情報力―情報戦を勝ち抜く“知の技法”

  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872578300

感想・レビュー・書評

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  • 外務省元主任分析官である佐藤優氏と毎日新聞社の鈴木琢磨氏による対談。同書では、文書を利用して北朝鮮の情勢を読み解く「文書諜報」について話し合われている。

    仕事で新聞を毎日6紙ほど読むのだが、毎日、東京は非常に北朝鮮に詳しく、それは鈴木氏をはじめ北朝鮮に強い関心を持つ記者個人の努力に寄るものだろう、ということを強く感じる。
    一方、様々な週刊誌で「情報分析」を行っている佐藤氏は、多少怪しげ(失礼)ではあるものの、興味深い記事も多くある。

    同書では、鈴木氏の専門である北朝鮮と佐藤氏の専門分野であるロシア・中東への分析方法を巡り、専門となる地域の言語を高度に習得する必要性や分析方法などについて語られている。最後の章ではインテリジェンスとは関係のない、ビジネスマンにも必要とされる「整理力」「勉強力」についても話されている。

    読み物としてはなかなか面白いが、互いに対する過度な称賛や自慢が繰り返されるために途中から多少胸焼けを感じざるを得ないのが欠点か。

  • 国際関連の情報書が読みたくなっていろいろ見ているが、佐藤優の書籍は普段見聞きしていることの裏をどう読むかを見せてくれる。本書も報道写真の見方や記事の読み方など、思いもしないようなことが満載。北朝鮮ウオッチャーの鈴木氏も同じように情報を読んでおり、分析者の情報力の高さに恐れ入った。

  •  佐藤優の著書のうち、ロシアものとインテリジェンスものはおもしろいと思っているが、本書は後者で予想に違わずよかった。
     共著者の鈴木琢磨は、毎日新聞記者だが北朝鮮ウォッチャーの第一人者であり、その分析は各国のインテリジェンス専門家も一目おくそうだ。その分析手法は新聞など公開情報の分析で、文書諜報(またはOSINT)だと指摘する。過去の経緯、真意を解する語学力、情報の収集など、的確な分析は多年の洞察と経験の賜物と知れる。
     著者ふたりの会話を通して、それらを浮き彫りにする。またこのような仕事につきものの膨大な情報の整理法などにも触れる。本書の発行は2008年とちょっと古いが、中身は古くない。北朝鮮に動きがあれば、鈴木氏の分析をまっさきに読むと決めた。

  • 「ウソのような本当」 と「本当のようなウソ」北朝鮮という国家を軸として佐藤優・鈴木琢磨両氏がインテリジェンスの観点から語りつくした1冊です。大事なことの大半は公開情報にある。この真実を再確認しました。

    『外務省のラスプーチン』佐藤優氏と毎日新聞記者で北朝鮮の事情にかけては右に出るものがいないとされる鈴木琢磨氏による対談本です。『近くて遠い国』とされる北朝鮮。彼らのことをウォッチングしてきた鈴木氏と、ロシア人相手に丁々発止の外交工作を行ってきた佐藤氏の間に通じる『阿吽の呼吸』といいますか、情報にかかわる人間のスリリングさと、共に博覧強記であるので、思いもよらないところから繰り出される変化球に驚きながら、最後まで面白く読むことができました。

    『本当に大事なことの大半は、公開情報を精査することによって浮かび上がってくる』
    オシント(オープンソース・インテリジェンスの略)または『文書諜報』とここでは言ったりしますが、鈴木氏の北朝鮮に関するオシントの熱心さは本当に『第一人者』と呼ばれるものにふさわしく、もともと学生時代から朝鮮語を習得し語学に堪能なだけではなく、朝鮮大学校の図書館にあまりにも熱心に『情報収集』に励んで出入り禁止になったり、日本にある北朝鮮関係の文献を扱う専門の書店に足繁く通っていたりと、『本当の情報を取る』ということは並大抵のことではなく、しかも相手があの北朝鮮ともなると、ここまでのことをしてこそ、彼らの内懐に飛び込むことができるのだと、そんなことを思っておりました。

    ここでは出版された年月上、金正日体制のことが主な話になっておりますが、ここで鈴木氏が後継者の問題に触れ、現在の視点からするとその分析が正鵠を期していたことにはつくづく驚きを隠せませんでした。佐藤氏もまた、独自のインテリジェンスからの観点で北朝鮮のことを見つめ、「北朝鮮は『死者』によって動かされている国家だ」という持論を展開したりと、最後まで飽きさせないつくりになっておりました。今後も北朝鮮に関しては注意深く見守っていきたいと思いますが、鈴木氏がここで勧めてある本や、ウェブサイトなどもチェックしつつ、「情報の自家中毒」にならない程度に加減を見据えてやっていければなと思っております。

  • ちょっと難しかった。

  • 佐藤氏の著書はこっちが無知なので毎度難しいのだが。これは対談なのでさらさら。電子媒体は他人に見られるから使わないって、佐藤氏が言うと怖すぎ。私のメモなんて見られても痛くも痒くもないし。自前のHDが壊れることを考えたら、外部に置いておいても変わらない。。

  • 2009年5冊目の読了です。言論界の寵児佐藤”ラスプーチン”優氏と北朝鮮ウオッチャー(毎日新聞)鈴木琢磨氏の対談本です。朝鮮半島関連書籍ベスト10と勉強の仕方だけでも、一読の価値ありです。

  • 元外務省の情報スペシャリストと北朝鮮専門家の新聞局員の対談集。おもしろいんは、北朝鮮の情報戦略の本質が日本にあって、それがどうして現在こうなっているかについて対談されている。私の気づきとしては、英語を学ぼうとする日本人は多いと思うが、語学を学ぶことの本質が語られている。情報力というものは、すごくおくが深いが、ある国を知るにはどうするか、という基本的なことが納得いくように書かれている一冊だと思う。

  • 佐藤優さんの本は現実味があって面白い

  • 褒めあい。

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著者プロフィール

作家・元外務省主任分析官。1960年東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官として、対露外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、512日間勾留される。09年、最高裁で上告棄却、有罪が確定し外務省を失職。05年発表の『国家の罠』で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌06年には『自壊する帝国』で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

「2018年 『宗教と生命 シリーズ:激動する世界と宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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