- Amazon.co.jp ・マンガ (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872578126
感想・レビュー・書評
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【1回目】数点まとめて買ったものの、長らく積んでおいたもの。もしかすると、読んでいたかもしれないが、記録がない。主人公は、部落出身の小学校教員。子どもたちにも慕われる、理想に燃えた青年である。身分を隠し通すことを強く希望していた父が死去すると、自問自答が激しくなる。やがて、彼を心良く思わない教員がその来歴を知ることとなり、父兄たちにも波紋が広がる。未だ克服できていないこの問題を考える際に、必ず参照したい古典的作品で、マンガ化は大成功だったと思う。
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風邪っぴき読書シリーズ
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人情味が溢れていて読み応えがあった。
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『破戒』という聴き慣れない言葉に興味が湧いて読んでみたくなった。
イラストの質としてはクセが強めなので、中には受け付けないという人もいるだろうと思う。そんな理由で今回の『破戒』は万人向けにはおすすめしない。
しかし、このイラストだからこそ表現できている部分があると感じてもいる。
なぜなら、原著の古典文学作品はその多くが、非常にリアリティを持って描かれている気がするからだ。
だから、人間のおぞましさや浅はかさ、汚らしさなどをうまく表現してこそ再現性が高いといえる。
その点でこのイラストは最適だと思う。
人間の怖さ、弱さ、儚さ、汚らしさが見事に描かれていて感情を揺さぶってくる。
『破戒』については自分なりに答えを出せた。これは武道でよく使われる『守破離』をよく表現したものだと解釈した。
ただ言われた戒律を守ることを破り、そして離れていく。その先に、覚悟という言葉の裏に隠れた自由がある。
ボクらは、大人になって何年と経つが、本当に大人だと言えるだろうか?
未だ『守破離』の『守』にいるだけの、大人のフリした大人が現代の日本にも少なくない気がした。 -
身分差別があった話。
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顔が濃すぎて色んなことが吹っ飛んでいく。
ギャグが織り込んであるから、重さを感じず読めるとも言えるし、ギャグのせいで、この作品のメッセージが薄まってしまってるとも言えるかもしれない。
ちょっとやりすぎじゃない?と感じたのは確か。 -
明治期の被差別部落に生まれた男性が主人公。
父親から誰にも正体を明かすなと言い残されて思い悩む。
葛藤が丁寧に描かれていており、現代ではこうした被差別部落のことはわかりにくいので漫画化に意義がある。
Kindle Unlimitedに入っていたので予備知識もなく読んだが、展開がうまく絵も見やすくて引き込まれた。
原作の小説の方もいずれ読みたい。