フランス児童文学のファンタジー (阪大リーブル40) (阪大リーブル 40)
- 大阪大学出版会 (2012年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872593228
作品紹介・あらすじ
大人も魅了するふしぎの世界。赤ずきん、眠れる森の美女などの「昔話」や「伝説」「妖精物語」から「現代のファンタジー」まで、フランスのさまざまな物語がつむぐふしぎと驚き。現実の中にひそむもう一つの世界(ファンタジー)に心を遊ばせてみよう。
感想・レビュー・書評
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ファンタジーは現実逃避や空想的冒険をするための手段ではなく、新しい観念を形成する、または、既存の観念を新しい関連形態に置く人間の能力である。この能力を発達させることによって、私達は未だ見えない将来起こる物事を眼前に思い浮かべることができるのである。
~ミヒャエル・エンデ
これを読めば「ファンタジー」は万国共通であることが判る。
そしてそれは親から子へ語り継がれてナンボの世界だとも。
故に…
お母さんがDVDの再生ボタンを押す~その後は家事やママ友との携帯メールをする~ことによって始まる「ファンタジー」にはある重要な要素が欠けていることを多くの人は気付いていない。
そして、そのようなかたちでアンパンマンやジブリの動画だけで育った青年の行く末が私はものすごく怖い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まだまだ知らない童話があったんだなー、と。
当たり前のように覚えていた話、例えば「赤ずきんちゃん」や「眠れる森の美女」なんかは、ほんとはもっとエグくてとても児童文学とは言えないものだったんだよね。
そんなことをどこかで聞いたことがあった中で、今回原作の解説を読んであらためて知った。
要は、子供に向けた“忠告”や大人にも語りかける“教訓”を記したものなのね。
フランスに限らず日本を含め周りの国のそれとも比較しながら探って行くこの一冊。
それぞれの繋がりを楽しんでみるのもおもしろいかもしれないな。