九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 - City of Darkness

制作 : 吉田 一郎  グレッグ・ジラード  イアン・ランボット  尾原 美保 
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 491
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872574234

作品紹介・あらすじ

"City of Darkness"こと九龍城は、大都市香港の中心に紛れもなく存在した。この高層スラムには、33,000もの人々が住んでいた。九龍城はどのように生まれたのか?これほど多くの人々が、これほど過酷な環境で生活できたのはなぜだったのか?取り壊しを前に、2人のカメラマンが4年間をかけて九龍城の住人たちに取材をし、仕事をする姿や部屋でくつろぐ様子をカメラに収めた。320枚の写真に32人へのインタビュー、さらにその歴史を収めた本書は、もはや存在しないこの特異なコミュニティを浮き彫りにした、比類なきドキュメンタリーである。

感想・レビュー・書評

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  • 写真だけでなく、実際に暮らしていた人の話や、当時の状況等詳しく記載されています。オススメです。

  •  アジアンカオスの外側と内側。

     九龍城というものを知ったのがつい最近でして。興味があったので、見かけた瞬間衝動買いしたもの。
     香港にあったスラム、九龍城の外側の写真、内側の写真、そこに生きていたひとたちの姿、彼らの話をまとめたもの。興味深かった、面白かった。欲を言えばもう少し写真が欲しかったけど、そもそも城外のひとが入っても大丈夫になったのも取り壊し前くらいからみたいなので、資料も少ないんだろうなって。
     でも全景を収めた上空写真と、外観の写真はずっと見てても飽きないと思う。すげぇもん、なんか、いろいろ。
     1993年に取り壊しが開始。前年までには住人のすべてが立ち退いていたみたいですが、彼らは今、どんなふうに生きてるんだろうね。

  • 面白い。いまはなき九龍城。ノスタルジーともいえるアジアの風景。
    よく近未来の物語の風景で、こんな高層ビルのスラムがでてきた。CLAMPのクローバーとか、ブレードランナー。
    実際に住んだら、怖そうだけど、面白い場所。
    このどこの国でもない場所の魅力ってなんだろう。
    軍艦島といい、人は極限の場所に憧れるのだろうか?
    図書館で借りたけど、欲しいなぁ。

  • きっかけは、無限城(笑)

    東洋の魔窟、九龍城。
    非日常感にゾクゾクするのが魅力的ですが、そこに住んでいた人々にとってはそれは日常であり、九龍城砦の解体は彼等にとって永遠に続くはずの日常の崩壊であると考えると、好奇心という言葉だけでは語ってはいけないものがあるように思います。

  • かつて魔窟と呼ばれた香港の九龍城の写真集。前々から気になっていたので図書館で発見したときは嬉しかった。
    住民のインタビューも写真もたくさん掲載されていて、大満足の一冊です。
    とにかくすごい。無法地帯っぷりがすごい。あの狭いスペースにごちゃごちゃ物が溢れているのを見てると妙にときめきます。
    廃墟の写真も好きなのですが、これはまた違った魅力。
    外で犯罪を犯しても九龍城に逃げ込んだら警察も立ち入れないとかどんだけ…食品加工業社もたくさん入ってたみたいだけど衛生面とかは大丈夫だったんだろうか。
    まるで映画の世界みたい。90年代初頭まで本当に存在していたんですね。
    取り壊されてしまったのは残念。実物を見てみたかったなぁ。(実際見たら怖くて入れないだろうけど…)

  • 魔窟とも言われた香港の九龍城の住人へのインタビューや、在りし日の写真集。香港の本土返還に伴い取り壊されてしまっているけど、その怪しさに妙に惹かれるのです。

    続きはこちら↓
    https://flying-bookjunkie.blogspot.jp/2018/05/blog-post.html

  • 外観と同等の狂気じみた住人がいるものと思いきや、インタビューを受けているのは至って普通の、常識の範囲内のひとばかり。初中期にはそんな雰囲気もあったらしいが、インタビューが取り壊しの近い時期なのでそんな話は少ない。…やっぱり、この世ならざる場所にはこの世ならざる人がいてほしい。そんなエピソードが読みたかった。でもま、そういうもんよね。

  • 何故ひとは九龍城にこうも惹かれるのか。
    世には廃墟マニアという人種が存在する。私にもまたその傾向がある。
    恩田陸は著作の中でこう語る、廃墟とは人がいたところ、過去の残骸、かつてたしかにあった営みの記憶の焼きついた場所であると。
    歳月が経ちその営みの記憶が風化してもなお形骸化した器は―「建物」は残る。
    九龍とはかつて混沌の代名詞であった。世界最大のスラムであり、犯罪の温床と忌避される危険地帯であった。しかし私たちはどれだけ正確に九龍の本当の姿を知っているのか、一人歩きする風聞に惑わされ果たして往時の九龍の姿を把握してると言えるのか。
    本書は九龍内部を撮った多数の写真とともにそこに住む人々へのインタビューで構成されている。
    一口に九龍城といえど中は広く多数の区域や通りに分かれている。
    本書ではその様々な区域に居住する様々な職種のもの、飴職人、歯医者、宣教師など幅広く取り上げて、それぞれの波乱万丈の半生を九龍城の歴史に絡め振り返る形での取材を試みている。
    九龍城は要塞である。そして有機的に胎動する一つの都市である。
    犯罪が多発する危険地帯として外の住人に恐れられた九龍城も、中に住まう者からすればそれが日常であり、けっして危険で不潔なばかりの魔窟ではないのだ。九龍城で生まれ九龍城で育ったものにとってこそは九龍城こそがかけがえのない故郷であり、彼らは自分が生まれ育った土地に愛着を抱いている。
    九龍城は闇を抱えている。上下水道の整備も整っておらず、家庭で出たゴミは中庭に張った網の上に投げ捨てられ何層も積み上げられる仕組みだ。しかし、託児所がある。保育園がある。教会がある。老人ホームがある。人が人らしく生活する為に必要な最低限の施設はちゃんと備えているのだ。汚水滴る壁や床で絡み合いのたくる配線、迷宮の如く複雑怪奇に入り組んだ路地、猥雑に立て込んだ建物と狭隘な通路。異形の建物である。九龍城とはいくつもの高層建築の複合体である。
    すなわち、九龍城は生きているのだ。

  • 九龍城のすべてが詰まった一冊。

    あと数十年早く生まれていれば。。。

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