Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法 (THE LEAN SERIES)

  • オライリージャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873117119

作品紹介・あらすじ

本書は「リーンスタートアップ」が提唱する構築・計測・学習ループの「計測」にフォーカスしたものです。6つのビジネスモデルを例に挙げ、具体的なデータの裏付けを使いながら、スタートアップが成長するための「計測すべき数値」について詳細に解説します。数字や指標が苦手な人も、起業家ではないビジネスマンも、スタートアップの第一人者が提唱する最重要指標(OMTM)やリーンアナリティクスのステージといった概念を使えば、本物の行動につながる「アナリティクス」が実現できます。

感想・レビュー・書評

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  • どのような指標を追いかけるべきかを並べた。
    文字数が多く読むのは疲れるけれど内容は有益でした。

  • 仕事で読むよういわれたのでほかの読みたい本たちを横目に泣く泣く読んだ。スタートアップにいるのでも新規事業に携わるのでもないので体系的に役立てるというよりは断片的に情報を引き出す姿勢となった。

  • リーンのプロセスの中でも計測にフォーカスした本書。どのような指標を追うべきなのか、リーンアナリティクスの「ステージ」の考え方とビジネスモデルごとに指標の例が示されているのがとても参考にった。

    ・行動につながる指標を選び、(多くの指標を見るのはOKだが)重要なことにフォーカスすべき
    ・基準値を設定し、評価して行動を変える(新たな仮説検証、達成していれば他のビジネス目標に集中、次のステージへ)

  •  スタートアップの重要指標のお勉強。大変参考になった。


    ■優れた指標とは何か?
     優れた指標とは、期待する変化を促す数値である。それにはいくつかの目安がある。

    ・優れた指標は比較ができる
     指標を時間軸・ユーザーグループ・競合他社などで比較できれば、自分がどの方向に進んでいるかがわかる。たとえば、コンバージョン率が「2%」よりも「先週よりも増えた」 のほうが意味がある。
    ・優れた指標はわかりやすい
     指標が覚えにくかったり、議論が大変だったりすると、数値の変化を文化に取り入れるのが難しくなる。
    ・優れた指標は比率や割合である
     会計士や金融アナリストは、企業の財政状況を複数の比率から判断する。あなたにも同じものが必要だ。

     比率を使ったほうが優れた指標になるのは、以下の理由があるからだ。

    ・比率は行動しやすい
     車の運転を考えてみよう。走行距離も情報のひとつだが、運転して時速(距離と時間の比率)である。現在の状況を表しているし、時間どおりに目的地に着くには、速度を上げればいいのか、それとも下げればいいのかをを判断できるからだ。
    ・比率は比較できる
     毎日、同じ数値を1か月間比較すれば、突発的な急増や長期的な傾向がわかるようになる。車が加速しているのか、それとも減速しているのかを把握するには、速度を1時間の平均速度と比較したほうがわかりやすい。
    ・比率は対立する要因の比較に向いている
     車の場合は、走行距離と違反切符の比率になるだろう。速度が速ければ走行距離は増えるが、違反切符を受け取る回数も増えてしまう。この比率は、速度制限を守るべきかどうかを示している。

     車のたとえ話はしばらくやめて、無料版と有償版のソフトウェアを提供するスタートアップについて考えてみよう。この会社には2つの選択肢がある。無料版で豊富な機能を提供し て新規ユーザーを獲得するか、有償版で提供するために機能を残しておいて、お金を支払っ てもらったときに機能を解除するかだ。無料版でフル機能が使えたら売上は下がるだろうが、 機能を落とした製品では新規ユーザーが減るだろう。この2つを組み合わせた指標が必要だ。そして、変更に伴う全体的な影響を把握すべきである。そうしなければ、成長を犠牲にして売上を増やすようなことになってしまう。
     優れた指標は行動を変える。これは最も重要な条件である。指標の変化に合わせて、これまでとは異なる行動ができるだろうか?


     作家であり Google社のデジタルマーケティングエヴァンジェリストであるアビナッシュ・ コーシック《Avinash Kaushik》によれば、元米国国防長官のドナルド・ラムズフェルド《Donald Rumsfeld》は分析についてかなりの知識があったようだ。彼の言葉を引用しよう。
     
     既知の既知がある。我々が知っているものがあり、そのことを我々が知っていることだ。既知の未知がある。我々が知らないものがあり、そのことを我々が知って いることだ。それから、未知の未知がある。我々が知らないものがあり、そのことについても我々が知らないことだ。
     この4種類の情報を図 2-1に示す。
    ・既知の既知:間違っている可能性があり、データで 確認すべき「事実」。
    ・既知の未知:報告によって答えることができる「質問」。 基準化や自動化が必要である。
    ・未知の既知:効果や効率を高めるように、定量化して伝えるべき「直感」。
    ・未知の未知:圧倒的な優位性やエピファニー(ひらめき) が訪れる「探索」。

     
     エリック・リースは著書「リーン・スタートアップ』のなかで、スタート せる3つのエンジンを紹介している。それぞれのエンジンには、関連す主要業績評価指標(KPI)がある。

    ・定着型成長エンジン
     定着型成長エンジンは、ユーザーに戻ってきてもらい、製品を使い続けてもらうことにフォーカスしている。デイブ・マクルーアの定着フェースとよく似ている。ユーザーが定着しなければ、チャーンは高くなり、エンゲージメントは手に入らない。エンゲージメントは成功の前兆だ。たとえば、Facebookの初期のユーザー数はそれほど多くはなかったが、ユーザーである大学生のほぼ全員が何度もFacebookを使っていた。しかもローンチ後の数か月以内にである。Facebookのユーザーの定着は桁違いだ。
     定着の基本的な KPIは「顧客の維持」である。チャーン率や利用頻度も重要な指標となる。ユーザーの定着が長期になるかどうかは、そのユーザーが作り出した価値によって決まる。 たとえば、GmailやEvernoteの使用を中断するのが難しいのは、そこに自分のデータがあるからだ。同様に、MMOゲームのアカウントを削除できないのは、苦労して手に入れたステータスやアイテムがすべて失われてしまうからだ。

    ・バイラル型成長エンジン
     バイラル(拡散)とは、情報を広めることである。バイラルが魅力的なのは、複利で増加していくからだ。たとえば、すべてのユーザーが 1.5人のユーザーに声をかければ、飽和状態になるまでユーザーは無限に増えていく。
     バイラル形成長エンジンの主要指標は、バイラル係数(1人のユーザーが連れてくる新規のユーザー数)である。これは複利で増えていくので(新規のユーザーがまた他のユーザーを連れてくるので)、それぞれのバイラルサイクルで何人のユーザーを連れてきたかを計測する。バイラル係数が1よりも大きければ成長していることになるが、チャーンや解約率などの要素も考慮に入れる必要がある。バイラル係数が大きくなれば、その分だけ早く成長できる。
     ただし、バイラル係数を計測するだけでは不十分だ。バイラルサイクルをまわす活動も計測する必要がある。たとえば、ソーシャルネットワークに参加するときに、メールアドレスの共有を求められることがあるだろう。そこから友達を発見し、招待できるようにするためだ。招待された人がメールを受信すると、何らかの行動をとることになる。こうした活動はすべてバイラルと関係している。つまり、ユーザーの活動を計測して、メッセージを変更したり、サインアップのプロセスを簡略化したりすることが、バイラル型成長エンジンの調整になるのである。
     バイラルを扱うときには、他にも考慮すべき要素がある。たとえば、ユーザーを招待する速度(バイラルサイクルタイム)やバイラルの種類だ。…

    ・課金型成長エンジン
     3つめは課金型成長エンジンだ。製品の定着やバイラルを確認する前にこのエンジンを採用するところもあるが、それでは時期が早すぎる。たとえば、Meteor Entertainment社の無料のマルチプレーヤーゲーム「Hawken」がある。この会社はゲーム内課金でお金を稼いでいる。つまり、最初にベータユーザーグループにプレイしてもらい(定着型)、友達を招待してもらってから(バイラル型)、最後にゲーム内課金(課金型)にフォーカスしているのだ。
     課金というのは、持続可能なビジネスモデルにつながる究極的な指標である。顧客の獲得コストよりも顧客から得られるお金のほうが多ければ(そして、それを継続できるのであれば)ビジネスは持続可能であると言える。自己資本が毎日増えていくので、投資家に頼る必要もない。
     だが、課金そのものは成長エンジンではない。それはお金を銀行に入れる方法にすぎない。収益が成長につながるのは、その一部を顧客獲得にまわすときだけである。それがビジネスを成長させるマシンとなる。
     このマシンには、2つのダイヤルがついている。顧客ライフタイムバリュー(CLV: Customer Lifetime Value)と顧客獲得コスト(CAC:Customer Acquisition Cost)だ。顧客を獲得するコストよりも、顧客から稼げるお金のほうが多ければ正解だ。だが、成功の方程式はそんなに簡単なものではない。キャッシュフローと成長率も考慮する必要がある。これらは顧客がお金を支払うまでの時間によって決まる。この時間を計測するには、顧客損益分岐点到達時間(time to customer breakeven)を使うのがひとつの方法だ。これは顧客獲得コストを回収するまでの時間である。


     アナリティクスとデータの世界では、ステップごとに重要な指標をひとつだけ選んでフォーカスする。ぼくたちはこれを「最重要指標(OMTM)」と呼んでいる。
     OMTM とは、現在のステージでフォーカスする単一の数値のことだ。たとえば、CLV(顧客ライフタイムバリュー)を考えてみよう。課題を検証するときに計測しても意味はないが、製品/市場フィットに近づくときにはフォーカスすべき指標となる。


     OMTM を使うべき4つの理由を見ていこう。
    ・最も重要な質問に答えている。いつでも数百の質問に答えようとしたり、数千のことに取り組もうとしたりする人がいるが、必要なのは最もリスクの高い部分をできるだけ早く特定することである。最も重要な質問はそこにある。正しい質問がわかれば、その答えを見つけるために何の指標を追跡すればいいかがわかる。それが OMTMだ。
    ・評価基準を作ることができる。そうすれば、明確なゴールを持つことができる。フォーカスすべき課題が見つかったら、次はゴールを設定する必要がある。成功を決める道筋が必要なのだ。
    ・会社全体にフォーカスしている。アビナッシュ・コーシックは、多くのことをレポートしすぎる状態を「データの嘔吐(Data Puking)」と呼んでいる。誰だって吐くのは嫌だ。OMTMを使って、会社全体にフォーカスしよう。ウェブのダッシュボードや テレビ画面に表示したり、定期的にメールで通知したりするとよいだろう。
    ・実験の文化を広めることができる。ここまで読んできて、実験の重要性がわかったと思う。実験は、構築→計測→学習のサイクルをできるだけ高速に何度も回さなければいけない。そのためには、実験の文化を広める必要がある。それによって、罰則のない小さなfの失敗(failure)が可能になる。計画的で体系的なテストの失敗は、失敗ではなく学習だ。それが物事を前進させる。そして、それが大きなFの失敗(Failure)を避けることにつながる。組織にいる組織にいるすべての人が実験の文化に染まるべきだ。みんながOMTMに集まり、改善につながる実験の機会が与えられれば、それは大きな力になる。


     共感ステージでは、課題インタビューとソリューションインタビューを行い、定性的なフィードバックを集めることにフォーカスする。ここでのゴールは、解決に値する課題の発見と、初期のトラクションを集めるのに十分なソリューションの発見だ。こうした情報を集めるには、建物の外に出よう。建物の外に出たことがないのであれば(それぞれのインタ ビューで少なくとも 15人にインタビューしていないなら)急いで外に出るべきだ。
     インタビューするときには、最初から詳細な記録をつけておこう。あとでスコアをつけて、関心の高かったニーズやソリューションを把握するためだ。こうすれば、実用最小限の製品 (MVP)にどの機能を入れるべきかがわかる。


     作家・投資家であるティム・フェリス《Tim Ferriss》は、1万人を幸せにすることにフォーカスすれば、いずれ100万人にリーチできる、とケヴィン・ローズ《Kevin Rose》のインタビューで言っている。フェリスの指摘は正しい。MVPを最初にローンチするときには、もっと小さなものを考えることができるかもしれないが、うまく進めるためには総合的なフォーカスが欠かせない。
     もっとも重要な指標はエンゲージメントである。

    ・「製品を使っているか?」
    ・「製品をどのように使っているか?」
    ・「製品のすべてを使っているか?それとも一部を使っているか?」
    ・「使い方や振る舞いはこちらの期待どおりか? それとも期待と違っているか?」

     利用やエンゲージメントに関する指標のない機能を作ってはいけない。すべての指標が OMTMにつながるようにしておこう。そのようなデータが集まり、完全なストーリーとなるのである。製品の機能やコンポーネントを計測できないのであれば、慎重に追加しよう。 変数を追加すれば、それだけ管理が難しくなるからだ。


    ■会社にデータ文化を浸透させる方法
    ・小さく始めるひとつだけ選ぶ・価値を示す
     組織には必ず反対派が存在する。彼らは直感や感性や「今までのやり方」で十分だと信じている。その場合は、小さく始めるとよいだろう。ただし、会社が直面している重要な課題にする(チャーン・デイリーアクティブユーザー率・ウェブサイトのコンバージョンなどの重要な指標をひとつだけ選ぶ)。そして、それを分析して改善するのである。
     会社が直面している「最重要」の課題ではいけない。キッチンにはすでに何人もの料理人がいるからだ(できれば関わりたくない社内政治もはびこっている)。その次に重要な課題を選ぼう。実証可能なビジネス価値があり、見落とされているような課題だ。
     やりすぎると会社を分断してしまう可能性がある。やりすぎはダメだ。ひとつの課題で利点を示すことができてから、すべての部門や製品にプロセスを展開していこう。

    ・ゴールを明確に理解してもらう
     アナリティクスにフォーカスした企業の価値を証明するには、プロジェクトのゴールを明確にする必要がある。ゴールを(評価基準も含めて)思い描かなければ、プロジェクトは失敗する。プロジェクトに関わるすべての人がゴールを共有する必要がある。

    ・エグゼクティブを取り込む
     あなたがCEOとしてトップダウンで手法を広めることができないのであれば、エグゼクティブを取り込む必要がある。たとえば、無料体験版の申し込みのコンバージョン率を改善 したいと思えば、マーケティングの責任者に協力してもらう必要があるだろう。文化を組織 全体に広げて、共通のゴールに向かうには、エグゼクティブを取り込むことが欠かせない。

    ・単純化して要約する
     優れた指標は一目で理解しやすいものである。大量の数値で圧倒してはいけない。相手はフラストレーションを感じてしまうし、正しい数値を理解せずに意思決定する可能性が高い。 指標の価値が高くても、正しく使わなければ間違った道を進んでしまう。OMTMを覚えているだろうか。この原則を使って、アナリティクスや数値の扱いに慣れてもらおう。

    ・透明性を確保する。
     データを意思決定に使うのであれば、データの共有だけでなく、データを取得して処理する方法についても共有することが重要だ。アナリティクスを利用する繰り返し可能な戦略を見つけるには(組織にありがちな「計器に頼らずに自分の感覚で操縦する」手法を減らすには)意思決定尾フレームワークが必要になる。アナリティクスの先入観やデータサイロを破壊するには、(成功と失敗の両方の)透明性を確保することが重要だ。

    ・直感を排除しない
     以前にも述べたように、リーンアナリティクスは直感を排除するものではない。直感の正しさを裏付けるものである。アクセンチュア社のチーフサイエンティストであるキショア・ チサン《Kishore Swaminathan》は、このように言っている。

     科学は純粋に実験にもとづいたものであり、私情を含んだものではない。だが、科学者はそうではない。科学は客観的で機械的だが、創造的で、直感的で、思い切って挑戦できる科学者にも価値がある。
     
     直感を完全に排除せずに、アナリティクスの価値を示そう。直感や感性で十分だという考 え方と、データ駆動による小さな実験のバランスをうまくとることができれば、会社の文化を推進していけるだろう。
     いかなる規模であっても、組織に変化を浸透させるには時間がかかる。会社は仕事のやり方を変えることはないし、一夜にして意思決定を行うこともない。すぐに計測可能な結果がわかる簡単な実験を探して、小さく始めてみよう。そして、会社の KPI(小さなものでも 構わない)を動かすアナリティクスの有効性を実証しよう。そうすれば、アナリティクスに フォーカスした転換を裏付けることができる。OMTMのような概念や課題/解決キャンバ スのようなツールを活用して、データサイエンティストだけでなく、誰もがアナリティクスを利用・理解できるようにしよう。評価基準(エグゼクティブも含めた全員が合意できる計測可能な目標値)にフォーカスしてもらえば、きっと結果を示すことができるはずだ。

    ・優れた質問をする
     市場のことを知る絶好の時期である。顧客はあなたの存在を最初に知ったときから、永久 にどこかへ去ってしまうその日まで、クリック・ツイート・投票・いいね・シェア・チェックイン・購入などのデジタルの「パンくず」をオンライン/オフラインに関係なく残している。 こうしたパンくずを集める方法がわかれば、顧客のニーズ・習慣・生活についての新しい気づきが得られる。
     こうした気づきによって、ビジネスリーダーであることの意味が永久に変化し続けることになる。以前は情報がない状態でリーダーが誰かを説得しようとしていたが、今では利用できる情報が多すぎる。もはや推測する必要はない。その代わり、どこにフォーカスするかを知る必要がある。成長するには規律のある手法が必要となる。途中にあるすべてのステップで、リスクを特定・評価・克服できる手法だ。今日のリーダーはすべての答えを知っているわけではなく、答えるべき質問を知っているのである。
     一歩踏み出して、優れた質問をしよう。

  • スタートアップにおいてどうビジネスフェーズを分けて施策をうつ&検証していくべきかを、サービス種類ごとに分けて紹介されてある。
    かなり参考になった。

  • ビジネスモデルごとにどの指標を追ったら良いかがわかる良い本だった。

  • ・airbnbのケーススタディ
    プロの写真家が撮影すると宿泊数が増えるという仮説→テスト検証→実際にそうであった。
    ・お手伝いをするとスコアが増えほしいものをもらえるアプリhigh score houseのケーススタディ。
    使用時間はターゲットに達成しなくても顧客満足度は高かった。ターゲットに達していなかったので電話をして確認できた。
    ・セグメンテーション、コホート分析、ABテスト、多変量解析

  • いかにKPIを運用するのか、KPIはKGIの分解値で~、みたいな内容はよく見かけるけど、KPIにも先行指標と遅行指標があるとか、コンバージョンを獲得するためにどうKPIをくみ上げたらいいのかといった内容は目からうろこ。リーンであることは、スタートアップに限らずどのステージの企業にも求められることだから、この本はもっと読まれるべき。事例はWEB系の企業だけど、考え方はどの業界にも使えると思う。

  • Webサービス全般の活動方針・傾向と対策の解説

    主にスタートアップ企業の念頭にWeb系サービスにおいて,うまく商売をやっていくうえでの指標や何に気をつけるべきかについて解説されている。
    ECサイト(Amazon),SaaS(Dropbox),無料モバイルアプリ(スマホアプリ),メディアサイト(情報・ニュースサイト),ユーザー製作コンテンツ(Youtube,Wikipedia),ツーサイドマーケットプレイス(ヤフオク),社会に存在する主要なWebサービスこれに分類して,何が大事なのか,どういうビジネスモデルなのかを解説している。

    例えば,商売がうまくいっているかそうでないかを判断するための優れた指標について解説していたり,フリーミアムと有料モデルはどう使い分けるのがいいのかなど,かなり実践的な内容が入っている。実際に存在する企業やサービスを分析した解説もあり,参考になる。
    Web系の会社に所属している人や自分でアフィリエイト等でWebでお金を稼ごうと考えている人なら参考になる部分がある。

    個人的には,以下の内容が印象的だった。
    自分で事業を起こす際の3の要素,
    1. うまくできるか?
    2. これをやりたいか?
    3. これでお金が稼げるか?
    この中で,3.が一番難しい。1と2は自分が決めればいいだけなので簡単だ。お金を払ってくれる人を見つけなければいけない。

    またいつか見返す日が来ると思うような本だった。

  • リーン・スタートアップの、構築・計測・学習ループの「計測」部分にフォーカス。
    データ解析といっても、統計学などを学ぶのではなく、スタートアップがどのような指標にフォーカスすればいいのかなど、具体的に事例などをまじえて詳しく解説しています。
    また、スタートアップに限らず大企業での新事業についても、いくつかの章をさいて解説しています。

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