こころ (まんがで読破)

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872578119

作品紹介・あらすじ

人間を信用せず、豊富な知識を持ちながら仕事にも就かず、美しい妻と隠居生活を送る「先生」には、人には言えない暗い過去があった。ある日、「先生」の不思議な魅力に惹かれていた「私」のもとに突然、一通の遺書が届く。遺書が物語る「先生」の壮絶な過去とは?日本文学史に輝く文豪・夏目漱石が人間のエゴイズムに迫った名作を漫画化。

感想・レビュー・書評

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  • ブックカフェで出会った本。
    初めて読んだ夏目漱石さん。
    こんな物語なんだ。
    読みやすかった。
    昔の言葉や言い回しがないので理解しやすかった。

  • 文学能力ゼロを自覚しているわたしでも、文豪の書いた内容は少しばかり気になっていた。

    高校時代に触れてから今までに読んだ記憶がなく、もちろん内容なんかわかっていない。

    シェアハウスの棚を見てみたら、マンガで読破と称して文豪の作品が漫画化されていたので読んでみることにした。

    30分くらいでパッと読めるのがいい。ドラゴン桜で扱ってた歴史といい、漫画は初心者に効率がいい。

    この『こころ』、まさかこんな話だったとは。主には主人公が人生を教えてほしいと酔倒した先生の生い立ちがメインの作品とも言える。

    秀逸なのはやはりタイトルかもしれない。タイトルの通り、さまざまな登場人物の心に強く影響していた。わたしなら『告白』か『懺悔』と名付けてたと思う。

    この漫画版、学校でも読ませるべきでは?おそらく、概要を知ってからなら読もうとする学生も増えるんじゃなかろうか。

  • 「こころ」の内容を短時間でサクッと知るために読むなら、漫画なので分かりやすいと思います。

    僕は原作→映画→漫画という流れで読みました。
    個人的な意見として、先生の心の闇を表向きに出しすぎている感じがして、僕自身のイメージと合わなかったです。
    僕のイメージは、表向きには普通に振る舞っているけど、どこか心に影があり心の奥底に深い闇を感じる、ぐらいのイメージでした。
    各登場人物の性格も、全体的に現代に寄せている感じがあり、昔の奥ゆかしい日本人像を感じなかったので、明治末期の世界観が表現できてない印象でした。
    映画「こころ」の方が、個人的にイメージが近かったので、2時間ほど時間がとれるなら映画をオススメします。

    あと、原作にはない場面があったり、細かいところが変更されていいるころがありますので、原作を元にアレンジした別作品と思っています。

  • かなり端折られてますのでこれを読んで「読破」とは言えないと思います( ´-` )

    『みんながだいたい覚えてる部分を漫画にしたよー』と言った印象です。個人的には、各人物の描写(とくに先生かな)がかなり偏ったものになってるなぁ、と感じました。

  • 【原作】既読

    まさかこんなに続くと思っていなかった「まんがで読破」シリーズの記念すべき第1弾、3冊同時刊行の一角を担うは『こころ』。

    『こころ』と云えば高校現代文の定番ですが、教科書に掲載されているのは「下 先生と遺書」の更に一部(奥さんとお嬢さんが新年の親戚回りで家を空ける~Kの自害くらいまで)。
    そこだけ読んでも何の事だか解らないから、「上 先生と私」「中 両親と私」そして「下」の掲載部分に至るまでのあらすじが併せて載っていたりして。

    『こころ』の漫画化というよりも、あの申し訳程度のあらすじをグッと解りやすく漫画にした感じでしょうか。

    普通にアルファベットで「K」と彫られた墓石・位牌はちょっとした事件。
    上野公園でKを追い込む「私」のドス黒さや、真夜中に「私」に声をかけるKの不気味さも、絵にしてしまうと薄味になるというか。

    ストーリーそのものは解りやすくなる、でも見たくないものまで見せられてしまう。
    そんなコミカライズの長所短所を併せ持った、心憎いシリーズです。

  • 一瞬で読めますので、あらすじだけ知りたい場合は良いと思います。あらためて原作も読んでみます。

  • 人は裏切る。

  • 原著を読んでいない人間として感想を書かせてもらいます。

    まず、「私」と「先生」の関係性。
    ミステリアスな人物「先生」に惹かれるプライドの高い青年。それが「私」として描かれています。

    そんな「私」にボクは非常に共感するところもありました。
    自身の尊敬するような人物に出会った時というのは、その生き方、価値観を知りたいと思うのはごく自然な事ではないでしょうか。好奇心のおもむくままに、先生の過去に迫るその姿に、ボク自身も若い頃の自分を思い出したりしました。

    本書を読んでからすぐにここに書いているので、まだまったく答えを出せていませんが、自然といろいろな疑問が湧く作品だと思いました。

    疑問点を以下に挙げてみます。

    ・学歴エリートの青年である「私」は、なぜこうも「先生」に惹かれたのか?
    →同質性から?自分の生き方の見本として?

    ・「恋は罪悪です」の真意は?
    →後悔しているのは、自身の恋のやり方であって恋心本体ではない気がします。その証拠に、「私」が街でいちゃつくカップルを嘲笑ったとき、「先生」は声を荒げて「私」を責めています。

    ・なぜ、漱石さんは『こころ』というタイトルにしたのでしょうか?
    →『後悔』とか『恋』ではなく、心というもっと大きなものを表現したい意図があったのでしょうか?

    ・「恋愛絡みの自殺」というテーマを、なぜその時代(明治時代)に表現したのか?
    →結婚感の変化が起きた時期?男女の結婚感がお見合いから恋愛へ移行することへの期待と不安を表現したかったから?結婚した相手を好きになる時代から好きになった相手と結婚する時代への変遷?

    などなど考えれば考えるほどいろんな思いが湧き起こる作品なんだと感じました。

  • 後味が悪いです。偉大な方が書いた、有名な作品ではあるんですが、非常に後味が悪いです。なんか、夜がねれなくなりそうです。

  • 友情か性欲か
    どっちみち苦痛を避けた方がいい

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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