地域社会圏モデル ――国家と個人のあいだを構想せよ (建築のちから)

制作 : 大西 正紀+田中 元子/mosaki  長島 明夫 
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872751604

感想・レビュー・書評

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  • 地域社会圏という、一定の規模・範囲を仮定した時、1住居=1家族ではない住まい方をいかに創造しうるか。近年の山本理顕氏の研究のまとめとも言える考察を、若手の提案を受ける形でうかがう事ができる。
    また、その他ゲストとそれぞれの提案者との討論も見物
    ただ、各提案がソフト的な部分の提案が大部分を占め、住まいのディテール、住空間の話には繋がらない(繋がりにくい)のが残念。
    もっと、魅力的な住まい方が必要だと思う。

    もうしばらく、時間はかかると思うが、確実に日本社会での住まい方の主流は1住居=1家族の形式からは外れていくはずである。

    この研究成果が今後、実現してゆく過程も楽しみである。

  • 日本の都市、地域社会を構成する暗黙の原単位となっている「一住宅=一家族」というモデルを見直すことで、地域社会、都市インフラ、コミュニティのあり方を考え直す試み。

    1つのモデルとして、400人の住人からなる「地域社会圏」を仮想的に設定し、都心、郊外、地方と異なる条件においてそれに対するインフラ、建築、運営システムの構想を若手建築家が提案している。

    都心(新宿区西新宿5丁目、世田谷区砧8丁目):長谷川豪
    郊外(横浜市泉区 ゆめが丘駅周辺):藤村龍至
    地方(広島県三次市):中村拓志

    それぞれの提案に対して、建築家以外を含めた視点から批評した鼎談が興味深かった。

    おそらく建築や技術(長谷川氏が提案に盛り込んだプラズマによるゴミ処理等)だけで解けるテーマではない。ただ、制度論や経済論を緻密に積み上げるだけでも突破できるとは思えない。

    建築家から具体的、可視的で突き抜けた提案があることは、議論の枠を拡げる効果があると感じた。

  • 「3・11後の建築と社会デザイン」からの繋がりで一読。
    山本理顕さんの提唱している「地域社会圏」という住まい方に仮想単位として400人程度の住人を想定し、30代建築家3人(都心・長谷川豪、郊外・藤村龍至、農村・中村拓志)が建築の提案を行っている。

    地域社会圏と言っても、場所の特性によって問題は違ってくるコトを、提案ひとつひとつが物語っている。

    今後、「一住宅=一家族」ではない住まい方の思想が浸透したとして、そのハードがどのように整備されていくのか。またそれが可能になる方法はあるのか。期待と興味に絶えない。

    また本文中で藤村さんが考察しているユビキタス化の可不可による再編成という内容には実感が持て、今後不可にあたるであろう注文住宅をつくる自分の進み方を考えさせられた。

著者プロフィール

1945年生まれ。建築家。1973年、山本理顕設計工場設立。建築作品に、熊本県営保田窪第一団地、埼玉県立大学、横須賀美術館、天津図書館など。著書に『新編 住居論』『権力の空間/空間の権力』など。

「2016年 『いま、〈日本〉を考えるということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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