どろぼうの神さま

制作 : Cornelia Funke  細井 直子 
  • WAVE出版
3.67
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本棚登録 : 1517
レビュー : 229
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872901177

感想・レビュー・書評

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  • ヴェネチアを舞台に、それぞれ理由があって親と離れた子供たちが身を寄せあって暮らしている。リーダー格が「どろぼうの神様」スキピオ。そこに新たに転がりこんだのが、プロスパーとボーの兄弟。ところがその叔父叔母がボーだけ連れ帰ろうとして 探偵を使って二人を探し 、というお話。長いなとは思ってしまいましたが、面白かったです。

    まず、身を寄せあってサバイブしている子供たちのキャラが立っていて、「はみだしっ子」とかジョジョ5部ともちょっと共通するような雰囲気が好きです。舞台がヴェネチアに閉じていて全体を通して街の描写があり、ヴェネチアの空気感が伝わるのもいいです。それでヴェネチアに行きたくなるかと思ったら、全体的にずっと暗く、寒く、落ち着かない不安な感じのストーリーが続くので、あまり行きたいとは思いませんでした。 もっと痛快なお話かと予想しましたが、ジョジョやはみだしっ子のストーリーの中でもだいぶ暗い部分という感じです。 でもストーリーは意外で、最後まで読めないところが良かったです。計画したようにはうまくはいかない。でもなんとかうまくいく。そして出会った人を巻き込み賑やかになっていく感じがいいです。

    うちの小学生たちもそういうところが気に入ったと言っていました。登場人物で誰が好きと聞くと、子供たちよりもイダとヴィクトールを挙げたのが少し意外でした。子供らしさを残しながら頼りになる。そういう大人でありたいですね。

    ちょっと文句を言うと、ヴィクトールの年齢や背格好がはっきりわかりませんでした。イダについても、あまり。決めつけたくなかったのかもしれないけれど、イメージしにくかったです。いつも、台詞の鍵括弧の後に発言者の名前がくるのが、誰が話しているのかわかりづらく、読み聞かせで声色を変えるのに苦労しました。

  • ファンタジックな名品。
    ヴェネツィアに住む探偵ヴィクトールは、甥を捜す依頼を受ける。
    プロスパーとボーの兄弟がヴェネツィアに来ているらしいというのだ。
    母亡き後、母の姉のエスターが5歳のボーだけを引き取ろうとしたため、二人で家出したらしい。
    金髪で丸い顔の無邪気なボーを守ろうとする真面目な兄のプロスパー。でもまだ12歳。
    人の良いヴィクトールは、この寒空の下にいるのかと胸を痛める。

    彼らはヴェネツィアにいた。
    困っているときに女の子ヴェスペに声をかけられて、仲間の住む所に連れて行って貰ったのだ。
    「どろぼうの神さま」を名乗る10代の男の子スキピオに援助されつつ、子供らだけでこっそり、暮らしていた。もう使われていない古い映画館の奥で。
    スキピオは黒い仮面に黒いロングコート、大きな黒いブーツ姿で、大人びて見せていたが、年齢は大して違わない。
    孤児と称していたスキピオは本当は貧しくはなかったが、大人との葛藤を抱えた少年だった。

    ある日、骨董屋バルバロッサから「どろぼうの神さま」を見込んでの依頼があり、夜中に伯爵と名乗る男に会う。
    狙いは、とある邸の中にある金色に塗られた羽。
    報酬は高額だった。
    追っ手を逃れる資金作りに、危険な依頼を引き受けるが…?
    邸の女主人イダの語った話は、ふしぎな回転木馬についていた羽だという…

    ヴィクトールはサンマルコ広場でプロスパーを見かけるが…
    大人から逃げてきた子供達。
    早く大人になりたい子供、子供に戻りたい大人との出会いは…
    テンポ良く展開し、飽きさせずにスリリング。
    現実の苦みと共に、心温まる要素もしっかり。

    1958年、ドイツのドレスデンに生まれる。
    ハンブルグ大学卒業後、子供の本のイラストレーターとして出発。
    ドイツで最も有名な児童文学作家の一人。
    1999年、長編2作目の本書で数々の児童文学賞を受賞。ハンブルグ在住。

    • sanaさん
      nyancomaruさん、
      コメント、ありがとうございます~!
      この作品はとても良かったですよねえ。
      そう、友情物語として…
      なんと...
      nyancomaruさん、
      コメント、ありがとうございます~!
      この作品はとても良かったですよねえ。
      そう、友情物語として…
      なんというか、面白く読ませつつ、様々な事情を抱えた人間がいる中で事が起きる、という実感があって。
      評判良さそうなのを探し回って、読んでみたんです。
      強力プッシュしたいです☆

      人気は…どうなんでしょう。
      大ベストセラーになるには、濃いのかしら?
      映画化でもされれば、いいんでしょうね♪
      2012/08/01
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「映画化でもされれば、いいんでしょうね♪ 」
      エンデの「はてしない物語」がそうでしたね(岩波書店は意外と宣伝上手)。
      コルネーリア・フンケの...
      「映画化でもされれば、いいんでしょうね♪ 」
      エンデの「はてしない物語」がそうでしたね(岩波書店は意外と宣伝上手)。
      コルネーリア・フンケの「魔法の声」が映画化されてるのですが、日本では劇場公開されずDVDになっているようです(未見)。
      多くの人に認知されるには、何かが欠けているのかも知れません(原作の所為なのか、翻訳の所為なのか判別出来ないのが辛いですが)。
      私は未読の「竜の騎士」でも読んでみようと思ってまいす。。。
      2012/08/02
    • sanaさん
      nyancomaruさん、
      魅力のある作品なので、何かをきっかけにブレイクするってあり得ますよね。
      やや暗め濃いめなのかなと思いますけど...
      nyancomaruさん、
      魅力のある作品なので、何かをきっかけにブレイクするってあり得ますよね。
      やや暗め濃いめなのかなと思いますけど、これぐらいのほうが映画だったら深みが出ると思います。ファンタジックな要素も映像化によさそう~。
      イダやヴィクトールの暖かさで後味も良いし。
      「竜の騎士」もよかったです~。
      あ、「魔法の声」読んでないので、次はこれかな?!
      2012/08/02
  • まぁまぁ面白かったか。
    予想と違っていたので、良かった。

  • コルネーリア・フンケの『どろぼうの神様』読了。ベネチアを舞台にした少年少女の冒険譚。本当に楽しい一冊だったなあ。世界の不思議に心躍る子ども時代を思い出させてくれる。ベネチアの街の魅力がたっぷり詰まっているし、ラストのオチまでクスリとさせるストーリーテリング見事

  • ドイツの児童文学作家コルネーリア・フンケの長編ファンタジー。

    大人になった今「こどもに戻りたい」と思うことはあるが、この本を読んで、幼い頃「早く大人になりたい」と思っていたこともあったと思い出した。

    この物語の中には、こどもの気持ちを無視して自分の欲望のままにしようとする大人と、そんな大人を嫌って憎むこどもと、こどもたちの気持ちをわかってくれて味方になる大人(ヒーロー)と、そんな大人に懐く無邪気なこどもが、わかりやすく目一杯表現されている。

    毎日が刺激的で冒険だったこどものときの気持ちを思い出す一冊。

  • スキピオ大好き。なんだけど、ボーちゃんもかわいい。出てくる子どもたちみんなかわいい。でも、大人も憎めないのよね。

  • 子供には子供の世界があって、大人にはそれがわかりません
    子供目線の世界は、いつも刺激的でワクワクしていて
    いろんな想像をして、毎日が楽しい
    大人から見るとそれは、退屈で、くだらなくて、イライラして、
    つまらない
    でも、大人は子供の頃にかえりたいと思う
    ちっぽけで、一人では何もできない、あの頃に・・・・・・
    登場する、キャラクターは生き生きとしていて人物像もしっかりしています
    世界観も解りやすくて、物語にすんなりと入っていけます
    子供ながらの、成長しきれてない考えや、物の見方、彼らの思い
    それらを、見ていると自分の子供時代に思いを寄せてしまいます
    大人になるって事についても触れています
    子供と大人
    子供心を思い出したい人にお薦めです


  • ヴェネツィアがすきになった、きっかけのひとつです
    出てくる単語、情景に、わくわくしながら読めた

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ヴェネツィアがすきになった」
      子どもに、こんな素晴しく危険な本を読ませてイイのか?って思いましたよ。
      「ヴェネツィアがすきになった」
      子どもに、こんな素晴しく危険な本を読ませてイイのか?って思いましたよ。
      2012/03/08
  • 星3-

     ちょっと今ひとつ読みやすくないというか、展開が遅いわけでもないのですが、流れに乗れませんでした。どろぼうの神様という素材は格好いいなと思ったのですが、もうちょっと魅力が欲しかったです。メリーゴーラウンドも、ヴェニスも。最後も。なんとなく落ちがしっくりしませんでした。消化不良というのでしょうか。伯爵のその後も、スキピオの葛藤も、新しいどろぼうの神様も。
    なんとなく自分の中の落ちるところに、すとんと落ちなかった感じです。

  • そこは子どもたちだけで暮らす場所。誰にも邪魔されない場所。
    どろぼうの神さまは身寄りのない子どもたちに盗んだものを分けてくれます。
    みんなどろぼうの神さまに憧れていました。
    大人と子どもの境界線。どこで決まっていくのでしょうね。
    大人にはならなければならないけれど、少しだけ子どもの心を思い出せるように。忘れない大人でいられるように。

  • 荒川図書館図書館員の太鼓ボンで興味。

  • ベネツィアの風景が終始美しかった。
    物語は温かな着地点を見せて、読後もほんのりと幸せな空気が漂っていた。

  • 児童書とはいえ、ほぼ500ページ。読みたいなぁと思いつつ積ん読状態だった。表紙の絵にも惹かれていたので、意を決してページをめくる。
    最初の100ページまでは、そこまでかな?という感じだったが、そこから先がグイグイきた。
    最後の最後は自分的には、ちょっと的が外れというか物足りなさを感じなくもなかったが、その先は読者の想像に任せようということなのかな。

    親のない子ども達が、「どろぼうの神さま」が見つけた隠れ家で助け合って暮らしている…というのがメインにあるのだが、全く悲壮感はなく、誰もが子ども時代に一度は憧れる子どもだけで生活するワクワクするような感じだけがある。
    登場する大人たちの個性も豊かで、飽きさせない。
    また、一章一章が短いので、キリのいいところでとりあえず本を置けるのがありがたかった。

  • プロスパーとボーの兄弟は、おばさん夫婦から逃げるためにベネツィアへやってきた。そこで知り合った孤児たちと共に生活を送る。孤児たちは、『どろぼうの神さま』と呼ばれる少年が盗んできた金品を売り生活をしていた。ある日、『どろぼうの神さま』に依頼が来た。それは、ある家にあるものを盗んできてほしいというものだった。
    一方、探偵のヴィクトールはプロスパー兄弟のおばさん夫婦から2人を探すように依頼をされたのだった。



    最初のプロローグ的なものに、『大人は子供の頃に戻りたがる。子供の頃は早く大人になりたがっていたのに』みたいなことが書かれている。確かに、早く自由になりたくて大人になりたかったけど、大人になった今は子供の頃に戻りたいなぁとか思ってしまう。


    あとスキピオは、廃墟となった映画館で暮らしているプロスパーたちが羨ましかったのかなと思った。誰かに必要とされていることが、きっとスキピオにとってはすごく楽しかったんだろうな。まぁ、ちょっと傲慢な態度もあったけど。


    どうしても大人だから、大人の目線で読んでしまった。子供の頃に読んでいたら、どんな気持ちだったんだろう。そして、あの子供たちの行く末が心配になった。


    2017.2.19 読了

  • とても面白かった~!子供たちの気持ちがどんどん心の中に入ってきて、不安になったり、嬉しくなったり。やっぱり子供は子供で、子供としてゆっくり成長することに意味があるよね、と改めて思った。

  • 児童文学なんだけど、
    結構面白く読めたー!

  • 途中までわくわくしながら読んでたけど最後がなあ…ってかんじ

  • ヴェネツィアに行くのでその前に読みました。
    スキピオがとにかく好きだなあ。最後のスキピオの選択に大人ながらいいなあと思いました。少なくとも彼が前の豪邸暮らしよりずっと幸せにしているのならそれでいいのです。
    プロスパーの弟を思う気持ちや、スキピオとプロスパーの冒険なども月の都を舞台に美しく感じました。面白かったです。

  • 494pages!! なんて思えないほどにページが進む。ヴェネツィアの風景と彼らがどんなシチュエーションにいるか、見事に想像することができた。ラストは読んでいくうちに何となく予想出来てしまうけど、結末に読み終えた達成感はたまらない。

  • 後半になって突然ファンタジーとは驚いた。とはいえ、こういう生き生きした物語は好きだ。落としどころが意外すぎてびっくりしたけど。

  • ドキドキわくわくしながら読み始め、どうなるのだろうと思いながら読んだ。正直、先がわからなかった。
    面白かったし、テーマ(子どもは大人になりたい)はわかるのだけれど、スキピオの運命が悲しい。やはり、そのままの無力で鼻っ柱の強い子どものままで、運命を切り開いて欲しかった。

  • 最初は「魔法の声」を読もうと思ったのだが、1冊で終わりでは
    なかったので、チューリヒ児童文学賞、ウィーン児童文学賞受賞作
    であるこちらを読んでみることにした。

    とにかく物語がじっとしていない。次から次へと事が起こり、
    ぐいぐいと惹きつけられていき、あっという間に読み終えて
    しまった。その中に「大人であるとは、そして子供でいるとは
    どういうことか」ということを主題に、孤児たちの生活や探偵の
    仕事、美しいヴェネツィアの街、そして魔法のメリーゴーラウンド
    などがちりばめられ、飽きることのない、読んでいて楽しい小説
    だった。

    惜しむらくは魔法のメリーゴーラウンドという特異なアイテムに
    ついての物語とどろぼうの神様を始めとした孤児たちの物語が
    同じ焦点を結ばず、別々にただ盛り込まれているだけと感じられて
    しまう。もう少しどちらかに比重を傾けた方が良かったのでは
    ないかな。

    あと話がいきなり「離陸」してしまって子どもたちに感情移入する
    いとまが無かったのも気になった。探偵や伯爵が出てくる前に
    もう少し孤児たちの日々の暮らしを描いて欲しかった。

    その後、プロスパーとボー、そしてヴェスペはどういう大人に
    なったのだろう⋯。

  • とってもとってもとってもとっても面白かった♡
    孤児の冒険物語は何度も読んだことがあったけど

    たいていどんなに辛いか、とかどんなにひどい生活か

    みたいなことが書いてあるのが多かったけどこれは
    とても楽しい描写が多くて読んでて愉快だった(^o^)

    最終的にみんなが楽しく暮らせてほんとに良かった!
    プロスパーはみんなのことを第一に考えてていけめんだった笑

    ボーも天真爛漫でちょっと腹立つとこもあったけど
    性格が良くてプロスパーが好きなんだなって思った(^o^)



    全体的に登場人物が好きで読んでて楽しかった!♡

  • 児童文学だからとあなどれない、かなり奥の深い作品です。
    子供の頃に読んだ時と大人になってから読む時では印象や感想が変わってきそう。
    残念ながら、私がこの本を知ったのは大人になってからだったんですが。

  • テーマは「大人」と「子ども」。いつの間にか忘れてしまった”子ども心”を思い出させてくれる物語です。巧みなストーリーでわくわくドキドキしながら一気に最後まで読んでしまうこと間違いなし!?

  • 児童書と侮ってはいけない深さがあります。大人が読んでも多くを考えさせられる作品でした。もしかしたら大人が読んだ方が多くのことを考えさせられるかもしれない。

  • イタリアに行きたくなる本

  • 図書館で借りました。なんかこの表紙見たことあるなあ…読んだことあるんじゃない?と読み始めたのですがなかなか思いだせない。結局メリーゴーランドに乗る辺りで読んだことあると思いだしました。(それ、思いだしたって言わないよなあ…)

    個人的には子供時代はそれなりに楽しかったですが歯がゆい事が多かったのであまり子供に戻りたいとは思わないです。学生時代も嫌だな。ある程度の時間とお金が自由になる社会人が一番いいなあ、と思うのです。(学生時代バイトをしてある程度のお金と多大なる自由があった人は意見が違うかもしれませんが…)子供と言うだけで隔離され、世界から拒絶される。自分のような恵まれた子供でもある種の閉塞感を味わわされるのに環境に恵まれていない子供から見た世界はどれほど息苦しいものだろうか。そんなことを思いました。

    ヴィクトールが好きですね。大人だけれどもそれほど頭が固くない、でも簡単に面倒を見るとか責任を背負いこまない。彼のもとに行けて良かったねえと思うのです。それにしても子供って面倒くさい存在ですよねえ…とも思う辺り自分も大人になったな、と思うのです。

  • ドイツの作家さんだけど、舞台はヴェネツィア。

  • 登場してくる子供たちがいちいち可愛いです。ロシア文学はあまり読んだことが無かったのですが、この物語はとても読みやすく、当時中学生だった私でも読むことが出来ました。映画館に隠れながら棲みついている家出少年少女たちの心細さや、好奇心に振り回される愉快な行動は必見です。

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著者プロフィール

1958年ドイツの西部、ヴェストファーレン州の町ドルステンに生まれる。ハンブルク大学で教育学を修め、卒業後、教育者としての仕事のかたわら、専門大学で本のイラストレーションを学ぶ。当初は子どもの本のイラストレーターとして出発。28 歳の時からは自分で文章も書くようになり、
以後フリーのイラストレーター、作家として活躍している。ドイツでもっとも著名な児童文学作家の一人であり、ウィーン児童文学賞、チューリヒ児童文学賞などこれまでに数多くの児童文学賞を受賞している。
著書に『どろぼうの神さま』『竜の騎士』『魔法の声』『魔法の文字』『魔法の言葉』『鏡の世界』(WAVE出版)などがある。

「2016年 『ゴーストの騎士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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