ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ (自腹文庫)

  • 太田出版
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本棚登録 : 129
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872339215

感想・レビュー・書評

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  • ゲームをまったくしないわたしの、いちばん大好きなゲームエッセイ。

    たぶんゲーム好きな人が読んでも面白いんだろうけど、わたしみたいに小さい頃
    「弟がやってるゲームを後ろから見る」
    のがすきだったった人のほうが面白いと思います。作者(別名義だと長嶋有)自身ゲームめっちゃ下手ですし。


    ゲームを哲学したり無駄に考察したり、ひたすら怒られるゲーム(怒られげー)を楽しんだり。

    ゲームだけでなく、モノを創ること、それらを評価すること、とは何かを考えさせられる一冊です。意外に。

  • テレビゲームは遊びであり産業であると共に文化でもある。ゲームに関する書籍の中で、その視点に立つものは少ない。文化であることについて延々と御託を並べることはあっても、細部に目を凝らし、すくい上げるようにして、あたかも文化的遺産であるかのような書き方をされることはあまりない。それをブルボン小林はやってのけている。ゆえに、本著は貴重である。また、テレビゲーム世代としてファミコンの時代から共に歩んできた僕らの世代には、是非とも読んで欲しい本である。◆ブルボン小林のコラムは視点が面白い。取材をしないことをモットーとしているため、必然的に切り口を面白くしなくてはならないわけだが、それが上手くいくのならば何の問題もない。ただ、切り口が派手ではないために、陰鬱とした人間が揚げ足を取っているようにも見えるかも知れない。しかし著者が純文学作家であるためか、ゲーム上の言葉に関しての深い考察などが挟まっており、適度に中和されている。ゲーム自体もリアルに近づいており、著者は決して現実から逸脱したりはしないので、ゲームをあまりしない人にも伝わる切り口だろうと思う。そして、ゲームをある時期熱中的にやった者にとっては、視点のあまりの意外さに、コラムの題材となったゲームをプレイしたくなること請け合いである。実家に眠っている埃をかぶったゲーム機を引っ張り出し、中古のゲームショップに走り、過去の名作を味わいたくなるのである。著述されたその一瞬を確認するためだけにでも。◆子供の頃に飽きるほどやったゲームに、そんな見方があったのか。それは大人になった今だから理解し得る事実である。当時のめり込めばのめり込んだほど、その感慨も大きなものになるだろう。漠然と自分もそう思っていたのだが、ブルボン小林によってその疑問に明確な形が与えられたということもある。やがて彼のこだわりを理解し、ブルボンワールドに肩までつかりながら読めば、度重なるこだわりへの情熱に笑わずにはいられない。これはブルボン小林と同年代でなくては味わいきれない格別の味である。ゆえに、ファミコンの時代から共に歩んできた僕らの世代には、是非とも読んで欲しい本なのである。

  • ■ブルボン小林の最新刊(もはや名前で買ってます)。
    ■内容はゲーム批評なのだけど、とにかく目のつけどころが面白い。
    「ゲームはかつて観光だった」
    「怒られゲーのススメ」
    「『Vice City』で途中経過を保存するのがカセットテープなワケ」などなど。
    ■ちなみにボードゲームが対象ではありません。
    「テレビゲーム」だとアーケードゲームが含まれないし、ビデオゲームというのも一般的ではないよね。と、まあそーゆーものです。
    ■ほぼ一般のユーザー視点。レベルも名人クラス…なんてことはないので、安心して話についていけます。こだわりがあるとしたら、本業・物書きというところでしょうか。テキストへの言及は何ヶ所かありますが、本読みには、まあ共感できるはず。
    ■あと、某文庫のパロディか?と流しそうなところですが、この表紙デザインは是非とも拡大して、できれば手に取って見ていただきたい。
    ゲーム関連ということで引く人もいるかもしれませんが、圧倒的な個人推し。

  • ゲームのコラム本。
    なつかしいLSIの『平安京エイリアン』からあたらし目のものまでいろいろです。
    古いゲームはいろいろ思い出がよみがえったりもしますよ。
    知らないゲームでも画像が豊富でキャプションも気がきいているので笑えます。
    私の好きな『太鼓の達人』を褒めてあったので、うれしかったり。

  • タイトル買い。そしてデザイン買い。その上内容もよろしかったです。
    著者のブルボンさん、実は芥川賞作家!ゲームという限られた世界への言及の視点も作家ならではで、全然ゲームをしない私にもエニシングOK!な本でした。オビの通り「ゲーム好きの彼氏の気持ちがわからない」彼女、ゲームの世界は狭いが深いのです。
    そういえばとある友人が「ファミ通の読者ページのレベルがどんなに高かったか知ってるか!?」と言ったことがありました。あたしファミ通読んでたのに!(創刊1、2年くらいだけど)読者ページを読みのがした事、かなり悔やんでます。
    確かにこの本に抜粋されてた投稿、(くだらなさの)レベル高かった…!!
    カバーの裏もチェックすべし。

著者プロフィール

ブルボン小林(ぶるぼん・こばやし)
1972年生まれ。「なるべく取材せず、洞察を頼りに」がモットーのコラムニスト。2000年「めるまがWebつくろー」の「ブルボン小林の末端通信」でデビュー。現在は「朝日新聞」夕刊(関東、九州、北海道)、「週刊文春」、「女性自身」などで連載。小学館漫画賞選考委員。著書に『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』(ちくま文庫)、『増補版ぐっとくる題名』(中公文庫)、『ゲームホニャララ』(エンターブレイン)、『マンガホニャララ』(文春文庫)、『マンガホニャララ ロワイヤル』(文藝春秋)など。

「2018年 『ザ・マンガホニャララ 21世紀の漫画論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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