パブリックスピーカーの告白 ―効果的な講演、プレゼンテーション、講義への心構えと話し方

  • オライリージャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873114736

感想・レビュー・書評

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  • 買ってから7年も読んでなかった…プレゼンの本というと「資料の作り方」的な事が書かれているケースが多いが、この本はプレゼンをする前の心構え的な事が書かれている。基本的には「プレゼンを実施する前に練習しよう(みんなやってないよ!)」という事を強く主張しているほか、

    ・いきなりパワポでスライドを作るな
    ・会場であせらないように色々余裕を持て
    ・人数が少ない会場でのプレゼンのコツ"

    といったような実際にプレゼンをする時に色々と参考になるTipsが掲載されている。今後、プレゼンを多くする人にとってはかなりオススメ

  • 社内教育などを含めるとなんだかんだで、月に2回位は演台に立ってプレゼンテーションをしているのですが、いつまでたっても慣れないし上手くならない。

    そんな私のために書いてくれたような本です。

    ★★★

    著者のScott Berkunは、『イノベーションの神話』、『アート・オブ・プロジェクトマネジメント』を書いた人です。

    マイクロソフトで、Internet Explorerの1.0から5.0のプログラム・マネジメントの担当をされて、2003年に独立したそうです。

    その後、様々な大イベントの基調講演をしていらっしゃるので(私は上の2冊もまだ読んでいませんし、講演も聞いたことがありませんが)すごい人なんだと思います。

    ★★★

    本書には、プレゼンテーションを実施するにあたっての心得や注意点、そして有益なアドバイスがたくさん詰まっています。

    ただし、見栄えの良いの資料の作り方については載っていません。
    そちらは、(本書でも推薦されている)『プレゼンテーション Zen』やNancy Duarteの『Slide:Ology』を読まれるのが良いと思います。

    本書のアドバイスは例えばこのようなものです。

     あなたとケネディ大統領やキング牧師との違いは話す能力にあるのではありません。私たちが皆毎日何百回と使っている技術にあるのではなく、考える能力、そして、おおまかな考えを明確な考えに磨き上げる能力にあるということです。主張をする、協調を与える、ほかの人に感情を伝える、これらの行動には、話すという行動のずっと以前に、まず考えることが要求されます。たくさん、たくさん、考えることが要求されます。しかし、考えている部分は見えません。結局、考えているところは見えていてもあまりおもしろいものではありません。見えるのは話すところだけです。そのために、考えが魔法のように自然に出てきたように見えるのです。

    また、もっと具体的で役に立つアドバイスもたくさん載っています。私がハッっとしたのは次のアドバイスでした。

     話し手が聞き手に「いまの私の話に何か質問は?」と尋ねるのは愚かです。この質問は脅迫的に響きます。話し手が聞き手に自分の権威に挑戦してみろと言っているように聞こえるのです。これは多くの人がやりたいと思っていることではありません。その代わりに、もっと前向きで対話的なものにしましょう。例えばこう言いましょう「もっと詳しく説明してほしい部分はありませんか?」


    ★★★

    会場、マイク、確認モニター、演台、カウントダウンタイマー等々の設備やツール、そして困った客への対応についても十分なアドバイスがあります。

    特に、スライドをめくるリモコンについての重要性は私も(今年になってから使い始めたのですが)同感です。

    この本で勧めているリモコンは、"Logitech Cordless Presenter"というものでしたが、日本では販売していないようです。

    私が使っているのは、レーザーポインター付きの「LOGICOOL プロフェッショナルプレゼンター」ですが、本当にプレゼンのやり方が変わります。電池は通常の使い方で1日の研修なら持ちます(2日は持ちません)。タイマー機能も使い始めるとなくてはならないものになります。

    何がそんなに変わるのかというと、前を向きながらプレゼンし続けられるということです。スライド切り替えをキーボードで行うと目が下に行ってしまうんですね。それと、会場によっては演台の前にでて話す必要があるレイアウトのところもあるのですが、そんなときにリモートから操作できるリモコンは本当に便利です。

    ところで、本書ではレーザーポインターや指示棒の話は一切出てきません。
    ちょっと不思議な気がしたのですが、近ごろのプレゼン資料は「ビジュアルで右脳に訴えるものを、スピーチはストーリーになっていて左脳に訴えるようにする」が主流だから、ポインター自体が不要なのかもしれません。

    不要というよりも、むしろ、ポインターを使うために振り返ること(観客に背を向けること)が有害なのかもしれません。
    ポインターの使用は必要最小限にしようと思いました(会社の運営会などの資料はビジーなのでそうもいかないのですが……)。

    ★★★

    そして、「告白」というタイトルの通り、真摯に実体験をもとに語られています。こんなにすごいスピーカーも同じようなことにクヨクヨしたり悩んだり、失敗したりしているんだと思うと気が楽になります。

    ということで、プレゼンする機会が多い方、おすすめですよー。
    翻訳も、酒匂寛さんで、読みやすいです。

  • 日本でいうところの『プロ講師』っていう人の体験談です。

    プレゼンテーションの仕方みたいなノウハウ本だと期待すると、かなり肩透かしを食うことになります。

    本書は、とにかく講師という立場で会場に入って困ったことが、生々しく書いてあるので、一度でも大きめの会場で人前で話した経験のある人であれば、納得できる内容です。

    ・やったら大きな会場にちょっとの客
    ・しつこい質問者
    ・とにかく寝てしまう観客
    ・などなど

    ちょっと考えてもゾッとする話しばかりです。ここはプロフェッショナルとして人前で話をする人の経験談は、とても役に立ちます。

    とにかく起こるんではないかと思うことを、頭の中に入れておくだけでも、イイ引き出しになると思うんです。そういう意味では、経験談って、ものすごい密度の高い時間をいただいたようで、いつもトクした気分になります。

    ◯◯千人もの聴衆を相手にするって、結構骨の折れることだなと、ちょっとは知ることのできる良書です。でもその苦労を乗り越えて、伝えたいことがあるかないかで、メディアに使われるか、それとも活用できるのかの大きな差がでてくると信じてます。

  • プレゼンテーションの作り方(内容、構成などなど)の本ではなく、プレゼンターがどのような問題があって、どのように対処しているか、準備や心構えなどについて、まとめられている(解説ではない)書籍です。

    そうとうに冗長な文章だけど示唆に富みます。もし本屋にあって、この本は何?と思った人は訳者のあとがきから読むのをオススメ。

  • 学問に王道なく、
    スピーチには練習あるのみ。

    豊富な実例をもとに、そのマインド、練習のやり方を。

    勉強になる…。

  • 講演主催に関わる人に、是非お勧めしたい本です。

    私事ですが、ずいぶん前に講演会の主催に関わったことがありました。私にとってはたぶん最初で最後の経験だと思います。私は講演者との連絡係でした。私の出来ることは僅かなことでしたが、その時に浮かんだ色々なアイデアが(実行したことやボツになった物も含めて)案外的外れじゃなかったなぁと、この本を読んで今更ながら安心しました。

    私が目指したのは以下の3点です。「(主催者を含む)聴講者に講演者並びに講演の内容を理解してもらうこと」、「講演者に主催者並びに開催地域の知識を提供すること」「講演者のことを知らない聴講者が、いかにその場で講演者に親近感を持つ事が出来、その場で学びを得られるか」。堅い言葉で書きましたけど、ニュアンスわかっていただけるでしょうか?乱暴に要約すれば「知らない場所に連れてこられた講演者のところに知らない同士が集う講演会をワクワクなイベントにしたい」、そんなカンジです。


    当時のこの私のせっぱ詰まった気分と目的を察していただいた上で、この本を読んでいただくとまた違った読後感を得られること請け合いです。

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