内村剛介著作集 第2巻 モスクワ街頭の思想

  • 恵雅堂出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (648ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874300428

作品紹介・あらすじ

20世紀の希望・ソ連は遂に崩壊した。ソ連崩壊の以前・以後、ソ連を一貫してその「内臓から見つづけてきた」著者が、ロシア人への親愛を保持しながら、社会主義国家ソ連の本質的犯罪性を弾劾する。
●「街頭」という位相から、〈ソ連〉という謎に迫る
ソ連を語るに「クレムリン」という位相は相応しくない。ソ連という謎に迫る方法として著者がとったのは、「街頭」という位相であった。遠く聳立するクレムリン権力を、「街頭」「路上」というリアリティに引き寄せてこれを撃つこと。ここから、声高に叫ばれるスローガンや新聞に溢れる公式報道の陰で、ソ連人はかく生きている、という著者独特の情況論が生み出されていった。こうしてパステルナーク事件からチェルノブイリ原発事故まで、またゴルバチョフのペレストロイカからソ連崩壊まで、ペレストロイカを挟んで、「ソ連」から「ロシア」へなし崩し的に移行する全情況が活き活きと考察される。
●ユートピアへの磔刑——クリミナル・ソシアリズムの運命
20世紀のユートピアを目指して船出したソ連が行き着いた場所こそ「ユートピアへの磔刑」にほかならなかった——この痛切なパラドックスを踏まえ、ソルジェニーツィンの『収容所群島』に比肩する、J.ロッシ『ラーゲリ(強制収容所)註解辞典』を採りあげながら——ロッシはまた内村剛介の獄友であり、個人的盟友でもある——その「私的註解」という形式を借りて、自ら生み出したラーゲリに喰われて自滅に向かう「クリミナル・ソシアリズム」の諸様相を描く。

著者プロフィール

1940年生まれ。1965年早稲田大学第一文学部卒。著書に『シベリアの思想家ー内村剛介とソルジェニーツィン』(風琳堂)、『内村剛介ロングインタビュー』(恵雅堂出版)、『現代思潮社という閃光』(現代思潮社)、編集『内村剛介著作集』全七巻(恵雅堂出版)。
雑誌『VAV』同人。
2018年11月2日 急逝(78歳)

「2019年 『パステルナーク事件と戦後日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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