わたしのままでママをやる

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872905526

作品紹介・あらすじ

精神科医がサポートする濃い女子会。産むことについて、子育てについて、本音で語りあう。3・11後、いま、命の話、母の話。

感想・レビュー・書評

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  • 今まで、日記系とか、対談ものなんかは、あまり好きではなかったのだけど、親子の関係についてかかれているのであれば、と思って読んでみた。

    世の中にいる、少し変わった人(自分も含めて)っていうのは、なにかしら、親の影響を受けているのだという事がよくわかって、私自身も親の立場になり、考えさせられたかな。

     精神科の偉い先生の切替しもうまいので、これから先、悩める人に対しての接し方も、少し理解できたかもしれない

    私自身は、子供へ手を挙げてしまった事が、まだないけど、確かに放置する、無視するよりはましなのかなって思う所もあり、

    色々と勉強になったかも

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「少し変わった人(自分も含めて)っていうのは」
      変っていなくても、そうなんじゃないでしょうか?

      よしもとばなな以外知らない方ばかりですが、...
      「少し変わった人(自分も含めて)っていうのは」
      変っていなくても、そうなんじゃないでしょうか?

      よしもとばなな以外知らない方ばかりですが、面白そうですね(全然縁の無い話ではありますが)
      2013/07/18
    • marihirosueさん
      NYANCOMARUさん 本当に、みんな、親の影響をいいところも悪いところも受けて、人生を生きるのですね。

       みんな、そうやって自分の...
      NYANCOMARUさん 本当に、みんな、親の影響をいいところも悪いところも受けて、人生を生きるのですね。

       みんな、そうやって自分のズレに気づかず、結婚して衝撃を受けるなんて話も沢山あるわけですし、

      ばななさん以外では、内田春菊さんの作品では、中学生の頃に読んで衝撃を受けた記憶があります。ファザーファッカーだったかな??

      ただ、読んだ後、幸せを感じる事ができず、自分が苦しくなってしまってから、他の作品は読んだ事がありません。
      2013/07/22
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「結婚して衝撃を受ける」
      んーー、自分を受け入れるのは自分自身だけだから、ズレに気付いても、そんな自分自身とも仲良くしつつ生きていかなきゃダ...
      「結婚して衝撃を受ける」
      んーー、自分を受け入れるのは自分自身だけだから、ズレに気付いても、そんな自分自身とも仲良くしつつ生きていかなきゃダメなんですよね。
      「内田春菊さんの作品」
      そう言えばマンガを読んだコトがある!
      2013/07/26
  • 何だか知らないがとんでもないメンバーがそろったフォーラムが面白かった。うさぎが突出してぶっ飛んでいる。春菊もたいがいだった。こういった側面からアディクションを考えると面白い生き方なんだとアディクションじたいをひとつの生き方として表現していることを肯定できる昂揚感がある。自分のやっていることを肯定することからしか回復しないことを暗にほのめかしている齋藤学のカウンセリングはすごいと思う。

  • 「ブックマーク」のアンケートに書いてあった本の著者が、なかなかすごいメンツなので、図書館で借りてみた。第1部は「愛し、育む。ばなな流子育て」、第2部は「「新しい母」宣言!」で、時間的には第2部を先にやって、本にするにはちょっと量が足りないというので、第1部の対談がもうけられた、らしい。

    巻頭には、ばなな作品から、いろいろと引用が載っている。それを読んでいて、私は「みずうみ」(『みずうみ』)と、「ちんぬくじゅうしぃ」(『なんくるない』という本に入っているらしい)を今度読んでみたいと思った。

    個人的には、うしろの座談会のほうがおもしろかったけど、第1部のばなな×斎藤学の対談では、母になって母の見方は変わってきたか?というところが、印象にのこった。

    ▼学 母親になってから、ご自分のお母さんに対する見方は変わってきたりした?
     ばなな 変わりましたね。やっぱり、体が弱いのは大変だっただろうな、と思います。私が母に抱いていたほとんどのマイナス要素は、性格のせいではなく、常にしんどいという体の弱さから来ていたんだということが分かって、ものすごく許せるようになりました。それは、ただ年齢を重ねているだけでは分からなかったことですね。物理的に、座ったり、立ったりするのもしんどかったんだろうな、とか。子ども心に、「なんでもっと私のために動いてくれないんだろう」と思っていたのが、解消されましたね。

     子どもを産まなくても分かったことってあると思うんですけど、自分が一歩も動けないときに、あらぬところで子どもにオシッコされたりするときに、立ち上がる力が、うちの母は体が弱いからなかったんだ、と思いました。そういうふうに、体で分かるから、悪いことしたな、とは思いませんけど、「ああ、そうだったんだ」と腑に落ちることはとてもあります。やっぱり、大人になるって素晴らしいことで、だんだん親の関係の構造が見えてくるというか、「自分には関係ないこと」として見られるようになりますからね。(p.65)

    私の場合は、母はえらく頑丈な人で、私は「からだがよわい」と言われていた子どもだったから(入院したり、病院通いもあったし、体育全面禁止だった頃もあった)、こういうばななの回想を読むと、母は、自分とちがってひよわな子どもを、どう思ってたんかなと考えたりした。

    第2部は、中村うさぎ、内田春菊、倉田真由美の3人と斎藤学との座談会で、この後半は斎藤の患者たちも質疑に加わって、治療ミーティングのようになっている。いろんな母がいて、いろんな娘がいるんやなーと思う。そういうことは大人になっていけばだんだん分かってくるが、子どもの頃には「自分ちの親」以外はなかなか見えてこないから、それで苦しいこともあるしなと思った。

    斎藤はこう言い、
    ▼ 「お母さん」のことを考えてる人っていうのは、「お母さん」で悩んでいる人だと思う。(p.119)

    くらたまはこう言う。
    ▼「尊敬」という言葉を親に対して使う人がけっこういますが、その気持ちが分かったことは一度もないですね。(p.125)

    子どもを育てることについて、この国がどういう扱いをしているか、春菊の指摘がスルドイ。
    ▼春菊 私は少し前に、「ベビーシッター費が仕事上の経費で落ちない」っていうのを知って。それで、追徴課税をえらいとられたことがあったんです。それは、預ける費用も国が認めてくれないってことじゃないですか。「預けて仕事をするな」っていわれてるんだと思うんですけども。保育園代も多分落ちないんじゃないかと。(くらたまに)落ちます?
     くらたま 落ちないと思います。
     春菊 落ちないですよね。「それは個人的なこと」って言われるんですよ。「私のベビーシッターの人は、アシスタントや仕事全般、手伝ったりしてくれてます」って言ったんですけど。それでも「領収書がベビーシッター会社の領収書なので認めません」って言われたんですね。(pp.146-147)

    おしゃべりの効用、情報交換の効用について、春菊が、「共依存」を防ぐ効果があると思うと語っているところも印象的だった。
    ▼なんか、共依存で成り立ってる男女って、男がとんでもない欲求を出してるのに、女がそれをずーっとかなえてるって、私にはおもえて。「えー、フツーそんなじゃないよね!?」って言い合える仲間がいれば、そういうふうにはならないような気がする…。(p.157)

    うさぎもそれに同調。
    ▼殴る男の特徴って、女と自分を密室化する。でも、ホストもやる。…やっぱりそうやって、「囲い込む」ってことで、情報を遮断するっていう…。あと、親しい女友だちと「切らせたり」するよね。(pp.157-158)

    「切らせる」「囲い込む」というところは、殴る男というより、性別問わず自分のほしいままに力を振るい、ハラスメントをやっている人に通じるところやなと思う。おしゃべりや情報交換は、そういうハラスメントにやられてしまってる人にとって、ものすごく大事やとつくづく思う。

    巻末には、石内都が「母のゆくえ」という小文を寄せていて、「あとがき」では、斎藤学が「母は多様化したほうが良い」と書いていて、私はふと、母がもし元気で今も生きていたら、それはそれでちょっときつかったかもしれへんなーと思ったりした。

    (8/14了)

  • すごく面白かった!
    いろんな女性の生き方が対談形式で語られるんだけど、特に印象に残ったのが、
    虐待すること、子どもに過干渉すぎるのはよくないことだけど、叩く手のスピードを落として、力を緩めていくとそれは「撫でる」ことになる。その反対は「無関心」であり、そちらのほうがもっとよくないこと、と書かれていたこと。
    虐待はだめだけど、無関心よりはよっぽどいいと。
    確かにそうで、無関心ほど冷たくて、恐ろしいものはないと思う。
    「やりすぎ」には愛があって、その程度を調整すれば事態が好転していく可能性があるけれど、無関心な人に関心を持たせるのって、より難しいことだと思う。

  • 濃いキャラの著名人の雑談形式。
    斎藤学さんの話はとても参考になりました。
    メールやTwitterが発達して、口で言えないようなことも、文章にして発信できるようになった。
    母・家族の多様化


  • ほんわかした表紙もあいまって、
    「お母さん」ではなくて「私」として生きよう!みたいな、そういう本かと思っていたが
    けっこう個人の暗部に切り込んだ対談の本だった。


    人格や性格、依存の根本は実は幼少期の家庭にあるという話、ものすごく怖いけどたしかにそういうところはあるなあ。

    私には考えも及ばないような家庭環境に置かれた患者さんも出てくる中、精神科医の先生がまるごと受け止めてくれる。

    まず話を受け入れる、許容する。

    根本的解決というよりは心の持ちようを助言してくれるようなお話の仕方にホッとした。



    私も母との距離感に悩むこともあり、でもそれを無理やりどうにかしなくてもいいのかと思った。


    「アルコール依存症の患者です、18歳の息子がなかなか自立しなくて…」
    という悩みに対しての斉藤先生の言葉がとってもよかった。


    「あなたの息子さんは、あなたがアルコール依存の道を通って、違う人物に変わっていく、という変容をそばで見ることができる。他の立派なお母さんの子どもよりも、いろんなものが与えられると思います。
    人間であればこそ、生きているからこそ悩める。
    あなたはそれを、「アルコール依存」なんてくだらない問題に表現しちゃってる。しらふになると、もっと直に「生きてることがつらい」って感じがしますでしょ。その「きつい」って感じが、実は生きてることの喜びそのものでしょ。それを、子どもと共有するんですよ。」

  • 前半のよしもとばなな氏と斎藤学氏の対談がおもしろかった。男の子を育てて男性への理解が深まった話に共感。私もどちらかというと下町的な綺麗ばかりじゃない環境で育ったので、ばななさんの感覚がなんとなく分かる。

  • 生育歴が複雑な作家さんたちと精神科医の斉藤学先生の対談本。
    会話形式なのでさらっと読めるが内容は濃い。

    アディクションやDVなどアダルトチルドレンの当事者も多く、「普通」の人が登場しない。

    最後の質疑応答の返しが参考になった。

    精神科の診察で、あんなユーモラスで個性的な会話が出来るなんて。

    私は今、特に持病はないけれど、もし精神的に不安定になることがあれば斎藤先生の診察を受けたいなぁー、と。それほど有意義な時間が過ごせそうだ。

  • よしもとばななと精神科医:斉藤学の対談と、内田春菊・中村うさぎ・倉田真由美と齋藤学のメンバーで行ったフォーラムの2本立ての本。

    フォーラムの方にもよしもとばななはいるのかと思っていたけれど、いなかった…。よしもとばななと内田春菊は仲がいいはずなので、いると思っていた。

    でも、どちらにしても、再読することは無いだろうな…という内容。
    一カ所だけ面白かったのは、男性の車いすを押すパートナーより、女性の車いすを押すパートナーの方が多いんじゃないか?という視点。
    なにかにつながりそうなので、メモしておく。

  • 図書館の育児書関連のコーナーでたまたま目に。

    それぞれの作家の家族関係やその中で経験した感覚を思い思いに話し、それに時々心理学的な視点から話しているもの。

    いつも読む提言書的な育児本とはまた違い、ある意味で楽になれる。
    特によしもとばななの小説から抜粋した箇所と、子育てを通しておこる事象に対しての感性がらしくていいなぁと思いました。

    以下メモ


    「まだ子供の時だけに感じる独特の世界の味。過日みたいにもいでももいでもなくならなかった、家庭の雰囲気。飽きるほどおよぎまわってもまだひろかったあの家は、たったふたりの不安定な男と女がつくっていただけのものだったということを、大人になってしりきっと誰もががく然とすることになる。(ちんぬくじゅうしい)


    「愛されているってこういうことだな
    この人に触っていたい、優しくしたい、そう思ってもらうことなんだと私は体でおぼえている。だから嘘ものの愛には体が反応しないように、きちんとできている。そういうのが育てられたっていうことなのだろう(みずうみ」

    「いつでもおへそをあったかくして、頭に血がのぼらないよう心も体も力を抜いて、お花みたいに生きてね。それは権利なの。生きているうちに必ずできることなのよ(みずうみ)」

    「人間がもっとだらしなく、雑多で、しょうもなく、治らないけどバランスとれて本人がくるしんでなくて、その人にとって明日も起きたらその位置が割と楽しいならいいんだみたいな方向性」

    母の権力
    自分が親になってみて絶大な権力には驚きますもん。
    家族の構成員を内面的に破壊することもたやすいんですよね。

    わたしは子育ての環境はどうでもいいことが多ければ多いほど、いいような気がしているんです。
    動物を飼っているいると人の考えからみたら一見、不合理に見える自然性にむきあって教えられることもおおいですよね。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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