地域社会圏モデル ――国家と個人のあいだを構想せよ (建築のちから)

制作 : 大西 正紀+田中 元子/mosaki  長島 明夫 
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872751604

感想・レビュー・書評

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  • コミュニティの問題を建築でどう解決していくのかは個人的に大いに興味がある所であり、それを考える上でかなりヒントが得られたような気がする。地域社会圏主義も早く読みたい。

  • 【メモ】
    ・したがって、公共サービスの配置についてもより流動的にとらえる必要がある。コンビニなどでは、経営努力によって客を呼ぶ、という発想から、客の流れを分析し、客のいるところへ店を出す、というあり方に変わっているという。同様に、公共施設の計画においてもハコをつくって人を呼ぶソフトで努力するという形式から、ニーズのあるところへランダムに集まり、サービスを交換する、という流動的な形式へと移行する形態が考えられる。よく「ハードからソフトへ」といわれるが、むしろハードの交換可能性とソフトのパッケージ性の方が重要視されているというのが実情ではないだろうか。

    ・都市はもはや希望に満ちた場所ではない。工場は次々と海外へ出て行き、発展途上国の労働者と仕事の質や賃金を比較される日々。職場では個人主義が跋扈し、協働でものをつくり上げる喜びとは無縁の、実体のない数字ばかりを追う作業。いつリストラされるかもしれない会社に捧げる長時間労働。高い住居費と生活費のおかげで、すずめの涙のような小遣い。首になれば、食うものにさえ困るだろう。オフィスと住居は遠く、毎日の満員電車で体は疲労し続ける。休日は疲れて一日中ゴロゴロと過ごし、気がつけば友人とメールでしか繋がっていない。夫婦共働きで家を留守にすることが多いから、ただでさえ狭い部屋はもので溢れかえっている。これが現在の都市生活者に対する実感ではないだろうか。

    ・例えば、コンビニ+貸しホールみたいなものがあって、それが二四時間開いていて、安価な値段で借りられるようなものが地域のなかに、三、四ヶ所あれば、かなり公共的に機能する。わざわざ区役所がセミナーなどやらなくても、それを使って、人々が自発的にやるはずです。そういうスペースがいっぱいあると、地域は活性化すると思います。

  • (101223)

著者プロフィール

1945年生まれ。建築家。1973年、山本理顕設計工場設立。建築作品に、熊本県営保田窪第一団地、埼玉県立大学、横須賀美術館、天津図書館など。著書に『新編 住居論』『権力の空間/空間の権力』など。

「2016年 『いま、〈日本〉を考えるということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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