市民のための世界史

制作 : 大阪大学歴史教育研究会  伊藤 一馬  猪原 達生  岡田 雅志  後藤 敦史  小林 克則  高木 純一  中村 薫  中村 翼  向 正樹  森本 慶太 
  • 大阪大学出版会
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本棚登録 : 140
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872594690

作品紹介・あらすじ

世界史全体を鳥瞰した構図の提示、先端研究と新領域の多彩な記述、固有名詞や年代の羅列を排除、中学・高校の歴史学習との連携、市民が読める教養としての歴史。新しい世界史がはじまる。

感想・レビュー・書評

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  • 「像を結ぶ」「因果関係や背景がわかる」って良いね。

    大阪大学出版会のPR
    http://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-469-0.html

  • 残念ながら図書館の返却期日が来たため、読むのを断念。

    しかしながら、ただ返すのももったいないので、目次から「序章 なぜ世界史を学ぶのか」と「終章 どのように世界史を学ぶか」のみは目を通し、必要なメモだけ記したい。

    序章(なぜ世界史を学ぶのか)から
    ”歴史は動かない過去の事実を暗記するだけの、「役に立たたない」科目か-歴史を学ぶ6つの意義と効用(以下要約)

    ①現在は過去の歴史の積み重ねの上にあるので、歴史を知らなければ、現在の日本社会が理解できないし、日本の将来も考えることができない。

    ②歴史は繰り返す。過去(成功や失敗)を学ぶことにより、物事を判断したり、自身の行動の選択が可能となる。

    ③歴史は、目先の事柄に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で評価・判断する力が必要。政治、経済、社会、文化、自然など幅広い領域にわたる視野が身につく。

    ④異なる時代、異なる国・地域の歴史を学ぶことは、「異文化理解」の訓練となる。

    ⑤同じ出来事にも異なる解釈や説明があり、事実を突き止めたり、妥当な解釈を選択する能力は、「情報リテラシー」の一種である。

    ⑥事実は小説より奇なり。良質な娯楽としての効用大。

    ***

    終章(どのように世界史を学ぶか)から

    ◆歴史研究の仕事(2つある)
    ①史料批判に基づいて歴史上の事実を確定する【実証】
    ②多数の事実の中から、一定の理論や歴史観に基づき、特定の事実を選び、それを論理的に組み合わせ、出来事の因果関係や意味・影響、社会の構造、時代の流れを論じる【歴史叙述】

    ※文字資料には次のような形態あり
     ・書物(文献)
     ・公文書、契約書、手紙など個別的に作成される文書
     ・金属や石に情報を刻んだ金石文

    ※印刷技術普及前は写本による歴史伝達
     →誤写や故意改編がないか慎重な調査が必要

    ※世界や多国間の歴史研究
     →史料の言語・種類が多い
     →翻訳資料の利用や、複数の研究者による分担あり

    ※事実の確定とは「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」したかを突き止めることだが、「なぜ」は人の心情にかかわるため、客観的解明が困難。

    ※自分がどの史料のどの箇所を用いたか(史料的根拠)を明記するだけでなく、どういう理由や考え方によってどの事実を選びどう組み合わせたかというプロセスやロジックも他人の検証が可能なように明示しておく義務あり。

  • *図書館の所蔵状況はこちらをコピペしてね
    http://opac2017.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/BB50110747

  • 世界史の全体視点を得ることができる本。
    近代について尻切れトンボにならず各国の繋がりが互いに影響を与えていることがよくわかる。
    コラムも充実していて復習に最適。

  • 日本の高度経済成長あたりとか、現代のパートは少し違和感があったが、全体的にはうまく取捨選択されて分かりやすい流れになっていると思う。山川の「もういちど読む」よりもいい気がする。

  • 私は高校で世界史の通史をやらなかったため(単位はちゃんと取りましたよ)、これがもしかしたら世界史の通史としては初体験かもしれない。
    そんな訳で学校教育の世界史がどの様なものかは知らないが、「高校のカリキュラムと違って暗記事項の羅列をしない」という方針の割に、結構その固有名詞必要か?といった用語が太字で出て来たりもする。
    尤も対象読者は高校で世界史をきちんとやってきた大学新入生なので、高校で世界史をやらず、社会に出て暫く経った人間に合わないのは当然なのかもしれないが。

    構成としては教科書のそれではなく一般的な書籍じみた書き方になっているので、教科書を離れた身としては読みやすかったのかもなとは思う。
    ただ、一方で本文中に資料やtipsの様な記述を挿入する書き方も多く、構成上の読みづらさも感じた。

    個人的には特に近代の世界史がありがたかった。
    人として当然知っていないとマズい知識なのに、うっすら全体を把握するのが案外難しいところを(大抵の書籍は何かのトピックに絞ってあり、全体を俯瞰するようなものではない)、よく考えたら初めて触れられた気がする。

    取り敢えず次は高校教科書でも読もうかなと画策。
    山川の詳説世界史Bがいいのかと思っていたが、どうやら調べてみるとこれは受験生向けとしての良さが大きい様な気がしていて、これの巻末で押されている帝国書院の新詳世界史Bというのに惹かれている。
    うん、これは本書とはあまり関係無いな。

  • 一国史的視点を廃し、ヨーロッパ・中国以外の地域の動向が世界史的に非常に重要であると考える近年の研究成果をふんだんに取り入れた、面白い世界史。「古い世界史」のイメージを壊そうと腐心しているさまが伝わってくる。さらに個人名をできるだけ廃し、「歴史は暗記」というイメージを払拭しようという意図がありありと感じられる。そこには、歴史は特定の偉大な個人の動きで決まるのではないという見方が裏打ちされているといえるだろう。果してこの方向性が、どこまで今後主流になるのか。興味深い。

  • 第5章から再開

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プロフィール

1955年生まれ。大阪大学文学研究科世界史講座教授。現在、大阪大学歴史教育研究会代表、高大連携歴史教育研究会運営委員長などの役職をもつ。
著書に、『わかる歴史・面白い歴史・役に立つ歴史-歴史学と歴史教育の再生を目ざして』(大阪大学出版会、2009年)、『市民のための世界史』(共編著、大阪大学出版会、2014年)、『「世界史」の世界史』(共編著、ミネルヴァ書房、2016年)などがある。

「2017年 『地域から考える世界史 日本と世界を結ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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