フィルムとしてのガンダム: How to evaluate MOBILE SUIT GUNDAM (オタク学叢書 VOL. 8)

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  • 太田出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872336313

作品紹介・あらすじ

ガンダムの原点-アニメフィルム。そこに描かれた等身大の熱い青春像とは?社会の中で光明をつかもうともがくアニメ世代に送る魂の書、ついに刊行。

感想・レビュー・書評

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  • 2014年8月13日読了。機動戦士ガンダムの第1話~7話までを題材に、フィルム・映像作品としての魅力、表現の独自性について分析する本。「ガンダムの描写はリアルだ」「ガンダムの設定は秀逸だ」などと言うが、ガンダムのリアルさは「観客が劇中の事件・人物の心情をいかに直感的に理解できるか」という点でのリアルさであり、背景を密に書き込んだり人物の頭身を実写に合わせたり、といった段階でのリアルさ(もちろん、それも高いレベルで実現しているのだが)は超えているという指摘にはうなづけるものがある。せりふを省略し、人物の立ち位置や微妙な表情の変化で心情を伝える作劇術は、言われてみれば現代に至るまで、ガンダムの続編を含めてもこの「ガンダム」を超える作品は現れていないのではないか・・・?7話までのアムロの戦いはシャアを相手にしたものではなく、劇的にはブライトへの怒り・見返してやろうという反発がアムロをドライブしている、という指摘は自分が持っていなかった視点で驚かされた。ガンダムは深い。

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著者プロフィール

1958年兵庫県生まれ。アニメ・特撮研究家。特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)副理事長。大学在学時からアニメ誌上で執筆を始め、2001年に文筆家として独立。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員、毎日映画コンクール審査委員、東京国際映画祭プログラミング・アドバイザーなどを歴任。主な編著書に『20年目のザンボット3』(太田出版)、『細田守の世界――希望と奇跡を生むアニメーション』(祥伝社)、『安彦良和アニメーション原画集「機動戦士ガンダム」』(角川書店)など。

「2023年 『日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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