- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784874491539
感想・レビュー・書評
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秋田出身で、角館を拠点としてマタギ関連の民俗を研究した著者が、昭和10~20年頃にかけて仙北郡・由利郡・北秋田郡あたりのマタギから聴取した貴重な内容が記されている。読み物ではなくて学術資料である。
著者没後に、残された原稿を書物としてまとめたもの(昭和44年刊)というだけあって読みやすいとは言えないが、秋田マタギの習俗や怪異談、クマ(ツキノワ)狩りの作法、雪崩に関する記述などには興味をそそられる。
中でも、お産や煙草などは「産火」と呼ばれ不吉とされたことや、鉄鍋のツル越しに飯を盛ってはならない、寒中に豆を煎ってはならない等の禁忌は、迷信とも先人の戒めともつかないことだが、そうした厳格なしきたりが受け継がれたところに自然への畏敬が感じられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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