- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784874354186
作品紹介・あらすじ
東京で暮らす小説家が、大阪弁でぼちぼち綴ります。日々のあれこれ。
感想・レビュー・書評
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日記形式のエッセイ。関西弁をそのまま文字にしてあるところがおもろい。なお、著者は関西生まれ、育ちだが、現在は東京在住。なので、東京と大阪の慣習や文化の考察も面白い。あと、本文に添えられた蛍光色のイラストが大変ユニーク。描いているのは著者とは別の人だが、本文の内容に直接イラストにしている場合もあるが、ちょっとひねったモノも多く、なんでこの文にこのイラスト?と思うような場合もあり、ただよく考えると、なるほど!と謎解きができるものもありそこでも楽しめた。
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図書館で手に取った。
ゆる~いエッセイ。関西弁(大阪弁)が心地よい。
「~したはる」っていう言い方、うらやましい。標準語だと「~していらっしゃる」になるのかなと思うけど、仰々しいんだもん。
文章を生業としている人は、こんなちょっとしたことでもステキな文章になるんだなあ、と当たり前のことを思いました。 -
なんかおもろいなあ、よう知らんけど。
200冊目! -
『自分はほかの誰かが見ている世界とまったく同じ世界を見ることはできない、同じものを見てても違うように見えてる、っていうのは、自分の小説で書きたいことでもある』
柴崎友香の面白さを説明しても 他人には 中々伝わらない。万人受けしないその魅力はきっと天邪鬼的な面白さなのだと、このエッセイを読んでいる内に見えてくる。世の中を定型で切り取らない。みんなが揃って面白いというものにうっかり乗ってしまわない。雑誌が良いものだと取り上げても大層な値段が付いていたら高過ぎると言う。その天邪鬼精神の根っ子は、このエッセイの口調を育んだ大阪にあるのは間違いない。だからどうと言うことではないけれど、小説や他の媒体に書かれたエッセイではその直接的な因果関係は見えてこないので敢えて言ってみる。
このエッセイは連載を最初からフォローしているし、敢えて単行本にまとめられたものを読むまでもないとも思ったのだけれど、少し時間を置いて現在進行形のことが過去になったものを読み返してみると、ネット上ではさらさらと流れてしまっていた文章が、案外と揺るぎない思いに裏打ちされていることに気付いて少し得をしたような気分になる。そして自分が柴崎友香の小説を好きな理由も同時にはっきりする。同じものが同じように見えていると、皆がそんなふりをしなくても大丈夫なのだと思えること、それが柴崎友香の小説を読む理由。
『わたしとしては、小説はなんかの目的を先に持って読まないほうが楽しめる。知らない町で迷子がなるのが楽しいみたいな感じで』
それができる人と出来ない人がいるのもまた事実。自分もどちらかと言えば旅に出る時は行く先をかっちり決めないで出掛けたいと思いつつ、やっぱり何処か決めた場所へ向かって行く結果になる。町歩き位なら適当に歩き出せるけれど、それでも頭の中の地図の上で常に自分の現在地を想像しないではいられない。最近は携帯電話のGPSで地図の上の現在地を実際に見て確認もできてしまう。迷子になったら楽しいだろうと思いつつ、迷子になったら大変だとも身構える。そんなうじうじとした感じを、柴崎友香はいつの間にか吹き払ってくれるような気がするのだ。
全ては結果オーライでいいじゃない。断言したことが間違っていたって、途中でそれに気付いて修正すればいいだけのこと。間違いを恐れて何も言わないよりも、皆が眺められるように決まった場所に何かを置いて見せる方がなんぼか建設的。さんざん断定的に喋った後で、ちょっとだけ保険を掛けて一言いうテクニックは自分にはないけれども。よう知らんけど。 -
祝・芥川賞受賞! で日記エッセイを読むのもどうかとは思いますが。
実は作者とは同い年であり同じ大阪出身ということで、どこかしら親近感を勝手に抱いていたのです。今作も読みながら、ああそうそうわかるわかる(よう知らんけど)と頷くことしきり。ついつい大阪の地名に当てはめて考えるとかやるなあ。大阪を離れた目をもっているから、余計に大阪論的なものを含んでいるのかも。面白かった。 -
大阪弁で綴られた日記。楽しいなぁ。いらちって何だか最初わからなかった。西と東での習慣の違いなど気付かされる。幼い頃大阪に行ってくいだおれ人形見て何故だか大阪に異常な嫌悪感を感じていたことを思い出した。今は西の方が大好きだけど。西の方の人の方が物の見方が明るい気がする。楽観的というか。人当たりも良いし、そういう所も含めて西の方が好きだ。
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文学
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大阪弁エッセイ。わかるわ~、という楽しさ。
小説は読んだことないんやけど。
(芥川賞作家さんやったんね!?) -
この歳になって、ことさら「東京イキんな、大阪ナメんなよ」と肩肘張ることもなくなって、むしろ「出身とか地域とかは競うためじゃなく、違いを楽しむためにあるんやな」と達観してきた感のある俺です。
過去はやたら関東にライバル心抱いたりもしたけど、そういうのムッサカッコ悪かったなぁと後悔しきりで、反省しきり。
特に阪神ファンを辞めてからそういう気持ちが強くなり、そういう境地に至ってみると阪急そばも富士そばも名駅のきしめんも、どれもこれもが個性あって美味く感じられたりして得もする。野球だってチーム関係なく楽しめる。郷土愛はエエけど行きすぎたナショナリズムは非常に損でカッチョ悪い。
柴崎さんは関西出身、東京在住の作家さんで、この本は京阪神Lマガジン社から出されている、非常にニュートラルな立ち位置で、東京も東北もニューヨークも観察しているところが素晴らしい。しかも「関西目線」を適度に保って排除しない、大阪愛も随所に溢れている。
大阪大好きな俺も、こういう目線でありたいなぁと思った次第。 -
安い服には余計なもんがついてる、て私も常々思てたわ!その他、共感する部分多数あり、柴崎さんとは良い飲み友達になれそう。