Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す (Make: Japan Books)

  • オライリージャパン
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本棚登録 : 297
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873115009

作品紹介・あらすじ

DIYの目的は、自分の人生を取り戻すこと。「Makerムーブメント」を主導する雑誌「Make」の編集長によるDIY体験記。野菜作り、ギター作り、エスプレッソマシンの改造などの経験や、個性的なDIY愛好家との出会いを通して、「失敗をおそれないこと」「成果を共有すること」など、ムーブメントの根底にある価値観を発見する。

感想・レビュー・書評

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  • DIYムーブメントの第一人者の著者が農業、養鶏、発酵食作り、ミツバチの飼育、楽器作り、エスプレッソメーカーのカスタマイズ、子どもの教育に至るまで「自分でやってみる」ことを実践した記録。
    ある会社が業務用のエスプレッソメーカーを家庭用マシンとして販売した。改造しやすい機会として世界中で愛好家が情報を提供し合う。そして改良を重ねて自分の最高のマシンとして競う。エスプレッソメーカーをプラットホームとして多くの人に愛される商品となっている。
    著者が鶏の飼育を通して「手間が手間を呼ぶ」と知人から聞く。何かアクションすることで循環し機能する。都市型自作農場での考え方だ。
    1920年代、必要から欲求の文化に変わったアメリカは狂気の消費生活に取り込まれる。消費者の洗脳から目を覚まし、生活を楽しめるヒントがたくさん。実践する時間と土地がない? これまでより多くの収入を得ることが豊かさの指標とされてきたが、お金がなくとも生活ができ、それがいかに豊かなことかということに気づかされる。つまり、都会に無理して住まなくても、土地の安い場所に越して、自給自足の生活を送ることで実現できるわけだ。まあ、言葉で言うのは容易いものですね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「都市型自作農場での考え方だ。」
      ちょっぴり憧れます。自分が食べていけて、読みたいと思う本が読めれば充分←他にもしたいコトがあるので、嘘だな...
      「都市型自作農場での考え方だ。」
      ちょっぴり憧れます。自分が食べていけて、読みたいと思う本が読めれば充分←他にもしたいコトがあるので、嘘だな。。。
      2013/02/13
  • DIYコミュニティで超人気のある雑誌「Make」の編集長、マーク・フローエンフェルダーは、野菜作り、エスプレッソマシンの改造、シガーボックスギター作り、鶏小屋作りと養鶏など、さまざまなDIY体験を書き留め、手作業で物を作ることの意味を示しました。老朽化したり、破損した物を、個人の創造性、技能、専門知識を駆使して再び役立てることの意味を考える一冊です。DIYの老練家の方でも初心者の方でも、この本の面白くてユーモアのある内容をお楽しみいただけます。(電気電子コース D2)

  • 著者ももともとDIY派ではなかったそうだが、ITバブル崩壊後、南の島への移住失敗を経てDIY生活に足を踏み入れた。周囲の達人から学びながら、あまり肩肘張らずにやっている感じがよい。また、なぜわざわざDIYをやるのかという思想的(?)な側面にも触れられる。

    ・家庭菜園を始めるのにまず芝生を枯らすところからとはさすがアメリカ
    ・固定種をheirloom(エアルーム)種と言うそうな
    ・野菜を洗わずに食べるとおなかをこわしますよ!
    ・マルチング材(地面を被覆する藁など)というのがよく出てくる。日本でも見かけないことはないが、これは気候の乾燥のためか。
    ・空き時間20分に集中して作業すると。基本的に家で仕事をしている人だからここまでやれるのだろうが。
    ・エスプレッソマシンの改造よりも、エスプレッソの淹れ方のあれこれがすごい。
    ・ニワトリ小屋にしろスプーンにしろ、手や体を動かして作業する時の境地こそが醍醐味だ。
    ・しかし生き物を飼うのは大変だな。卵は美味そうだがコヨーテが出るって言うのもさすがアメリカ。
    ・発酵食品。紅茶キノコは気持ち悪い。そう言えば漬物、味噌、ヨーグルト、ビールは自分ではやったことはないが身近な人がやっていた。
    ・ミツバチは日本では考えられん。デリケートで難しそうだ。
    ・子供の教育のDIY。著者はあまりそこまで踏み込まないが。科学工作キットみたいなものはやってみたい。

    マニュアル本ではない。DIYをやる人の心の動き、現代人の生活で失われがちな知的活動、失敗を恐れないこと、理想と現実の折り合いをつけること、そういったことが書かれている。

  • DIYのHow to本ではないのでご注意。いわゆる経験談をベースにDIYの精神とは何か語られるわけだけど,作者の主観で語られる内容やその移り気(のように感じた)な性格に,ちょっと全部を読む気にはなれなかったので,飛ばし読み。

    消費する一方の社会において,わたしたちは,物事の仕組みも何もかも,何の疑問もなく受け入れられていて,実はそれってすごく危ういことなのでは?と気づかせてくれる。だからといってこの生活をすぐに変えることは難しいし,それがDIYという手段を選ぶまでになかなか至らないと思うけど,消費する前に一旦「考える」プロセスを加えることからでもはじめてみる価値はあるな,と思った。

  • ただのDIY指南本ではない。
    DIYとは生き方を指すのだとわかる本。

  • 失敗してもいいや、と背中を押してくれる一冊。ハウツー本ではないが、DIY初学者の現実みたいなものを感じることができる。アトムの世界はそう簡単には言うことを聞いてくれない。だからこそ、取り組む価値があるんだろうな。

  • 購入。

    DIYの体験記。

    アメリカの家は広いと実感できる。鶏小屋を平気で作れたり、引っ越した先でも作ったりと楽しそう。
    子どもを学校へ通わせないで家で教育している方が紹介されていて興味深かった。

    自分が世界や日常の道具とつながっていて、確かに何かを成し遂げていると感じる方法としてものづくりが位置づけられており、共感できる。

  • 僕はかつて「いじり壊す」が得意だった。壊すのがもったいないのと、その他いろいろあって、自分で何かをつくるとか、改造するとかいうことが次第になくなって、プロダクトに囲まれるようになってしまった。
    DIYer、Maker、Tinker. こういうことをしようとする人たちは、ブラックボックスを好まない、というか、わかっていたい、という気持ちが強いのだろう。自分の回りの物理環境を創造、改良するという楽しみ。自分の手で何かすることで、一番変化するのは自分自身。DIYのことを語る本だけど、絵解きで何かの解説があるわけではない。そういう気持ちに火をつけよう。失敗しない物作りなんか、無敵モードでゲームを楽しむようなもの。

  • 「Makerムーブメント」を主導する雑誌「Make」の編集長によるDYI体験記。野菜作り、鶏の飼育、エスプレッソマシンの改造、シガーボックスギターづくり、養蜂や木のスプーンづくりまで!
    アメリカ人というのはもともとDYIへの志向が強いような気がします。なにしろ西部開拓時代からの伝統がありますからね。それにしても近年のMaker〜ものづくりブーム〜というのは、自動車をはじめとする工業が衰退し、金融やITテクノロジーが主要産業になったアメリカという国の、先祖返りというか郷愁のようなものかもしれません。ただしやり始めると徹底しています。
    様々な雑誌に寄稿していたフリーライターである著者は、リーマンショック以降の出版不況によって生活の大幅な見直しを迫られます。夫婦で出した結論は、南太平洋のラトロンガという小島に移住し、ライフスタイルを徹底して素朴なものにすること。結局その暮らしは4ヶ月半で終わり、カリフォルニアに戻ることになるのですが、これをきっかけにそれまでの「アメリカ的消費生活」から「自分で自分の生活をコントロールする」生き方を模索することになります。
    決して器用ではないという彼が、自分でものをつくり始める時にもっとも必要だったのは、「失敗する勇気」だったといいます。現代に生きる私たちは、とにかく失敗をしないように生きてきました。学校でも、会社でも、家庭でも。でも、ものを作るということは失敗と隣り合わせです。むしろ失敗することで学ぶことが大きいのです。失敗することを覚えるためにも、DYIというのは最適です。うまくできなくても問題ありません。次にはもっとうまくなります。だからここに紹介されるさまざまなものづくりも、失敗の連続です。さすがに最初は落ち込みますが、やがて失敗さえも楽しむようになってきます。そうしていると、ものづくりを通じて知り合った人とのコミュニティができてきます。その繋がりを楽しみ、更に腕を上げていく喜びがそこにあります。
    自分はというと破綻のないモダンなデザインの工業製品が好きだったので、家もそんなテイストで仕上げ、どうも手仕事の入る余地がないライフスタイルになってしまいました。DIYといえばプランターでハーブや野菜を細々と育てることと、たまにやる燻製づくりくらい。もう少し手を動かしてものをつくりたいなぁと、本来好きだったはずのDIY熱が戻ってきそうです。IKEAの家具を組み立てるくらいじゃ、いけませんね。

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