ジャン・パウル(Jean Paul:1763-1825)はドイツの作家。ドイツ文学史上印税だけで生活し得た最初の作家とされる。本名はヨハン・パウル・フリードリヒ・リヒター(Johann Paul Friedrich Richter)であるが、筆名は敬愛したジャン・ジャック・ルソーにちなむ。それ以上に敬愛した作家は英国のスウィフトやスターンであり、諷刺家と感傷家の両面性を有する。バイロイト侯国の田舎の地で牧師の息子として生まれ、父の死後は家庭教師をしながら作家を目指した。『見えないロッジ』でモーリッツに見いだされ(1792年)、成功して行ったが、生誕の地や牧歌的子供時代への憧れは終生消えることがなかった。
「2019年 『ヘスペルス あるいは四十五の犬の郵便日』 で使われていた紹介文から引用しています。」