新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド

  • 太田出版
3.00
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本棚登録 : 77
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872338898

作品紹介・あらすじ

人気作家の作品を実例に、主人公の決め方、書き出し、会話の書き方、文体の作り方、結末のつけ方、さらに新人賞の獲り方まで、真に役立つノウハウを教示し、徹底的に面倒を見る、あの大ロングセラーの新版。特別サービス「どこまで役に立つ!?小説入門書ミシュラン」付。

感想・レビュー・書評

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  • 「文学を通して何かがわかる」んじゃなくて、「わかっていたはずのものが、文学を通してわからなくなる」というのが、二○世紀文学の神髄でしょう。


    戦前の太宰は、「ユダがいなければキリストもいない、共産党を輝かせるために自分はユダ
    となろう」といって転向したわけです。

    レディ・ジョーカー
    障害者の娘に初潮がきて、彼女は「レディ」になる。
    『レディ・ジョーカー』というタイトルは、誘拐犯グループの呼称です。犯人グループの一人、トラック運転手の布川の娘につけられたあだ名が「レディ」。布川の娘は障害児で、それを布川が「ジョーカーを引いた」と例えたことがきっかけでした。それに加え、誘拐犯たちが社会からみてババ抜きのジョーカーみたいな存在だと、自分たちを皮肉って名付けたものでした。


    脇役の「勘のよさ」が、いわば読者の分身としての資質に由来する点  なるほど

    二人称(の主人公)に語りかけるかたちで話者を設定するという手法

  • 作法と言うよりは小説家を目指したい人はどんな本を手本(反面教師)にしたらいいのか意地悪く示した本。

    レビューつき作法の本一覧を見てみたら、すでに9割以上読んでいた。

    自分の書きたいこと、読みたいものとは何なのか考えてしまう。

  • 納得できない

  • 前回の簡易版か。

    これも文藝時評として読むこともできる。

  • さっそく続編を読むどー!と勢い勇みましたが、私これ読んだことありました。
    登録してなかったのか…。

    15年前~5年前までの話題になった作家は一通り出てきていて、書評もなかなか面白いのですがしかし、前回とまるまる同じ記事をいくつも載せるのはいかがなものかと思います。
    前作から10年も経ってるんだから別の小説を例に出しましょうよ、どんだけ手抜きしてんだよ。

    舞城王太郎に純文学が乗っ取られつつある話は結構納得ですね、純文学の前衛性をメフィスト系に見い出さざるを得ないこの状況って、純文学作家の表現力が頭打ち状態になっていることを現わしているのだろうなぁと思います。
    前作にも書いていたように、昔は文学しか格好良いものがなくて、才能も努力もそこに注がれていたんでしょうが、今は選択肢が多いですもんね。じゃああえて文学選ぶ人なんてそういないし、そこに人生捧げる人なんてなおさらいないですよね。

    の割に「蹴りたい背中」を綿矢りさの自己表現の発露だ、みたいな言い方を冒頭でしていて、いやいや「インストール」を読めば蹴りたい背中がそこそこ計算されたもので私語りでないことくらい容易に分かるだろう、と怪訝に思ったのですが、最終章で「ありゃ主人公ばかりで他者の描写が出来ていない」みたいなことを言う。
    あんたら自己表現の意味を特定しなよ…とつっこみ入れたくなりました。

    そういえばこの本、小説の技術については蘊蓄並べてますけど、物語性には一切触れていませんよね。まあ「技術が大事」みたいなこと言ってたんでそこに的を絞ったんでしょうが、作家になりたい人は小説の物語性も学ぶべきなんじゃないの、そこには触れなくていいの??と思いました。

    とりあえずベタ褒めされていたシンセミアは読もうと思います。

    11.12.12

  • 作家志望者を軽く批判しつつ
    小説の基礎的解説が進められていく。

    必読書なども紹介されており最初の
    とっかかりには便利な本と言える。

  • 当代随一と思われる文芸批評家による読書案内。

    実践向けに書き直されたが、毒舌は相変わらず健在。巻末の必読書100冊はたしかに名作ばかり。

  • これは酷い。居酒屋で文学好きなおっさん二人の持論を延々聞かされているような感覚。全然面白くない。

  • 出版業界が衰退している中で、自分の小説を世間に発表したいという人々は増える一方だ。そんな中で小説家を目指すのはあまり得策とはいえないらしい。だれでも一度は小説家になりたいと思ったことがあるだろう。自己表現として書きたい人、楽してお金をもうけられるから書きたい人、さまざまだが、小説家になるということは簡単なことではない。誰にでもできる「書く」ということを仕事としている職種だからこそ、小説家には他人と一線を画す「才能」のようなものが必要である。圧倒的な筆力であったり、もはや芸術の域に達する妄想力だったり、強靭な語彙力であったり、洗練された感受性であったり、とにかく特筆すべきものが必要である。さらにその上で、選考の運や世間の風潮などが加わる。読後、読み始める前の自分の愚かさを恥じるか、これを反面教師としてさらに執筆に励むかは人それぞれである。いささか意地悪な本だが、読者に過大な期待と夢をもたせる幾多のブックガイドより遥に「良心的」なブックガイドだ。巻末のブックリストも重宝する。

  • 随分と長い間文学から離れていて最近ふとしたきっかけで、また目くるめくあの世界へ戻りたいと思いリハビリとして再読した。
    <p>
    やはり私としては渡部直己とその周辺を基点として最終的にそこから脱却することを目指しつつ戯れながら本気モード、といった感じで、そういうスタンスで。
    <p>
    思えば最初の本書によって文学に目覚め希望に溢れつつ、ちょっと私、挫折した間にあっと言う間に気づいたら知らない間に文学って終わってるやん!思えばあの希望に溢れる時も文学は終わってたんだろうけど、あの時は全然気づかなかった。
    <p>
    今回の改訂増補版は著者達も繰り返し言っているように、まさに「絶望の書」
    <p>
    滅び行く文学の現在、そしてこれから起こる明らかな顛末を嫌という程思い知らされ、何よりも悲惨なのはそのこと自体に誰もが無関心であるという点で既に文学は死んでしまっているという事である。
    <p>
    テンション上がりつつ、こっ酷く落とされる本書でありますが、後書きのスガ秀美の「これだけ小説を書くことがバカバカしいと思える時代に、あえて小説が書かれるとしたら、そのような人の書いたものこそ、私が読みたいと思っているからである。」という一文で、あ、救われた、がんばっちゃおう、と、取り合えず濫読スタートの笛の音が聞こえます。
    <p>
    偏ってるけど素晴らしい文学レクチャー本だよ。話半分で読んだ方がいい箇所もありますが。

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著者プロフィール

文芸評論家。1949年生まれ。著書に『革命的な、あまりに革命的な』、『吉本隆明の時代』(以上作品社)、『1968年』(ちくま新書)、『反原発の思想史 冷戦からフクシマまで』(筑摩選書)、『天皇制の隠語(ジャーゴン)(航思社)など。共著に『昭和の劇 映画脚本家 笠原和夫』(笠原和夫、荒井晴彦との共著、太田出版)など。編書に『ネオリベ化する公共圏』(花咲政之輔との共編、明石書店)など。

「2016年 『タイム・スリップの断崖で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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