街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。

著者 :
  • 京阪神Lマガジン
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本棚登録 : 594
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874354278

作品紹介・あらすじ

今の時代に、個人の小さな店が生き残るために必要なことは何か。京都の人気書店「恵文社一乗寺店」の店主が、京都の街で愛されるさまざまな個店を訪ねて、小さなお店の魅力と街との関わりについて考えます。

感想・レビュー・書評

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  • 何時間いても欲しい本が一冊も見つからないような無個性の本屋がある一方、棚ひとつ見ただけで「これ、全部ください」と思うような本屋もある。単純に出版社別、作家名のあいうえお順でない、個性溢れる棚。この本の隣には全くジャンルは違うが、並べると不思議と繋がりを持つ。そんな素敵な本屋が京都には沢山ある。
    その棚のひとつがこの恵文社一乗寺店のある左京区。魅力的な本屋と、カフェと、居酒屋とが隣り合わせ、『すぐに消費されないような複雑な物語をつくる』街となっている。画一化されたチェーン店ではまず出逢えない物語のある小さな店に個性的な店主。
    また、左京区をそぞろ歩いてみたくなった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「無個性の本屋がある一方」
      本屋さんも商売だからね、、、恵文社さんのようなお店は例外なんじゃないかなぁ?(スタンダードブックストア心斎橋で...
      「無個性の本屋がある一方」
      本屋さんも商売だからね、、、恵文社さんのようなお店は例外なんじゃないかなぁ?(スタンダードブックストア心斎橋で、堀部篤史×中川和彦のトークショー聞いてきます)
      2014/03/11
  • 六曜社さんが載っていた。
    中継点としての存在。
    140字のシンプルさが受け入れられる時代に、シンプルじゃない物語を提供する事。

  • 「過去にすばらしい商品や作品が完成しているのに、なぜそれらのまがいものの再生産を、騙されたふりで消費し続けなければならないのか。貼りかえられたラベルだけを見て消費を続けるのならば、商品そのものの優劣はおざなりになってしまいかねないでしょう。」
    →変な喩えだけど、電球や蛍光灯ははやく次を購入させるために寿命を短く設定させているそうだ。わたしたちを取りまく「文化」にもそういう小細工がされてるんだろうね。

    「抜け道の数が多ければ多いほどその社会は良い社会であると僕は思っている(村上春樹)」
    →人生から抜け道・枝道がなくなっているから、現代はひとが追い詰められやすくなっている。「この世」に逃げ場を失ったひとは「あの世」に逃げるしかなくなってしまうわけだ。

    「皮こそがらっきょうであり、中に「実」が潜んでいるというのは思い込みに過ぎない。雑誌も同様、不必要な記事を破いてしまえば、それはもう雑誌ではない。雑多な記事が束ねられているからこそ、雑誌は面白い。」
    →必要なものと不要なものの「あいだ」あったつながりが世界への広がりだったりするかもね。必要なものだけをかき集める生き方は、自分の世界をどんどん小さくしてるんだ。

  •  情報化・経済化されないで暮らすには。
     歩いてたどり着いて手に入れられる場所だな。
     必要なのは。 
     なかなか難しい。効率を求め過ぎず、便利をほどほどにして生きるのは。

     

  • 知る人ぞ知る京都の本屋「恵文社一乗寺店」の店長による商いの在り方についてのエッセイ。この本屋は京都のガラス工房に出入りしていたころに、同じ工房で製作活動していた方に教えてもらって行ったことがあるのですが、単なる本屋ではなくギャラリースペースが併設されている一風変わった本屋だったのを覚えています。当時は本屋が本以外のものを販売することが珍しく、面白い店だなと思ったものです。

    店長がいくつかの個人店を取り上げ、そこから生き残るためのヒントを探っていくのですが、これらに共通するのは大量生産大量消費、利便性や安さの追求とは無縁の世界観を持っているということでした。これは店のコンセプト作りに大いに重要なのですが、利は少なくてもファンがいて、その人たちを大切にした運営をしている。カネと商品のやり取りだけでなく、お客さんの「顔」がしっかりあって、商品とカネという関係を超えた何かがそこにはある。圧倒的な品ぞろえでは劣るが、そもそもそこを重視していない運営の仕方から、これからの店の在り方を学ぼうとしています。

    これまで紹介した『消費をやめる』『小商いのすすめ』『路地裏の資本主義』などと共通する人と人とのつなが
    りを重視した考え方。本書の特徴はそれを著者の一方的な分析や感覚から書かれたものではなく、個人店の店主の声を聞いているということ。個人店の数だけ考え方があるといっていいほど多様な店、そしてそれらの店を受け入れることができる懐の深いその地域の文化。

    個人店の在り方として、大型店にはないものを打ち出す重要性を説くことが多いですが、視点を変えるとむしろ、地域に根差した個人店に勝つためには、圧倒的な品ぞろえと便利さ安さで勝負しないと大型店は個人店に勝てないというように取ることができます。とはいえ、ここに登場する個人店はそんな戦略的なことすら考えてなさそうな感じですが、たとえ考えていたとしても、それがその地域の文化に根差したものでなければだめだという考え方には賛同できます。久しぶりのこの本屋に行ってみようと思います。

  • 恵文社一乗寺店にて購入。
    京都の左京区に住みたい。
    散歩しながらふらりとお気に入りの店に入る。
    ふらふらと店内をめぐりながら何か見つける。手に取り買う。
    店を出てまた散歩する。
    疲れたらどこかのお店に入りコーヒーを飲む。
    そしてまた散歩をする。
    そんな、毎日のなんと豊かなことか。そういう街のなんとステキなことか。

  • 恵文社ファンならぜひ読んでいただきたい、
    堀部さんの経営録です。
    書店経営が大変な昨今、こんな不便な場所に全国から人が集うのはなぜか?を知ることができました。

  • 京都にある大好きな本屋さんの本。商売の在り方として本当に尊敬するし、だからこそ遠いけれど年に1回くらいは足を運んで、応援する意味も込めてそこで本を買いたい。CDとかもそうだけど、物を買うというのはそういうところにおもしろさや価値があるんじゃないかなぁと思う。

  • 自分が気に入って並べていた本が、
    誰かに「この本、買ってよかった」と思ってもらえるだけで励みになる。

    お客さんは株主さん、かあ。

    育休明け、気持ちがしぼみかけたら
    またこの本を読み直そう。

  • なんか、足踏みして自分の足元を確かめたくなるような本だった。個性的な個人店、そのたたずまい、考え方。街に根ざして生きていくこと。
    点ではなく線、というより面みたいなことかなと思う。
    最短距離で欲しいものだけ手にいれていても、広がりは生まれない。もっと長い射程で、広い視野で、無駄足踏みながら見つけるものを、そういう暮らし方を、私も自分のまわりで見つけてみたい。働き方も、目の前のことだけじゃなく、もっと遠くまで見通して。
    それから、一回見ただけでわかったと思わないこと、通うことで見えてくるもの、形作られる関係があること、もちろん土地柄もあってそこにしかないものもあるのだろうと思うけれど、考え方として心に留めておきたいことがいろいろあった。読んでよかったなあ。そして、もっと時間とってまた京都に行ってみたい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「街に根ざして生きていくこと。」
      うん、確かに地元応援型ですね!
      京都は学生と観光の街ですが、このお店は両方に受け入れられる要素がありま...
      「街に根ざして生きていくこと。」
      うん、確かに地元応援型ですね!
      京都は学生と観光の街ですが、このお店は両方に受け入れられる要素がありますね。
      2014/03/11
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