認知言語学原理

著者 :
  • くろしお出版
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  • / ISBN・EAN: 9784874241899

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  • 2009 前期「言語認知論」(山梨正明) 参考書.

  • 『認知言語学原理』くろしお出版
    著者:山梨正明(1948-)

    【メモ】
    ・山梨正明研究室
    http://www.hi.h.kyoto-u.ac.jp/modules/professor/index.php?content_id=2
    ・出版社 商品ページ
    http://www.9640.jp/xoops/modules/bmc/detail.php?book_id=570&prev=search

    【誤植】
    ・本書101頁8行目 (第一刷で確認した)
      誤「境界によて」
      改「境界によって」


    【簡易目次】
    第01章 認知言語学と言葉の世界 002
    第02章 認知言語学の基本的枠組み 018
    第03章 言葉と認知のダイナミックス 056
    第04章 外界認知と言葉の身体性 118
    第05章 カテゴリー化の能力と拡張のメカニズム 178
    第06章 一般的展望 250


    【詳細目次】
    まえがき  (i-v)
    目  次  (vi-ix)

    第01章 認知言語学と言葉の世界
    1.1 感性・身体性からみた言葉の世界 002
    1.2 認知言語学の言語観と科学観 003
    1.3 計算主義の言語学の限界 005
    1.4 パンクロニック的視点 006
    1.5 感性・身体性から知性へ 007
    1.6 認知言語学と「認知」の意味 008
    1.7 認知能力の発想としての言語 009
    1.8 言語主体と認知プロセスの創発性 011
    1.9 認知言語学の記述・説明の経験的基盤 012
    [注]  ……………………………………… 014

    第02章 認知言語学の基本的枠組み
    2.1 認知言語学のアプローチ 018
    2.2 認知のプロセスと言葉の意味 019
     2.2.1 図・地の反転プロセス
     2.2.2 ベースとプロファイル
     2.2.3 基本的な認知対象
    2.3 トラジェクターとランドマーク 023
    2.4 外部世界の概念化と言語カテゴリー 026
     2.4.1 位置関係と空間の概念化
     2.4.2 場所・空間のサーチ・ドメイン
     2.4.3 方向性と認知主体の視線
    2.5 認知的視点に基づく叙述と修飾 032
     2.5.1 特定化と事例化のプロセス
     2.5.2 事態と参与者の認知的規定
     2.5.3 認知ドメインと叙述の認知規定
     2.5.4 複合的な事態の認知規定
     2.5.5 事態認知と焦点化の機能
    2.6 認知プロセスと言葉の発言 047
    [注]  ……………………………………… 048

    第03章 言葉と認知のダイナミックス
    3.1 言葉と認知プロセス 056
    3.2 外界認知とスキャニング 056
    3.3 スキャニングと認知主体の視座 057
     3.3.1 対象の探索空間と視線の移動
     3.3.2 空間移動と「見え」の移動
     3.3.3 移動の知覚的痕跡と軌道のイメージ
     3.3.4 認知主体の移動と主格的知覚
    3.4 前景・背景、図・地と言語現象 070
     3.4.1 図-地の反転と際立ち
     3.4.2 状況のフレームと前景化
     3.4.3 セッティングと参与者の反転
     3.4.4 <統合性>と<離散性>の反転
     3.4.5 図-地の認知と関連現象
    3.5 参照点能力と言語現象 085
     3.5.1 参照点とターゲット
     3.5.2 参照点能力とアクティヴゾーン
     3.5.3 照応現象と参照点能力
     3.5.4 参照点能力からみた話題化と関連現象
    3.6 プロファイルシフトと文法化 099
    3.7 認知のダイナミックスと言語研究 103
    [注]  ……………………………………… 104

    第04章 外界認知と言葉の身体性
    4.1 言葉の身体性と主観性 228
    4.2 外界認知と言葉の意味 119
     4.2.1 場所・空間の認知と意味の拡張
     4.2.2 対象の形状と知覚のモード
     4.3 身体感覚・五感を介しての外界認知 125
     4.3.1 体感性と意味の拡張
     4.3.2 五感と身体部位のイディオム
     4.3.3 感覚のモダリティと思考・判断
     4.3.4 視覚モードの優位性
    4.4 知覚、身体感覚と<見立て>の複合モデル 132
    4.5 運動感覚と外界認知の主観性 135
    4.6 経験のドメインとイメージスキーマ 139
     4.6.1 概念構造とイメージスキーマ
     4.6.2 空間認知と意味の根源
     4.6.3 イメージスキーマのトポロジー的継承
     4.6.4 複合的視点から見たイメージスキーマ
     4.6.5 他のイメージスキーマと意味の主観化
     4.6.6 イメージスキーマのネットワーク
     4.6.7 イメージスキーマの価値付与と意味の主観性
     4.6.8 社会・文化的意味の根源
    4.7 空間認知による否定概念の拡張 159
    4.8 イメージスキーマ変換 164
    4.9 日常言語の身体性と創発性 168
    [注]  ……………………………………… 169

    第05章 カテゴリー化の能力と拡張のメカニズム
    5.1 言語現象の予測性と慣用性 178
    5.2 スキーマ、プロトタイプと拡張事例 180
    5.3 日常言語のカテゴリー化と拡張現象 181
     5.3.1 音韻レベルの複合ネットワーク
     5.3.2 形態レベルの複合ネットワーク
    5.4 複合ネットワークのダイナミックス 187
    5.5 語彙レベルの複合ネットワーク 188
    5.6 拡張関係と<記号・意味>のミスマッチ 192
    5.7 多義性のネットワークと家族的類似性 199
    5.8 カテゴリー化と言葉の創造的拡張 205
    5.9 拡張事例と動的ネットワーク 205
    5.10 分析性の変化と言葉の創造的拡張 208
    5.11 パターンの発現と言葉の創造性 217
    5.12 事態認知のダイナミズムと構文の拡張 218
     5.12.1 構文の複合ネットワークと事態認知
     5.12.2 動詞カテゴリーの複合ネットワーク
    5.13 認知能力と言葉使用からみた言葉のエコロジー 238
    [注]  ……………………………………… 239

    第06章 一般的展望
    6.1 認知言語学のパラダイム 250
    6.2 開かれた糸としての言語体系 251
    6.3 古典的カテゴリーの限界と動的ネットワーク 252
    6.4 生成意味論のレガシーと認知言語学 253
    6.5 記号・計算主義と自律的言語学の限界 254
    6.6 言語習得の研究に関する新たな展望 257
    6.7 言語モジュールと普遍文法仮説の本質的問題 262
    6.8 言語能力の根源と言葉の生物・進化的背景 265
    6.9 認知言語学のアプローチと新しい認知科学 267
    6.10 言語研究の身体論的パースペクティブ 268
    [注] ……………………………………… 268

    参考文献  277-300
    索  引  301-309

  • ぷろふぁいりんぐ、とか、ふれーむ、とか、英語文献で読むとカオスな認知言語学の基礎知識を、日本の第一人者の手でわかりやすく網羅している一冊。意味論の主専で苦労したら、これにも手を伸ばしてみるといいとお思われます。だってわかりやすいんだもの。ラネカーのもとで、学ばれてきた先生の大作です(110212記)。
    でもって、それから4ヶ月経って、それをもとに学んでいるわけですよ。著者自身のコメントや信念と照らし合わせて読むことで、さらに解釈が深まっていくなう、なのは面白いなあと思う。イメージスキーマとか、そこらへんは未だにわかりにくい難しい概念なんだけど、当たり前の経験事実として日々過ごしている中で出会う言語現象を、慎重に説明しようとしている著者の姿勢がなんとなーく伝わってくる一冊だなあと、最近は思うようになったのでした(110618記)。

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著者プロフィール

山梨正明(やまなし まさあき)
〈略歴〉1948年静岡県生まれ。1975年ミシガン大学大学院博士課程修了(言語学、Ph.D.)。京都大学名誉教授。
〈主要著書〉『認知文法論』(ひつじ書房、1995)、『認知言語学原理』(くろしお出版、2000)、『ことばの認知空間』(開拓社、2004)、『認知構文論』(大修館書店、2009)、『認知意味論研究』(研究社、2012)、『修辞的表現論』(開拓社、2015)、『自然論理と日常言語』(ひつじ書房、2016)、『新版 推論と照応』(くろしお出版、2017)、『日・英語の発想と論理』(開拓社、2019)、『言語学と科学革命』(ひつじ書房、2021)、Cognitive Linguistics Vols. 1–5 (編著、SAGE Publications, 2016)、他。

「2023年 『小説の描写と技巧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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