蟹工船 (まんがで読破)

著者 :
  • イースト・プレス
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872578362

感想・レビュー・書評

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  • 交渉はいかに相手が困るようにするかですかね。ハッピーエンドで終わってますが原作はどうなんでしょ。

  • まんがで読破を読み切ろうシリーズ。蟹工船は、ブームになった10年くらい前に中国駐在当時に読みました。
    そんな話だったなと思いながら一気読み。
    いまならブラック企業だ、働き方改革だっていう話でしょうが、大正だとそんな声も上げられず、搾取されていたものはロシア船に助けられたことから共産主義に出会い、資本と権力と立ち向かう。
    今思うと、蟹工船ブームが来たあたりが、働き方改革の走りだったのかもしれませんね。全く気付いていませんでしたが。

  • 軍閥支配の進む昭和初期。北洋オホーツクで蟹を獲り缶詰に加工する工場船「博光丸」では、貧しい労働者たちが働いている。不衛生な環境、長時間労働を強制する監督浅川。
    過酷な環境に耐えきれず、やがて労働者たちは一致団結し、ストライキを起こすが…。「資本と労働」の普遍的テーマを描いたプロレタリア文学の代表作を漫画化。


    カニを獲るために地方の労働者が半分だまされた形で集められ、
    劣悪な条件の中、死人の出るほど過酷な労働を強いられる。
    耐え切れなくなった労働者は、団結し立ち上がらなければならないことを自ら知る。
    一度は失敗し、全てのリーダーが捕らえられるが、
    その後すぐに全労働者が立ち上がり、抵抗活動を成功させる。

    労働者(プロレタリア)がいなければ、資本家は何もできない、
    という当たり前のことだが、労働者全員が真に自覚するのは難しいことだ。

    本作はかなりの部分が「過酷な労働」の描写にページが割かれているが、
    重要なのは、最後の最後「リーダーがいなくなっても立ち上がる人々」というところだと思う。

    一部のリーダーに頼りきっていることと、資本家の下の労働者でいることは、
    判断を他人にゆだねるという点においては同じことだ。

    リーダーを失った時、それでも進むべき道を進めるか。

    そんなメッセージが、本書を単なるドキュメンタリーで終わらせない、
    時代の刹那に普遍性を見出す、名作たる所以であるように思う。

  • プロレタリア文学といっても、中身的には勧善懲悪の時代劇的なシナリオにしか見えない。世の中そんなにうまくいかないのも分かっていて読まれてたのかな?

  • 時代が変わる時、そこには犠牲者がいて、その犠牲者が次代の仕組みを作ってくれたのだと痛感した作品。蟹工船で言えば、労働組合が、その仕組み。

  •  思っていた内容と、だいぶ違っていました。あんなに、大きな船に乗っていたのですね。遠洋マグロ船団の母船のようでした。私は、船長、機関長、漁労長、他5、6人程度の船の話だと想像してました。
     ストライキが成功して、ハッピーエンディングな結末、と考えてよいのでしょうか?

  • 蟹を捕獲し、船内に加工する工場も併せ持つ大型船に乗り込む労働者の過酷な現場と、それを指揮・経営する上にいる立場の人間との労働環境や条件を巡ってストライキに至るまでの話で、シンプルで分かりやすい物語だと分かったし、プロレタリア文学の代表作でもあることも知れた。名前しか知らないこのプロレタリア文学自体についてや、蟹工船では共産主義の素晴らしさを描いていて、共産主義の善し悪しについても興味を持てた。労働者と上との問題は時代は問わないし、働いて生きていく上で考えていかなきゃならないと思う。集団の力は侮れない。

  • 確かにこの系統の漫画がはやるきっかけになったのがわかるほど面白かった。

  • よく耳にしてきた蟹工船がどういうものか理解できた。

    「赤化」とか「共産主義」についてちょっと触れてる。

    当時の時代背景をよく知れる一冊だと思う。
    もちろん原作のほうがより詳細だろう。

  • 恥ずかしながら内容をよく知らなかったから、とりあえず漫画で読んでみた。
    通常の話をかなり省略しているとは思うけど、だいたいの話のあらすじはわかった。

    ・・・でも、私にはやっぱり原作は読めない気がします。ハイ。

    漫画で読めるのはとってもいいと思う。こういうのを他にも読んでみたいな。

著者プロフィール

1903年秋田県生まれ。小樽高商を卒業後、拓銀に勤務。志賀直哉に傾倒してリアリズムの手法を学び、28年『一九二八年三月一五日』を、29年『蟹工船』を発表してプロレタリア文学の旗手として注目される。1933年2月20日、特高警察に逮捕され、築地警察署内で拷問により獄中死。

「2008年 『蟹工船・党生活者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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