- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872422030
感想・レビュー・書評
-
わき上がる入道雲、ゆったりと進む帆船、海辺に寄り添う黒い瓦屋根の家々、もっこりとした木々、ぽっかり浮かんだ満月、かやぶき屋根の農家、海辺の老人と子供、蕭条と街道に降る雨、雪に埋もれる宿場町など日本人の心のふるさとを描いた無上の喜びを与えてくれる木版画。実際はこんなに色がきれいではない、しかしそれがいい。いい具合に単純化された描線、それも絶妙の素晴らしさ。このまま絵の中に飛び込んでしまいたいぐらいだ。大判でページ数も多い。木版画の制作過程も解説してあるし、巴水自身の自作の解説やエッセイも載っている。川瀬巴水は渡邉庄三郎の新版画運動のエースだろう。
-
色合い、構図、感性の描写が桁違いに
素晴らしい。
飽きずにみていられます。 -
NHK「日曜美術館」で吉田博を知る中で、「新版画」を知り、その代表としての川瀬巴水に行き当った。雪や水の表現、精緻な描写。ひと目で心を奪われてしまった。
-
木版画家ー川瀬巴水の画集
旅好きの彼が全国、朝鮮まで歩き回り、スケッチしていった作品から木版画を制作していった。卓越した技術と絶妙な構図など見ていて惚れ惚れする。 -
『川瀬巴水作品集』とともにネットで購入。本書『川瀬巴水木版画集』の方が、収録されている作品数は多い。が、価格も本書の方が高い。購入するなら、どちらか一方の画集で十分だったような気が・・・・(汗)。
ともかく、手元において、時々眺めたい1冊であることにはちがいない。 -
日経新聞日曜欄で川瀬巴水の特集を一目見て脳裏から離れなくなり、6300円もするこの画集を購入してしまったのである。
こうした芸術に対して全くの門外漢である自分がレビューを書くのもおこがましいのかもしれないが、残しておきたいと思った。
川瀬巴水の木版画に惹かれたものは何だったのか。
上手く表現できないが、夕暮れや夜明けのような光と影、夜の水面に写る月明かりや電灯、雑木林からみた青い海と白い雲、夕暮れの山の頂に照らされる夕陽、暗い路地の先にみえる山の夕暮れといったコントラストが言葉にできないノスタルジーに誘うからなのか。
この郷愁の感覚は、川瀬巴水が生きた大正・昭和期の風景に影響されるところが大きいのかもしれないが、この光りと影のコントラストが現代に生きる様々な喜怒哀楽や切なさを思い起こさせるのかもしれない。
懐古主義に浸るつもりは毛頭ないが、時を超えて、現代を生きる人々に束の間の安息を与えてくれるような、不思議な気持ちにされてくれる画集である。
自身は気分転換に写真を撮っているが、このような風景をファインダーに納めたいと心底思う。 -
『昭和の広重』と言われているみたいですが、広重みたいに茶目っけがある絵ではありません。
逆に静謐なところがとてもいいです。
雨の絵では雨音だけが聞こえてきそうで、空を渡る風の音や、木々の葉擦れの音が画面の中から聞こえてきそうです。
こんな静かな空間に身を委ねてみたらどんなに幸せだろうと思います。
実物も何点か見ていますが、この画集は高いだけあって、発色が本物に非常に近いです。こんなに高い本を久しぶりに買いました。
-
待ちに待ちました3冊くらい 買ってしまいそう。でも 写真集だと 本物のウエットな感じは出ないなぁ
知っているようだけど、実は見たコトのない風景。それが心に響くのが不思議な気もします、、、
知っているようだけど、実は見たコトのない風景。それが心に響くのが不思議な気もします、、、