- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872907070
作品紹介・あらすじ
突然、会社をクビになった!
私、ホームレスになるかもしれない
転職活動をスタートするが100社連続不採用……。
失業保険がおりないという事実を前に呆然としながらも、
貯金も底をつき、家賃も公共料金も払えない。いよいよ進退窮まった
明日はわたしかも!
だれももっている貧困という可能性。
「生きる」ために訪れたのは、生活支援課の窓口!
ハローワークのバックアップのもと就職活動に励むものの相変わらず苦戦。
そしてアパートの退去勧告など、降り掛かってくる数々の難題……。
現在、彼女は生活保護を受給しています。
能力もキャリアもあり、働く意志も強い女性がなぜそこまで追いつめられたのか。
イラストレーター小山健さん(3万アクセス『手足をのばしてパタパタする』が好評)の4コママンガ扉も入ります!
感想・レビュー・書評
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都会で生きていくにはお金が無いとつらい。
いくら切り詰めたって、家賃は払わなくちゃいけないし、公共料金の支払いもある。仕事についてたらいいけど、失職中となると・・・
今の時代、貧困も大きな問題。
大和さんの過酷な体験は、同じような悩みをもつ方々の大きな道標となるでしょう。
細かく書いてくれてありがとうございます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大和彩さんという方の実体験に基づいたエッセイ。
正社員で働き、自立して安定した生活を…と誰もが思うささやかな希望。大和さんもそんな自分の未来を夢みていたひとり。
だがそんな思いとは裏腹に現実の厳しさが彼女を襲っていきます。
決して他人事では済まされない、誰もが陥る可能性があるよな〜と考えさせられました。
働いて収入を得て、そのお金から生活に必要なものを支払って、生きていく…、そんな当たり前の様な図式も、職を失う事によってあっと言う間に崩れていく。
彼女は両親から虐待を受けてきた過去があり、精神的な病気も患っています。なので頼れる両親なんてものもなく、ひとりで全てを抱えていました。
貯金もどんどん無くなり、光熱費、家賃も払えない…どうやって生きていったらいいのか、不安と恐怖は計り知れなかったと思います。
事実は壮絶だったんでしょうが、このエッセイは努めて明るく書かれています。それはこの著者の大和さんが、同じ苦しみを味わっている人達に「心配しないで」というメッセージを送っているからではないでしょうか。
昨今、生活保護受給の在り方について色々と話題になっていますよね。私もあまりいいイメージは持っていませんでした。
だけどこの本を読んで、実はとても素晴らしい制度なのではないかと感じました。
大和さんにも、今後も頑張っていってほしいと思います。 -
失職する予定はない…という人が大半だろうけど、いざというときに備えて読んでおくべき一冊!!!いっそ10代の必読書にするべきでは!?という良書。いや、10代だったらまだ謎の万能感の「私は大丈夫」という思い込みに阻まれて心に響かないかなぁ…。
まず湯浅弁護士の三つの「溜め」の話も心に響くし、著書の人柄の良さが文章のはしばしから感じられて、そっと応援したくなる。お世話になった福祉課の職員さんを「諸葛孔明子さん」と仮名し(こんな栄えある仮名、絶対うれしいよ!?)、聖徳太子のエピソードが理解できた…とまで称賛するあたりからも、著書の謙虚さが伺えて、ゆえにますます「いくら太ってるとはいえ、どうしてこんなに有能そうな人が就職できなかったの??」という疑問も…。でもそんな理不尽がまかり通るのが日本社会…。
直接的な金銭援助なんてなくても、自分の存在を気にかけてくれる人がいるだけでも元気になれるんだなぁと気付かせてくれる一冊でもある。 -
WEB連載が単行本にまとめられたものです。
ブスでデブでコミュ障でパニック障害と自殺願望がある貧困女子がなんとか日本という社会で生き延びようという話。
働く意思があっても職がない。頼るべき家族に虐待?される。ブスでデブだから性産業ですら稼げない。デブでコミュ障で採用落とされまくる。突発的にやって来るフラッシュバックと自殺願望との闘い。そんな悲劇が明るく自虐的に語られます。
作者は知りたがりで採用試験戦略や生活保護などを細かく調べたり考察してるので、それらを知らない人にはお役立ちでしょうか。ただ、不採用の大きな原因であろう100kg超えデブの原因や対策には微塵も触れてないところは本人の闇がうっすら垣間見えたような気も。
作者は文体からはあまり好感の持てるタイプの人ではない。明るく礼儀があるのに人をイラっとさせる。かわいそう、気の毒、助けたいとは思えないタイプだ。でもだからなんだ、生きたいと思って何が悪い、応援しなくても邪魔はするな。誰でもどんな人でも生きたいと思う人を社会の中に包容するという意思を表明しているのが生活保護という制度なのだ。 -
ポップなな表紙に騙された、なんてホラーな話でしょう。
いつどこで降りかかるやもしれないリストラ、倒産、病・・・それでも生きていかなければならない人たちの支えとなればいい一冊。 -
2016.01.15
ずっと気になっていた本。なかなか図書館に借りに行けなかったのですがやっと借りれました。
家庭環境に恵まれずに育つと、頼れる最後の砦が無く、病気や失業など、突然の事には対応できず貧困に陥ってしまう場合が多いんだな…と悲しくなりながら読みました。
作中で作者は約100キロあると書いていましたが、病気のせいもあるのかもしれませんが、お金がないのにそこまで体重が重くなれるものなのか…?とそこが謎でした。
そして、私が面接官なら、太っていて、対人スキルが乏しいと感じた方は採用しないので、まずは見ためを好印象に整える努力をするということを福祉課とハローワークの職員は指摘、指導しなかったのかそこも疑問でした。 -
明日は我が身。
幸い職に就いているし実家も頼れる状況だけどこの先がどうなるかなんてわからない。
何より辛いと感じたのが「誰にも頼れない」切羽詰まる感じが辛い。貧困と貧乏は違う。
「人間関係の溜め」は本当に大事だと思う。 -
できるだけ明るく書かれているものの、崖っぷちも崖っぷち。いつ自殺してもおかしくないような人生で、なんともいえない気分になりました。波乱万丈、そして不幸すぎる。
さらに、努力がなかなか実らなかったり、不幸に追い討ちをかけるような出来事があったり。これがリアルなのか・・・と愕然としました。
この女性(著者)は途中から人(役所での担当者など)に恵まれ、最終的には生活保護を受けながら自宅での仕事(ウェブサイトへの寄稿)をする、という生活に落ち着いたようですが、それでも手放しで「良かったね!」と言える程の進歩ではないんですよね・・・。
この本を読んだ後で軽々しく励ますことはできないけれど、いつかドン底から這い上がって欲しい。そう思いました。 -
生活保護云々よりも彼女自身の家庭環境、特に両親との関係を知りたいと思うようになった。なぜこれほどまでにこじれるようになったのか。
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いろんな方向から追い込まれて卑屈になる気持ちをオブラートに包んで読みやすく表現していて、著者の執筆時のエネルギーに恐れ入る。かなり消耗しながら執筆したのだろうと勝手に想像する。
精神的に追い詰められて何もできなくなった人、何もできなくなりつつある人には参考になる本だと思う。申請書がダウンロードできるURLを記載するなど、現実に生活保護を検討してる人の手引きなるようなコンテンツがあればなお良かったが、そこは編集者に頑張ってほしかった。