団地団 ~ベランダから見渡す映画論~

  • キネマ旬報社
4.00
  • (14)
  • (10)
  • (9)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 156
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873763866

作品紹介・あらすじ

抱腹絶倒の団地団トークイベントを完全収録&大幅加筆&名団地の渾身ロケ。類書なき、超脱線系団地エンタテインメント大・鼎・談。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 様々な映画やアニメで、団地がどのように描写されているかを語る本。時代によって団地の扱われ方が違って面白い。団地のイメージは時の流れとともに変わりゆく。

    特に興味深かったのは、団地はウルトラマンが戦う場として最適という話。団地は同じ建物が並んでいるため、同じ金型で大量生産できる。また、高さがあるので壁にもなるし、ウルトラマンの大きさを表現するのにもちょうどいい。現在、団地×特撮と言えば『淫獄団地』が話題だが、昔から団地と特撮の相性は良いようだ。

    ちょっと残念なのは、動画作品の場面説明時はスクリーンショットではなく、ラフ画みたいなイラストが使われているということ。漫画の場合は普通にコマが貼られているのに、引用の範囲内で対応できると思うのだが。

    本書はトークイベントの内容をまとめたものであり、イベントでは動画を上映していたようだ。本になっていると調べる時は便利だが、こういう動画あってこその内容はイベントに参加していないと価値が半減すると感じる。

  • 読み終わったのは、団地立ち並ぶJR島本駅に着いた時でした。ページ開いてすぐのタイトルのザラザラした紙は団地側面のタイルを模しているのでは‥。

  • 団地好きな男達が、あらゆる観点から団地の魅力を伝える本。この本のおかげで『団地妻〜昼下がりの情事〜』という素晴らしい作品に出会うことができたので非常に感謝している。

  • 団地の歴史や形態なんかはウィキペディア調べればわかるんだけど、この本のいいところは映像作品を媒介させることで、団地が建ってきた60年代の高揚感や、80年代のけだるさを生々しく感じさせてくれるところにあるんだよね。
    団地が建つ前に出稼ぎ世帯を集めていた長屋もコピー&ペースト可能で画一的なメタボリズム的建造だけど、関東大震災や東京大空襲がなければ胡同やモロッコのメディナのような迷宮に発展していたのだろうか。

  • 団地団のトークショーの文字起こし。
    映像作品や文学を団地視点・団地作品として評論するという点が面白い。(し、結構的を得ていると思う)
    なにより注釈が細かすぎて凄い。長い。ちょっとどうかしてる。
    これ読んで昼下がりの団地妻が見たくなりました。

    間取り図ナイトも地方にやってきたし、団地団も地方巡業したらいいのではないでしょうか。

  • 男子がキャッキャウフフな萌え本です。

  • サブタイトル通り、主に団地が登場する映画についてのトークだが、あくまで団地中心なので(笑)映画を見たことなくても楽しめる。
    団地は工業製品化された住宅で、工業製品の魅力は大量生産にあるという説はとても腑に落ちた。自分が団地に惹かれる理由はこれだったのか。
    冒頭の団地グラビアも秀逸。あとマンションポエムはほんとツボw

  • 脚注にちからが入ってる。
    ひとつの語に二人で注を入れちゃったりするから、本文と脚注が5ページくらい離れてたりする。
    団地と高度経済成長、大量生産大量消費、下町と郊外の関係など。
    コンテンツ語りかくあるべし、といったかんじで、団地団の団員がとても楽しそうにおしゃべりしてるとこがいい。

  • TBSラジオのターミナルで聴いて、面白そうだなー。と思ってたら県立図書館のエントランスでオススメ本になってたので借りてみた。…が、ぼくの知識が足りなかった…。

  • ロフトで繰り広げられた「団地団」のトークライブを文字に起こしたもの。圧倒的な情報量で大変お得な本。

    映画やアニメ、テレビで背景や舞台としてしばしば用いられる団地に主眼を置いてその作品の時代背景、住人の社会的位置付け、そして作中において団地というものはどのような立ち位置として扱われているのかという事を大山顕、佐藤大、速水健朗の三人が軽やかに、時に三人の会話の中から手探りするかのように解き明かしていく様子が文章からも伝わってきて、知の結集による昇華を目の当たりにしてるような気分にさせてくれる。

    三人の矢継ぎ早なトークライブと異なるのは、会話のはしばしにでてくる言葉に対する注釈が豊富に付いている事。ただでさえ情報に富んだトークライブの文章化の上に注釈も楽しめ、団地や映像作品に対する知識があまりなくとも読めるように構成されているのが素晴らしい。巻頭に団地写真、各章に団地イラストが配され、視覚的にも団地のイメージが掴みやすくなってるので殆どの人が抵抗なく読めると思う本である。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

写真家/ライター。1972年生まれ。工業地域を遊び場として育つ。
千葉大学工学部卒業後、松下電器株式会社(現Panasonic)に入社。シンクタンク部門に10年間勤めた後、写真家として独立。出版、
イベント主催なども行っている。
著書に『工場萌え』(石井哲との共著、2007年)、『団地の見究』(2008年)、『ショッピングモールから考える』(東浩紀
との共著、2016年)、『立体交差』(2019年)など。
Instagram: @ken_ohyama、Twitter: @sohsai、Facebook: 大山顕(Ken Ohyama)。

「2020年 『新写真論 スマホと顔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大山顕の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×