失踪日記

  • イースト・プレス (2005年3月3日発売)
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本 ・マンガ (200ページ) / ISBN・EAN: 9784872575330

作品紹介・あらすじ

これはもう総てのアズマニア、だけでなく 総ての現代人にとっての福音の書だと思いました。 面白くて面白くて、泣く暇も震える暇もありません。 [足の丸い四頭身で描かれた現代の新約聖書]て事でどうでしょうか。 受難の煉獄とも言える全編を覆う、強烈な生命力が 軽妙ですら有ります。 ──菊地成孔(ミュージシャン)

感想・レビュー・書評

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  • 吾妻ひでおは、古い漫画家であるが、けっこう売れっ子で、また作風が独特だったので、コアなファンが多かった。しかし、メンタルの不調に陥り失踪し、また、アルコール依存症となり治療のために入院することとなる。本書は、そういった体験をありのまま綴った漫画である。2005年の発行なのでかなり古い本であるが、発行当時に話題になったことは覚えている。
    失踪しホームレス生活を続けていたり、精神病院のアル中病棟に入院していたりした体験談なのであるが、深刻さを表に出さず、どちらかと言えばコミカルに、淡々と体験を描いている。淡々と描いてはいるが、本来的には、とても悲惨な状態であり、また、ご家族にとっては地獄のような体験だったのではないかと思う。
    私自身はメンタルの不調に陥った経験が(幸い)ないし、お酒も強くなく、あまり飲まないので、描かれていることは、なかなか実感・共感を持って読むことは出来ないが、その体験は、異様な迫力を備えていると感じた。悲惨ではあるが、話としては面白い漫画だ。
    本書には続編がある。そちらも読んでみるつもり。

  •  ビブリオバトルに出場したときのチャンプ本。アル中、家出、自殺未遂などヘビーな中身なのだが、それすギャグになってる。丸い線がまたそれを引き立たせる。面白いと言っては不謹慎か。
     本当に惜しいマンガ家を亡くしてしまった。

  • こんな破天荒な漫画家はもう二度と出てこないと思う。美少女漫画の草分け的存在でもあった。

    ご冥福をお祈り致します。

  • 急いで本棚の奥から引っ張り出したのは、もちろん追悼のため。2005年3月8日第1刷発行、2005年7月1日第8刷発行。定価(本体1140円+税)。

  • 精神科の研修での推薦本。
    これを勧めるドクター最高!!
    図書館で、借りて。

    漫画家の自叙伝って大概辛そう。
    生み出す苦しみってのは本当に辛いんだろうなぁ。(実感はできないけど)
    ホームレス、ドカタ仕事してる方がいいくらい辛くなるんだろうなぁ。

    2巻に続くアルコール依存症の幻覚描写は凄かった。
    最近は映画でも幻覚描写が出てくる作品が増えてきて、本の本の少しだけど当事者の気持ちに近づけてるのかな。
    吐くのに飲む、胃が受け付けてないのに飲むっていうのは依存症ということをとてもよく理解できた。

    吾妻氏の家族はすごい。
    こんな居なくなっちゃう親父を病院に入院させられてすごい。
    あんま描かれてないから描かれている範囲だけで捉えると、奥さんの精神力偉大と思ってしまう。

  • ギャグマンガ家が、作品の暗黒に接し、とりあへず失踪する。でもあくまで「取材」で、野生のキャベツ食ったり、「取材」中のひとの者かっぱらったり、非合法な罠のアレで食ひつないだり、ビックリマンチョコ食べたり、するが、マンガのネタになってしまふ。
    警察官のファンとの会話がアレ。
    高千穂遥先生がどっかでやってた「あじましでおまんが」がここにも収録されてた。結構面白い。
    ホームレスの方が市井のまともな兄ちゃんよりリテラシーが高いと言ふアレが、お約束じみてるけどあじま先生もやるのね。

  • アルコール依存症当事者のお話。
    涙あり笑いあり、家族の支えありで、いろいろ考えさせられました。

  • 実話である。すさまじいなと思いつつ、東京では、乞食のような状態でも、意外に生きていけるものだと思った。贅沢を言わなければ、お金がなくとも生きられるようだ。
    著者のマンガ、最盛期に読んだことあり。

    捜索願が出ていた、そんな中で、工事現場にしろ働けるものなのか?

  • すごいとしか。本人も家族も大変だったろうにあまり感じさせないのもすごいな

  • キンコンの梶原がしくじり先生で失踪の真実を告白していたのがきっかけで購入。
    前から読みたいと思っていたけど、後押しがなかった。

    面白かったのは、失踪してからの方が太ったというところ。

    キンコンの梶原が一生付き合っていかないといけない病と言っていたように、吾妻先生も失踪を繰り返す。依存症やうつ病は一生、うまく付き合わないといけないのだ。
    あとがきのインタビューにもあるように「みなさんに喜んでいただけるように」っていうサービス精神に二人の共通点を感じた。

    それにしても、失踪するっていうのは「自殺」とも違うし、「生きたい!!」という渇望からくる行為のように思える。
    それって依存行為とほぼ同じだし、現に吾妻先生はアル中だ。
    依存症っていうのも、また不思議だけど、「生きたい!!」っていう心の叫びなんだよね。だから、家族や周りの人は分断しちゃいけないし、手を放しちゃいけないんだ。

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著者プロフィール

漫画家。1950年、北海道生まれ。1970年代に『ふたりと5人』『やけくそ天使』などで人気作家に。その後、不条理漫画や自費出版の同人誌「シベール」でおたくの教祖的存在になるも、80年代末から失踪やアルコール依存症を繰り返す。その体験記『失踪日記』で、日本漫画家協会大賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞、日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門を受賞、話題に。

「2015年 『文庫 逃亡日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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