な衰退ののちやがてすべてが死に絶えるという確信、カタストロフよりもはるかに冷酷な死のビジョンだけがそこにはある。
    しりあがり寿には、3・11を直接に描いた傑作である「あの日からのマンガ」がある。これは原発事故と現在進行形で向き合った結果であるが、10年も前にその想像力だけでものされた本作もまた3・11を考えるうえで外すことのできない作品と言える。

  • 読みながら、止まない雨はないってことわざが頭をチラチラ。日本人にとって身近な雨で、人間の日常に溶け込んでいる水が、こんなにも簡単に終末をもたらす。止まない雨と、方舟というキーワードだけで、夢見ることをやめてただひたすら笑っているだけの私たちを諭す。
    しりあがり寿マジすげーってなった。この画でしか描けない狂気があるよね。最後のカップルの女の子の死体が巡る、水に沈んだ東京と対象的な全てを呑み込んだ水面が太陽でキラキラしていて綺麗だった。あと表紙の方舟の字体がとてもいい。

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