映像のポエジア: 刻印された時間

  • キネマ旬報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873760308

感想・レビュー・書評

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  • タルコフスキーというと、芸術至上主義一辺倒の偏屈家というイメージが強かったが、そうではなかった。本著作の中でも、俳優と観客に対する彼の寛容さが随所に表れている。例えば、『惑星ソラリス』のドナタス・バニオニスや『鏡』のマルガリータ・テレホワと演技に対する見解を異にしつつも、最終的には歩み寄ることができ、それぞれの映画がいいものに仕上がったと彼は回想する。その背後に存在したであろう数限りない折衝と対話に想いを馳せる時、彼は常に俳優や観客の側にいるのだと実感できる。
     芸術家の使命は自らを犠牲にして全人類に奉仕することだと訴える彼の姿は確かに孤独だが、その真摯な姿勢は何よりも信頼に値すると思う。

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著者プロフィール

アンドレイ・タルコフスキー(Andrej Tarkovskij):1932-86年。ソヴィエト・ロシアの映画監督。ショットの中を流れる時間とそれを表現するリズムに注目し、独自の映像を創出。1984年に亡命。作品に『惑星ソラリス』『鏡』『ノスタルジア』など。映画は人間存在の精神的実在に迫れると確信しながら、映像を文明批評の水準に高めた。86年パリで客死。『サクリファイス』が遺作となる。

「2022年 『映像のポエジア 刻印された時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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