女王陛下のお気に入り

  • WAVE出版 (2001年12月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (168ページ) / ISBN・EAN: 9784872901160

感想・レビュー・書評

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  • 『女王陛下のお気に入り』(2001)とは 京都府出身でロンドン在住エッセイストである入江敦彦氏が、故エリザベス女王御用達の品々250点を案内した一冊です。解説文はもちろん、ヴィジュアル的にも楽しい書籍です♪
    (ランティモス監督による同題の映画は、少しも関連ありません)

     入江敦彦氏は、ご自身が実際に住んだ京都とロンドン近辺の文化慣習を題材に、実感のこもった読み物を数々執筆しているお方です。どちらかといえば、『いけずの構造』『京都人だけが知っている』のような京都本のほうが有名なのでしょうか?
     たまたまとしか言いようがないのだけれど、私は、氏のUK・ロンドンに関する著作を目にする機会が多いんだよな★ 自然で丁寧な生活観が滲む『英国のOFF: 上手な人生の休み方』、リアルな体験談『英国ロックダウン100日日記』など興味深い。本書もUK本のほうです☆

     英国王室ご用達の紋章がつく品は、高級品やブランド物とは限りません。本書に並ぶのは、一般のスーパーで取り扱っている食べ物や雑貨たちです。
     たとえば、ケロッグのコーンフレークとか、ネスカフェのインスタントコーヒーなどもご登場☆ イギリスと言えば紅茶の国と思いますが、ティーバックも使ってたりする★
     洗剤やトイレットペーパー等も「皇室の方々はこちらを使ってますよー♪」という物が分かって愉快。びっくりネタではなくて、ごく自然な感じです。
     もちろん老舗の高品質な品物を愛用している場合が多いわけで、本書では特にハイブランドより親近感のわくアイテムを扱う趣向にしたと思われますが。

     階級の違いが明確だから気取る必要がないのかもしれませんし、生活観を出すのを恐れぬどころか大事にするお国柄も感じます。
     今のところ、日本の皇室の方々がお使いになるものは、一般庶民とは一線を画すし、画し続けていてほしいと思う人が多そう。これもお国柄なのでしょう。

     気楽に眺めました♪

  • 2001年刊行なので、やや古い。この本は、英国皇室がワランティ(お墨付き)を与えた日常品を写真付きで紹介している。食べ物や日用品など、今でも普通に売っているものもあり、興味深かった。全体として、老舗というか、歴史が古いものがやはり選ばれるようだ。1700年頃創業の紅茶メーカーの紅茶や、英国人にとっての紅茶など、日常文化的なうんちくも大いに盛り込まれており、英国に興味がある人なら、楽しめるだろう。
    この本からいくつか食品や洗剤など試してみようと思った。

  • 王室の方々がレギュラーに、少なくとも5年以上使用したものがまず第一条件。その品々を王室メンバーに打診し、OKが出て初めて製造メーカーに「紋章いりますか?」と尋ねる。イギリスには王室御用達の製品にRoyal warrants(ロイヤル・ワラント)という紋章が与えられるらしい。16世紀初頭、ヘンリー8世の時代から続いているもので(すごいな)、世襲はされない。

    御用達というとかなりのハイブランドを予想するけれど、そういうものの他にも意外に庶民的な製品が多く載っている。私たちが食べる普通のお菓子や、どことなくゆるいエンブレムとか、洗剤とか、生活感が溢れていて面白い。ケロッグのコーンフレークとかも紋章持ちなのか。。(ハイブランドは敢えてこの本には殆ど載っていない)。

    本の半分くらいはイギリス文化のコラム。ピクニックの食事はその場で完成させる!幕の内なんて無粋、やるなら手巻きずし!ということ。

  • 数年前に買った本ですが、たまにひろげてみたくなります。
    雑貨好きな方なら何度読み返しても楽しめると思います。
    この本を眺めていると、イギリスでお買い物したくなります。

  • エリザベス女王の御用達の数々が楽しく読める。高級品というよりは日用雑貨の数々が並んでいてロイヤルファミリーの上品だけど普通な感じの好みが伺えるようだ。以前ロンドンに行った時を思い出した。

  •  ごく一般的な英国の家庭にあるものばかりなのが、良かった。親しみを持てる。有名な高級品やブランド品はない。著者の入江敦彦さんは、1961年生まれで、京都の出身。無類のモノ好き。多摩美術大学卒業。MICHIKO LONDONのコーディネーターを経て91年渡英。Esquireなど雑誌を中心に活動しているフリーライター。英国人女性と結婚し、新居も英国に購入したそうだ。この本は、そんな入江さん独自の目でセレクトした、英国王室御用達の日用品を紹介したエッセイ集。実際に英国に住んでいる人が書いているので、リアリティを感じた。モノ自体が御用達品ではなくても、王室の紋章をもらった御用達会社の商品であれば載っている。選択基準は、イギリスのどこでも普通に買えるもの。ほとんどはスーパーや、草履ばきで行けるような店に並んでいるもの。どのアイテムも肩の力の抜けた、それでいて英国王室御用達らしさ(?)があるもの。エリザベスという、ある典型的な英国女性が気に入ったものを紹介したいのだそうだ。2〜3ページのエッセイに1〜8点の商品写真。これを繰り返す構成で、約250点を紹介している。紅茶はもちろん、ネスカフェのインスタント・コーヒーもある。ビスケット、チョコ、ジャム、調味料、ジュース、酒、園芸用品、石鹸などのバス用品、洗剤、文房具などなど。トイレットペーパーまである。英国王室御用達品を紹介するエッセイを通して英国人の本当の姿が見える。そこが楽しい。興味をひかれた。日本はコメ文化の国、フランスは食文化の国、ドイツはじゃがいも、ベルギーはチョコレート、イタリアはパスタ文化の国。じゃあイギリスは? イギリスは麦文化の国というのが著者の答え。ビール、パン、ウィスキー、ビスケット、象徴的な「食」はみんな麦から作っているから。そんな話を読んでいると、英国の様子がとても生き生きと伝わってきて、ワクワクできた。林望さんのエッセイ『イギリスはおいしい』を思い出した。でも、入江さんの違った視点からのエッセイも面白かった。

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