ルネサンスを先駆けた皇帝: シュタウフェン家のフリードリッヒ二世

著者 :
  • 慶友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784874490716

作品紹介・あらすじ

異端者か、救世主皇帝か、それとも学者?13世紀初頭、十字軍遠征が盛んなヨーロッパにイスラム文化を受容する皇帝が現れ、当時想像を絶した交渉によるイェルサレムの無血開城を実現する。また南アフリカに強大なシチリア王国を樹立し教皇庁と対立。教皇派は異端者・悪魔と攻撃し、皇帝派は救世主皇帝と崇め存亡をかけた戦いへと発展し、三度破門される。一方で学問や詩作に情熱を燃やし、自らも近代的な鳥類学書を執筆し、宮廷は文化の中心地となる。その活動は12世紀ルネサンスを14世紀ルネサンスへと引き渡す役割を担い、政治行動とともに後の西欧の文化や国家の形成に多大な影響を残した。しかし彼の死とともに王国も家系も消滅し、中世の終焉を早めた彼は、謎の多い人物とされてきたが、ここにその生涯の全貌を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • シチリア王フェデリーゴの伝記。神聖ローマ帝国皇帝としてはフリードリヒ2世と言う事になる。著者は専門の歴史研究者ではなく、技術畑の人の様だが1次史料まで詳しく調べてあるようで参考になる。勿論、新説であるとか研究動向の評価であるとかを求めてはいけない。視野が広すぎて凡人には理解されなかった皇帝の、ある意味悲劇的な人生に涙する。

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著者プロフィール

1937年生まれ。千葉工業大学卒。東京大学生産技術研究所、マックスプランク金属研究所(ドイツ)、東北大学選鉱製錬研究所で鉄製錬反応の基礎研究に従事。日本鋼管(現JFEスチール)で技術開発に従事。私的にはルネサンス前史に興味を持ち、フリードリヒの時代を超えた科学的思考に感銘を受け『ルネサンスを先駆けた皇帝』(2009年、慶友社)を上梓、彼の思想を反映した本書の訳出に至る。元千葉工業大学非常勤講師、工学博士。

「2016年 『鷹狩りの書 鳥の本性と猛禽の馴らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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