ピアノはいつピアノになったか? (阪大リーブル001)【CD付】

  • 大阪大学出版会
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872592344

作品紹介・あらすじ

約300年前に誕生したピアノはハイドン、ベートーヴェン、ショパン、リストなどの作品や演奏法にも影響を及ぼしながら変化をとげてきた。現代の黒くて重厚なピアノに至るまでの歴史を知ることによって、ピアノが本来もっていたはずの多彩な可能性が聴きとれるようになる。ピアノ愛好家、音楽史研究者、ピアニスト、必読の書。

感想・レビュー・書評

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  •  「ピアノ」とはなにか。この本は、「現在のピアノ」の辿ってきた歴史を遡りながら、そのなかにショパンやモーツァルトといったピアノ作曲家を位置づけている面白い本だと思います。

     一般的に、ピアノとは「強弱の音を出せるチェンバロ」であり、18世紀にクリストフォリというイタリア人が開発したといわれます。しかし、それが現在のピアノに至るまでには長い道のりがあります。さまざまな場所でさまざまな「ピアノ」が開発されてきたことがよくわかります。

     ぼくが面白いと思ったのはベートーヴェンの項目です。恥ずかしいことに、ぼくもベートーヴェンの音楽は重厚壮大でガンガン鳴らしているものだと思っていました。抒情的な曲もあるにせよ、基本的にはお堅い音楽だと。
     しかし実は、ベートーヴェンが求めていたのは「その当時のピアノがもつ」フォルテ~ピアノの音色であり、それによって微細な色彩の違いを表現しようとしていた。さらに、ベートーヴェンが生きたのは「その時代のピアノ」自体が発展のさなかにある時代。楽曲や楽譜の指示も当然変化してきます。

     つまり、その時々のピアノが持っていた特質を最大限に活用した音楽の描写をしたという意味で、ぼくのなかにあった重厚壮大なベートーヴェン像が一変しました。

     こうして音楽の歴史を知ると、楽譜や原典を絶対的に信仰する人たちに対して、当時の音楽はより自由だったのではないかと思えてきます。本書もまた、クラシックピアノ音楽における当時の活き活きとした姿を伝える一冊です。

  • 現在のピアノがピアノになるまでの経緯が、複数の論者により、ひとつの物語として編まれている。CD付きというのが何より良い。
    いろいろと目からウロコだったけれど、何より、ベートーヴェンの時代にはまだピアノは主流ではなく、彼はヴァイオリンなどの弦楽器を想定してピアノ曲の楽譜を書いていたということが驚きだった。また、ピアノのペダルが音量の調節目的ではなく、音色を変えるために効果的に使われているということも。

  • [ 内容 ]
    約300年前に誕生したピアノはハイドン、ベートーヴェン、ショパン、リストなどの作品や演奏法にも影響を及ぼしながら変化をとげてきた。
    現代の黒くて重厚なピアノに至るまでの歴史を知ることによって、ピアノが本来もっていたはずの多彩な可能性が聴きとれるようになる。
    ピアノ愛好家、音楽史研究者、ピアニスト、必読の書。

    [ 目次 ]
    第1講 ピアノの誕生
    第2講 ハイドンの奇想
    第3講 ベートーヴェンのもう一つの顔
    第4講 シューベルトの悩み
    第5講 鍵盤の上のベルカント―ショパンとオペラ
    第6講 ヴィルトゥオーソ狂詩曲!―社交界とオペラとサロンの一九世紀
    第7講 一九二〇年代/ピアノの諸相
    第8講 自動演奏ピアノ(ピアノ・ロボット)を巡って
    付録

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784872592344

  • 個々に気になることはあるけれど、試みとしてすごく面白いことがたくさん。

  • 毎日新聞 2007年5月6日

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