はじめての現象学

著者 :
  • 海鳥社
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874150481

感想・レビュー・書評

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  • どこかで薦められていたので読んだが,現象学を学ぶのに最初に読む本ではなかった。
    同筆者も「現象学入門」という入門書を別に出しているようだし。

    前書きにあるように,前半はフッサール現象学の解説,後半は筆者の思想。前半はそれなりに分かったつもりだが,後半は何が言いたいのかよく分からなかった。

    フッサール現象学の中では,「生活世界」の概念の必要性がいまいち理解できなかった。
    また,所々現象学に対する批判への反論が挟まれているが,初心者の自分には蛇足に感じた。反論の論理もどこか早足で納得しがたい。

    特に前半を通して得た自分の印象は,現象学は,(いわゆる客観的な)真理ではなく,物事の捉え方に着目し,それをどのように・どの程度人々が共有できるかを主題としているのかなということ。この考え方自体は自分にはしっくり来た。

    「「真偽」、「よし悪し」の根拠において必要なのは、「完全な認識」ということではなくて、ただ「認識の一致」(共通了解)の可能性ということだけである。」(55頁)

    「いま見てきた「認識問題の原理」から言っても、わたしたちは世界に何らかの同一存在が実在することを疑うことができない」(48頁)というのは疑問。疑うこともできるが想定することもできる、という程度までしか導けないのではないか。

    「客観存在」というものが一つの想定された観念(49頁)というのはなんだか皮肉。

    「本質直感は……一人一人の人間が誰でも試みることができ、それは同時に自分の素朴な直感や感受性を疑って、自分と他人たちの間を貫いている「意味の関係」の秩序を取り出してそれをよく意識するような方法」(101頁)
    で、小説や将棋や野球は本質直感には不向き(見たことがない人がいる)ということだが、そうすると本質直感できる対象はあまりないのではないのか。だとすると、本質直感の意義はなんなのか。

著者プロフィール

1947年生まれ。哲学者。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、早稲田大学国際教養学部教授。主な著書に、『プラトン入門』、『言語的思考へ』、『人間的自由の条件』、『完全解読 カント『純粋理性批判』』、『完全解読 フッサール『現象学の理念』』ほか多数。

「2017年 『ハイデガー入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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